"臨月の妻に親族30人分の法事料理を作らせていた母" 第4話
しかしこれだけでは、母は必ず言い逃れをするだろう。
『嫁が勝にやったことだ』と涙ながらに嘘をつく姿が目に浮かぶ。
母の嘘を完全に封じ込めるためには、もう1つ決定な証拠が必だった。
私は自分のスマホを取りし、のアプリをちげた。
母に渡した仕し弁当代の10万円は、私の座から直接母の座へ振り込んでいた。
振り込み履歴の画面を表示させながら、私はある違に気がついた。
母の座に振り込んだその、母から送られてきた1枚の写真があったことをいしたのだ。
私はメッセージアプリをき、母とのやり取りを遡った。
数週のメッセージ画面に、1枚の画像が残っていた。
『健、お弁当のおありがとう。速予約してきたわよ』
そんな楽しげなメッセージと共に送られてきた豪華な仕し弁当のパンフレットの写真。
しかし、その写真を拡してみた瞬、私の指がピタリと止まった。
写真の隅にさく写り込んでいたもの。
それを見た、私は母の悪がただの節約や見栄ではないことを確信した。
母は計画に私と由美を騙していたのだ。
そしてこの写真は、30の親族ので母の首を絞める決定な証拠になる。
私はその画像をしっかりと保し、静かに病をた。
たい夜のが吹く、私は実へとをらせた。
広告
の朝までにやらなければならない準備が1つあった。
夜にで実へ戻ると、のは暗く静まり返っていた。
玄関の気をつけると、奥の部からい鼾の音が漏れてくる。
由美があれほど苦しんでいたというのに、母はぐっすりと眠っていたのだ。
私はりで震えそうになるをく握りしめ、台所へと向かった。
台所は私が由美を抱き抱えててったのまま、荒れ果てていた。
まな板のには途で切られたレンコンやニンジンが転がっている。
流し台にはごしらえの途で放置された魚の切りがあった。
ガスコンロのにはたくなったぷら油の鍋が置かれている。
私は着を脱ぎ、エプロンを締めた。
そして由美が残した作業の続きを静かに始めた。
臨のお腹を抱えながら、由美はここで何もち続けていたのだ。
たいで野菜を洗うたびに、由美の背の痛みが伝わってくるようだった。
蔵庫をけると、1番奥にきな保容器が入っていた。
それは由美が識を失う直に言っていたお汁だった。
蓋をけると、カツオと昆布の優しいりがふわりと漂う。
私は汁のを噛み締めながら、絶対に母を許さないと改めて誓った。
そして由美が切ってくれた野菜を、その汁で静かに煮込み始めた。
広告
鍋からち昇る湯気を見つめながら、私は次のに移る決を固めた。
台所の片付けと料理の仕込みを終えた、私は居へと向かった。
病院の駐でスマホの画像を見た、じた違を確かめるためだ。
母が私に送ってきた仕し弁当のパンフレットの写真。
その写真の端に、さなピンクのの切れ端が写り込んでいた。
それはデパートなどで使われる級な領収の端のように見えたのだ。
弁当の予約をしたと嘘をついたに、母は何か別の買い物をしていた。
私は居のゴミ箱やテーブルのを静かに探した。
やがて話台の横にある引きしのに、見慣れない茶封筒を見つけた。
には数枚のレシートと1枚の分い領収が入っていた。
私は息を止め、その領収を蛍灯のに透かしてみた。
付は私が母の座に10万円を振り込んだ、まさにそのの午である。
宛名は母の名で、額は9万8000円とかれていた。
但しきの欄には『真珠のネックレス代として』とはっきり記されている。
さらにそのには美容の領収もあった。
『プレミアムエステコース 1万5000円』
私はのの領収をく握りしめた。
がくしゃりと音をてて歪む。
母は私が渡した弁当代で、自分のための級なネックレスを買っていたのだ。
の法事で親族たちに見せびらかすための見栄の具として。
おがりなくなったから、由美のお遣いまでさせた。
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
四十九日の絶縁
夫を突然亡くした三十七歳の裕子。悲しみに暮れる間もなく迎えた四十九日法要の日、帰宅した彼女を待っていたのは、ゴミ捨て場に放り出された自分の荷物だった。「息子が死んだら嫁は赤の他人よ!」そう言い放つ姑は、さらに幼い二人の子供まで裕子から引き離そうとする。だが、姑が三歳の息子だけを異常に可愛がる裏には、恐ろしい計画が隠されていた。子供たちを守るため、裕子は静かに反撃の準備を始める。そして数か月後、助けを求めて電話してきた姑に、裕子が告げた言葉とは――。人生逆転|裡切られた|嫁姑|夫婦|相続|裡の顔|介護2.3万字5 184 -
完結第13話
俺を睨む「氷の女」が、双子の前で笑った日
妹を事故で亡くし、遺された六歳の双子を男手一つで育てる伊吹公平。仕事と育児に追われる毎日の中、彼が最も苦手としていたのは、職場で「氷の女」と恐れられる経理主任・桐谷エリカだった。ところがある日、保育園へ迎えに行った公平は、娘たちに囲まれて優しく微笑むエリカの姿を目撃する。しかも、誰にも甘えようとしなかった内気な妹・りこが、彼女の服を握って離さない。冷たい視線の裏に隠されていた意外な素顔。そして、少しずつ変わり始める三人の暮らし。孤独を抱えた大人たちと、小さな双子が紡ぐ、温かな家族の物語。人生逆転|兄弟姉妹|裡の顔|親子関係|金銭問題1.9万字5 109 -
