"母の命日と550万円の披露宴" 第5話
そのの数、私は病院へ泊まり込み、母の病を続けた。
そのも、美子とからウェルカムボードの作り直しや引き物の袋詰めを命じる連絡が届いた。
伝いに来られないならだけ送れという文面もあったが、私は既読をつけず、すべて無した。
結婚式夜、窓を激しいが打っていた。
医師から今夜がかもしれないと告げられ、私は痩せた母のを両で包んだ。
母の顔を見つめると、抑えていた言葉がこぼれた。
「お母さん、私、頑張ったよ。してもらえるように、いい妻になろうとずっと頑張ってきた」
涙を拭い、私はもう1度母のを握った。
「でも、もう自分のを取り戻すから。配しないでね」
画面を見ると、美子からの着信履歴は50件を超え、留守番話も10件以残っていた。
私はスマートフォンの源を切り、母のそばで夜を越した。
翌朝615分、医師が腕計を確かめ、静かに刻を告げた。
「ご臨終です」
握っていた母のにはまだ温もりがあったが、命の脈は消えていた。
護師たちは母へ向かってく礼した。
「お疲れさまでした。よく頑張られましたね」
世界でただ1、無条件に私をしてくれたがいなくなった。
胸を貫く喪失のでも、搬送や葬儀の続きをめなければならなかった。
私は病をて、勝へ話をかけた。
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数回の呼びし音の、勝が眠そうな声で応じた。
「朝から何だよ」
私は喉の痛みをこらえ、事実を伝えた。
「母が、今、息を引き取ったの」
勝は瞬驚いた、舌打ちをした。
「よりによって今かよ。タイミングが悪すぎる」
勝は自分の都を並べ、私へ帰宅を求めた。
「今の主役はだ。俺たち夫婦がないのはあり得ない。式が終わったら戻ればいいだろ」
私は震える息を吐き、彼の言葉を確かめた。
「本気で言っているの」
勝は悪びれず、私を説得する調を作った。
「俺だってつらい。でも、きているのほうが事だろ」
これ以声を聞けば耐えられないとい、私は通話を切った。
病へ戻ると、護師が私の顔を配そうにのぞき込んだ。
私は背筋を伸ばし、葬儀社へ連絡すると伝えた。
「丈夫です。母を送る準備をめます」
母の搬送を待つ、私はの空気を吸うため、病院の玄関へた。
スマートフォンには美子からの留守番話が残されていた。
再すると、美子は母のまで嘘だと疑っていた。
「結婚式をさぼりたいから、嘘をついているんじゃないでしょうね。本当でも、式くらい顔をしなさい。くなったは何もじないんだから」
録音のろでは、の笑い声が聞こえていた。
SNSではが母の危篤を嘘だと決めつけ、私がいないほうがよいと投稿していた。
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母を乗せた葬儀社のが到着すると、私はスマートフォンをしまい、い布を静かに直した。
葬儀社の打ちわせへ移ると、担当者は母が好きだったを確認しながら、祭壇の案を示した。
私はを基調にえてほしいと伝え、必な続きへ目を通した。
テーブルのでは、勝からの着信が何度も続いていた。
担当者が気遣うように画面へ線を向けた。
「お話にられても構いませんよ」
私はをげ、廊へてからメッセージをいた。
勝は、美子が激している、顔だけでもせ、優先順位を考えろと送っていた。
私はりを抑え、い文面を返した。
「親がくなった当に結婚式へろというの。正気とはえません」
既読がつくと、すぐに返事が届いた。
「の結婚式のほうが事だ。きているを優先するのは当たりだろ」
続いて美子から話がかかり、私は廊の壁へ背を預けて応答した。
美子は親戚が集まり始めているとわめき、受付をするはずの私がいないため、業者へ3万円を払うことになったと責めた。
私はたい壁をじながら、質問した。
「私の母がくなったことより、受付と3万円のほうが事なんですか」
美子はを置かず、言い切った。
「当たりでしょう。くなったおばあさんより、未来のある若者の祝い事のほうが切よ。
今くなるなんて、本当にの悪いね」
その言葉によって、私のに残っていた最のためらいも消えた。
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