"留守番を命じられた妻" 第3話
私は添付された確認をいた。
予約数は、最初と同じ3名。しかし宿泊者欄から「由美子」の名が消え、代わりに見らぬ女性の名が入っていた。
川優、31歳。
プランも通常の記プランから、呂付き客の「マタニティプラン」へ変更されている。備考欄には、「同者妊娠5か。事内容に配慮希望」と記されていた。
私は画面を見つめたまま、しばらくけなかった。
浩司には、私より21歳若いがいる。その女性は妊娠しており、子もすべてっている。2は私が予約した旅から私だけをし、優を連れていくつもりなのだ。
しかも、現で使う予定のカードは、私が本会員になっている族カードだった。浩司は若いと母親ので見栄を張りながら、支払いだけは私にさせるつもりらしい。
胸の奥がえたが、議と涙はなかった。夫を取られたしみより、父のまで彼らのしい庭に差しされようとしていることへのりのほうがかった。
私は予約確認を印刷し、変更履歴の画面も保した。カード会社のサイトへ入り、過6か分の利用細をダウンロードすると、私のらないレストラン、ホテル、宝飾の支払いが並んでいた。
すべて浩司に持たせていた族カードから決済されている。計すると、すでに180万円を超えていた。
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そのには、浩司の会社くにある産婦科の支払いも含まれていた。利用と照らしわせると、浩司が「取引先との会」と言って遅く帰っただった。
私は細を印刷し、予約確認と緒にクリアファイルへ収めた。そしてカード会社へ話をかけ、族カードの利用止を旅最終の朝に指定した。
旅は、好きなだけを見ればいい。現実をるのは、旅館のフロントで支払いを求められたで分だった。
その晩、浩司は嫌で帰宅した。
「由美子、温泉のはでゆっくりしろよ。母さんのことは俺が見ておくから」
「ありがとう。本当に、ゆっくりさせてもらうわ」
私が笑うと、浩司も満そうに笑った。
翌朝、子は朝をべながら、さりげない調で言った。
「今の午、にお客様が来るから。あなたはお茶だけして、あとは奥に引っ込んでいて」
「どなたですか?」
「これから族になるよ」
第4話 あなたの役目は終わった
午2、玄関のチャイムが鳴った。
扉をけると、宅リフォーム会社の営業担当者と、淡いクリームのワンピースを着た若い女性がっていた。女性はし膨らんだ腹部を庇うように片を添えている。
「優さん、寒かったでしょう。くがって」
子は私を肩で押しのけ、女性のを両で包んだ。私に向けるとはまるで違う、甘く優しい声だった。
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「お母さま、お邪魔します」
優はそう答えると、私を値踏みするように見た。驚いた様子がない。浩司から私の写真を見せられ、今もにいると聞かされていたのだろう。
「こちらが、奥様ですか?」
営業担当者が困惑気に尋ねた。
「今は、ね」
子は笑い、優をリビングへ案内した。
「由美子さん、何をぼんやりしているの。3分のお茶をお願い」
私は黙って台所へ向かった。湯を沸かしているも、リビングから楽しげな声が聞こえてくる。
「この壁を抜けば、かなり広いLDKになります。耐震補を入れれば、こちらのもへ変更できますよ」
「子どもがり回れるくらい広くしたいんです。ベビーベッドも置きたいし」
「そうね。私の部も残してちょうだい。孫の世話は私がするから」
子はもう、まれてくる子を自分の孫だと決めていた。15こので暮らした私のだけが、最初からなかったことにされている。
3つの湯みを盆に載せてリビングへ入ると、テーブルいっぱいにリフォーム図面が広げられていた。
営業担当者が央の太い柱を指した。
「問題はこの黒柱ですね。構造計算が必ですが、完全に抜くなら費用はかなりがります」
「古くて邪魔だから、取ってしまってください」
子が即答した。
その柱には、幼い頃から父が刻んでくれた私のの跡が残っている。
学入学の、母をくした、を卒業した。
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