完結第18話
離婚翌日に6億円当選、実家で弟に「居場所はない」と拒絶された私
十五年間の結婚生活を終え、四十二歳で一人になった沙耶。途方に暮れていた彼女に、突然、六億円を超える宝くじの当選という奇跡が訪れる。両親を助け、人生をやり直そうと実家へ帰った沙耶だったが、弟の健太は「この家に姉ちゃんの居場所はない」と冷たく言い放った。理由も分からず傷つく沙耶。しかし、弟夫婦が十二年間背負ってきた現実を知り、彼女の考えは大きく揺らぎ始める。さらに当選を打ち明けた夜、健太が突きつけた一言が、家族の隠してきた本音を浮かび上がらせる。六億円があっても取り戻せないものとは――。人生逆転|兄弟姉妹|親子関係|金銭問題1.8万字5 204 -
完結第20話
「息子が高熱なのに来い!」夫一家に185万円の請求書を押しつけられた私の正体
夫と義家族から「何もできない専業主婦」と見下され、金銭まで搾り取られてきた松岡美央。しかし彼女には、世界的なホテルグループの最高責任者という、誰にも明かしていない秘密があった。ある夜、高熱を出した息子を看病していると、義母から三十件以上の着信が届く。「緊急事態だから今すぐ来なさい!」慌ててホテルへ駆けつけた美央を待っていたのは、豪華な食事を楽しむ夫一家と、185万円もの請求書だった。裡切られた|怒り|嫁姑|夫婦|親子関係|修羅場2.6万字5 1461 -
完結第18話
「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句
結婚の挨拶から帰宅した息子・祥太の頬には、くっきりと平手打ちの跡が残っていた。婚約者の父親から「片親の貧乏人」と罵られ、結婚まで白紙にされたという。二十五年間、女手一つで息子を育ててきた桃江は、静かに電話をかけた。実は彼女は、父の急逝を受けて大企業の社長に就任したばかり。しかも相手の食品会社は、長年その企業との取引に支えられていた。桃江の正体を知り、突然態度を変える婚約者一家。しかし、亡き父が残した調査記録には、結婚騒動をはるかに超える重大な秘密が隠されていた。因果応報|親子関係|修羅場2.6万字5 2683 -
完結第20話
高熱の娘を置き去りにした姉は、私の夫と不倫旅行中だった
結婚五年目の美和は、実の姉・麻里奈から生後十一か月の姪を十日間預けられる。ところが、姉が海外旅行へ出発した直後、幼い心ちゃんの容態が急変。必死に救急搬送する美和だったが、姉にも出張中の夫にも連絡がつかない。不審に思って姉のSNSを調べると、南国の写真に写り込んでいたのは、見覚えのある夫の腕時計だった。怒り|夫婦|親子関係|不倫1.8万字5 1531 -
完結第12話
大家だった姑の逆転
夫を亡くしてから、息子を育てながら八世帯のアパートを守ってきた私。四十歳の息子が迎えた若い嫁は、「お母さんを支えたい」と同居を望んだ。ところが結婚後、私は台所にも立てず、夕食は寝室で一人。ついには「年金暮らしの無職は邪魔。出て行って」と言い放たれる。嫁が信じていたのは、息子がアパートの大家だという嘘だった。本当の所有者が私だと知っても、息子夫婦は名義を譲るよう要求してくる。私は静かに承諾した。しかし、二人が欲しがったアパートには、まだ知らない重大な問題が隠されていた。親不孝|裡の顔|絶縁|親子関係|退職金|金銭問題1.6万字5 503 -
完結第14話
夫のいない四日間
人気ミステリー作家の安田里美は、無職の夫・博之と七歳の娘を養いながら、仕事も家事も一人でこなしていた。ある深夜、夫のスマートフォンに届いたメッセージから、博之が高校時代からの親友・裕子と不倫していることを知る。しかも二人の豪遊費は、里美の書斎から盗まれたクレジットカードで支払われていた。娘を思って離婚をためらう里美だったが、七歳の美香が口にした言葉で決意を固める。そして夫が裕子と沖縄へ旅立った朝、里美はカード会社と引っ越し業者に電話をかけた。さらに、夫の荷物には思いがけない届け先が指定されていた――。夫婦|親子関係|不倫2.0万字5 2238 -
完結第20話
義両親をこき使う伯父に、嫁の私が反撃した日
法事の席で、義父母は親戚から召使いのように扱われ、会食代まで余分に払わされそうになっていた。八年間その光景に耐えてきた奈央は、夫の健太に「私、やり返してもいい?」と尋ね、ついに伯父へ反論する。伯父が振りかざすのは、二十四年前に義父母を救った二百万円の「恩」。しかし、その借金は十八年前にすでに完済されていた。古い家計簿と振込票が明かす義父母の苦労。そして押入れから見つかった業務日誌には、伯父の会社の創業にまつわる、誰も知らなかった過去が記されていた。長年の屈辱に終止符を打つため、家族はついに立ち上がる。裡切られた|怒り|兄弟姉妹|嫁姑|第二の人生|金銭問題2.2万字5 815