みかん小説
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"風呂を禁じた義母と、家を出た嫁の反撃" 第2話

と静かに笑って許すような、底抜けのお好しだった。

『ゆりかちゃん、僕と……結婚してくれませんか。僕にはこれといって取り柄もないけど、君のことを絶対に切にするから』

学卒業から、さなビストロの片隅で、震えるで指輪の箱を差ししてきた正斗の真っ直ぐな瞳を、由は今でも覚えている。 結婚当初の活は、穏やかで幸福そのものだった。 正斗は料理こそ器用だったが、由が激務で倒れ込むように帰宅したには、ネットのレシピを必に調べながら、格好な煮込みハンバーグや卵焼きを作って待っていてくれた。 『ゆりかちゃん、お疲れ様。今も頑張ったね』 その温かな言と、で並んで囲む卓があれば、でのどんな理尽なトラブルも笑いばすことができた。

しかし、そのささやかなを無惨に踏みにじったのは、正斗が途採用でび込んだ社目の流通IT企業だった。

「やりがいのあるプロジェクトなんだ」と目を輝かせていたのも束の、そこは絵に描いたような漆黒の過労働帯だった。 毎午の帰宅、も休むもなく鳴り響く社用携帯のチャイム、そして司からの執拗な格否定。 真面目で断れない性格の正斗は、同僚のミスや遅延の責任をすべてで背負い込んだ。

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ストレスを紛らわせるための夜の暴。眠と運が何も続き、かつて細で爽やかだった彼の体は、あっというにキロ以も激増した。

そして――ちょうど。 ともに限界を迎え、ボロボロになりながら会社にしがみついていた正斗に対し、会社側がしたのは、あまりにも唐突で酷な「即解雇」の通告だった。

『ごめん……ゆりかちゃん。僕、もう……会社にけなくなっちゃった……』

あの、玄関で崩れ落ち、子どものように泣きじゃくった正斗の姿。 以来、彼は自に引きこもり、昼夜逆転の活を送るようになった。 由は責めなかった。激務に耐え抜いた夫を休ませるべきだと考え、自らの仕事を増やして活費のすべてを稼ぎし、夫が再びちがるを、静かに、信じて待ち続けてきたのだ。

その、夫婦の必ののに、で踏み込んできたのが――義母の松恵だった。

かの、よくれた曜の朝だった。

平の残業で溜まりに溜まった洗濯物を干し終え、由がリビングの掃除をかけていた、突如として玄関のインターホンがけたたましく鳴り響いた。 モニターを覗き込むと、そこには巨な黒いスーツケースを両脇につも従え、苛たしげにチャイムを連打する義母・松恵の姿があった。

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「お母さん……? 体どうされたんですか、事の連絡もなしに」

ドアをけるなり、松恵は由を肘で押し退け、ドカドカと靴のままがり込むような勢いで廊を闊歩した。

「急で悪いわねえ、由さん。実はね、実のほうをちょっとに貸すことになってね。しばらくの、こっちの空き部で暮らすことにしたから!」

「はあ!? に貸すって、誰にですか!? そんな話、正斗からも言も聞いていませんけれど!」

「細かいことはいいのよ! 族なんだから、助けうのが当たりでしょうが。ほら、そこの角の部、客として空いてるんでしょう? そこを私の部にするから、く荷物を運び込みなさい!」

無を言わせぬ引さ。 翌には、松恵名義の巨なダンボール箱が、運送会社のトラックから箱以も運び込まれ、畳の客は瞬くに井まで箱で埋め尽くされた。

由はすぐに、正斗の現の状況――に会社を解雇され、今は無職で休養であることを松恵に伝えた。 まともな親であれば、息子の憔悴を案じ、同居を慮するか、あるいは温かい言葉をかけるはずだった。 しかし、松恵のからびしたのは、を疑うような罵声だった。

「はあ!? 無職の引きこもりですって!? けない! 代半ばにもなって、親に仕送りするどころかに閉じこもって嫁の飯をってるなんて、とんだ恥さらしじゃないの!」

それからというもの、庭内の平穏は完全に破壊された。 松恵は毎朝のように正斗の部のドアをドンドンと殴りつけ、 「いつまで寝てるのよ、この穀潰し! さっさとてきて働きなさい!」

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