"喪服妻を捨てた3日後" 第2話
正は特許を取らなかった。企業と争う資がなく、配の詳細を営業秘密として管理し、都へ単位で使用を許した。浩司は営業と販売、正は技術指導、由美は試験結果の理を担った。
会社が商億円を超えた頃、浩司は「いつまでも族の作り契約ではに説できない」と言い、正式な技術許諾契約を結んだ。使用料は売の定割で、正の個事業へ支払われていた。
契約更は来末だった。正ので技術が自に浩司の会社へ移るわけではない。契約の位は相続続きの対象となるが、更するかは相続である由美が決められる。
それでも、鍵をけた瞬に会社を止められるような魔法の権利ではなかった。既に製造した商品や施済みの建物、従業員の活がある。由美はまず事実を確かめる必があった。
容器には昨の製造番号があり、方の施会社が返品したことを示す送り状が付いていた。つは蓋がいていたが、父が封印テープを貼り、受領と保管温度を記録していた。
机の引きしには、都の品質管理課へ送る途だったメールの印刷があった。《温の化良について、指定原料の仕入れ記録を確認したい》。それだけで原料変更を断定できない。
由美は以の同僚で、現は民分析会社に勤める梨へ話した。
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試料の来歴を説すると、正式な紛争資料にするには採取と保管の連続性がいが、異常の無を探る予備分析ならできると言われた。
「結果がるまでほどかかる。先入観を入れたくないから、疑っている物質名は依頼にかないで」
由美は容器のうち未封のつだけを渡し、残りを作業へ戻した。父が集めた物をすべて証拠とい込まず、分かることと分からないことを分けた。
浩司からは《婚届はした。荷物は末までに運べ》と連絡が来た。さらに会社の退職届へ署名し、密保持誓約も提するよう求められた。
由美は介護休業の社員であり、婚しただけで自退職にはならない。労働条件と退職を確認したいと返信すると、浩司は《会社へ戻る気もないのにだけ求するのか》と返した。
由美は会社の事担当ではなく、労働組のない企業向け相談窓へ予約を入れた。夫婦の争いと雇用関係を混ぜれば、声のきい浩司にすべて『庭の問題』として片づけられるからだった。
その夜、美穂から通のメッセージが届いた。
《正さんの作業へきましたか。もしの容器を見つけても、浩司さんにはまだ話さないでください》
由美は返信せず、メッセージを保した。美穂が容器をっているなら、父と接触していたか、会社で返品記録を見たことになる。
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どちらにしても、葬儀の廊にっていた理由は恋だけではない。
翌、労働相談で由美は介護休業の申請、与細、会社から届いた退職届を見せた。担当者は、会社が復職を確認することはできても、社との婚を理由に退職を制できないと説した。
ただし由美自も、浩司のへ戻るつもりはなかった。解雇を争って籍し続けるのか、条件をえて退職するのかで、必な続きは変わる。由美はに辞表をさず、残数、退職規程、社会保険の切替期を面で求めた。
会社の総務課、野から私用の携帯へ話が来た。彼は創業から働く社員で、由美が請求をきしていた頃をっている。
「社は、奥さんが父の技術を持って競へくと言っています。本当ですか」
由美は容器のことを話さず、まだ何も決めていないと答えた。野は堵した、さな声で「寒用の苦が増えたのは事実です」と付け加えた。
彼も詳細を渡せるではなかった。由美は内部資料を送らないようを押し、正式な調査になったに、自分が見た範囲を正直に話してほしいと頼んだ。
話を切ると、父のの蔵庫に作り置きが分残っていた。介護が終わった解放などなかった。夫婦まで同に終わり、由美は誰の予定もない台所で、えた煮物を温め直した。
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