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"娘夫婦に貸した愛車を「名義変更して」と言われた日" 第3話

鍵と検証を用しておいてくれ」

話を切ると、私は机の引きしからを買ったの類をした。売買契約、備記録、保険証券。そのには、7に美咲夫婦へ1000万円を渡したの銭消費貸借契約も残っていた。

宅購入のがりないと泣きつかれた、私は贈与ではなく貸付にした。美咲が「必ず返す」と言ったからで、当の拓也も私ので署名している。陽斗が学へがるまでは返済を待ち、そのは計に無理のない範囲で毎返していくという約束だった。

陽斗は、このから学だった。

私は契約を見ながら、ふと気づいた。

返済始期はもう来ている。それなのに、この半、美咲から度も返済について相談されていない。

そして翌朝、娘夫婦のマンションへ向かうに座を確認した私は、もうつ奇妙なことに気づいた。

7から今まで、1000万円の返済とわれる入は、1円もなかった。

翌朝9し、美咲夫婦のマンションへ着くと、私のは駐にあった。から見た限り傷はなく、洗もされていた。半かなり使ったはずなのに丁寧に扱っていたことだけは分かり、その事実がかえって複雑な気持ちにさせた。

拓也は仕事へたと言い、美咲だけが駐へりてきた。鍵を握ったまま私と目をわせず、「本当に今持って帰るの?」

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と聞いた。私は「そのために来た」とだけ答え、を差しした。

「陽斗の送り迎え、どうするの」

「それを考えるのは親のおたちだろう」

「急にそんな……」

「急じゃない。半貸した。最初の約束では、俺が必なは返すことになっていた。それを断ったに、勝に査定までしている」

美咲は唇を噛んだ。やがて鍵を私ののひらへ置いたが、納得したわけではないらしく、「拓也は族のために考えただけ」と言った。私はそこで言い争わず、の状態を通り確認してから運転席へ乗り込んだ。

助席には陽斗の菓子の袋が残り、部座席には子ども用のクッションとサッカーボールがあった。半、このが娘の常に組み込まれていたことが分かる。だからこそ、便利さと所権の境目が、しずつ2ので消えていったのかもしれなかった。

私は美咲に子どもの荷物をろすよう言った。その、助席の収納からい封筒が落ちた。美咲が慌てて拾おうとしたが、封筒にはきく「央モータース 御見積」と印刷されていた。

「見せてもらうぞ」

「それ、拓也のだから」

「俺のを取りにした見積もりなら、俺にも関係がある」

には型ミニバンの見積が入っていた。両本体とオプションをわせて648万円、取り予定420万円、残額228万円。ところがの欄には、私が話で聞いていなかった項目があった。

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《申込 300,000円 受領済》

私は数字を指で押さえた。

「30万円、もう払ったのか」

美咲の顔が変わった。

「拓也が予約みたいなものだって……。名義の話がお父さんとまとまったら正式にめるって言ってた」

「まとまるにを払ったのか」

「キャンセルできるって聞いてる」

問題はキャンセルできるかどうかではなかった。拓也は私がを譲ると決めるから、譲られることを提にの購入をめていた。それをりながら、美咲も止めていなかった。

さらに見積のから、コピーされた検証がてきた。に積んである原本とは別のコピーで、その余には拓也の字で、必類らしい項目がき込まれていた。

《印鑑証》《譲渡証》《委任状》《実印》

私は最の「実印」という文字を見つめた。

「美咲。拓也は俺の印鑑証まで取ろうとしていたのか」

「らない。本当にそれはらない」

今度の反応は、それまでと違っていた。美咲はを奪うように受け取ると、初めて真剣に内容を読み始めた。どうやらへの乗り換えには賛成していたものの、具体な名義変更続きまでは聞かされていなかったらしい。

私は見積をスマートフォンで撮し、原本は美咲へ返した。

「今、販売にキャンセルの連絡を入れろ。俺のを取りにする話は成しない」

「分かった」

「それと1000万円の件だ。契約を覚えているな」

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