"「少しくらい困ればいい」母をSAに置き去りにした夫の本当の狙い" 第6話
母のではなかった目
映像の最の言で、私は夫たちが施設入居だけを考えていたのではないとった。母のは築のさな平で、駅からく、巨額の価値はない。それでもをわせれば千百万円ほどにはなる。母が施設へ入れば、空きを売る理由ができる。
雅は、売却代を施設費へ充てるためだと警察に説した。介護を考える族なら自然な判断だと言い、直哉の質問も費用を配しただけだと主張した。しかし青いファイルの試算では、母のと預でなくともは施設費を賄えた。急いでを売る必はない。
達郎は、雅が半に持ちかけた話をかした。母のを売り、代の部を直哉が始める古販売へ貸す計画だった。直哉は勤め先を辞めて独を考えていたが、自己資がりず、融資も断られている。雅は「族のを族の未来に使うだけだ」と言ったという。
達郎が協力を断ると、雅は兄が遺産争いのみで邪魔していると責めた。その、達郎には施設関係の連絡が来なくなった。達郎がサービスエリアへ迎えに来られたのは、母が旅に渡された程表を写真で送っていたからだ。もしにされたら助けてほしいと、で約束していた。
「では、母は置きりにされると予していたのですか」
広告
私が尋ねると、達郎は首を振った。母は施設へ無理に連れてかれることを恐れ、迎えを頼んだだけだ。サービスエリアで雅のが消えた、母は公衆話から達郎へ連絡した。番号をいたを靴のへ入れていたという。
母が私を頼らず、靴のに助けを求める番号を隠していたことが苦しかった。私は母の方だとっていた。しかし夫へ報を渡さないという最限のさえ、母には持たれていなかった。
雅は警察の事聴取、へ戻らずビジネスホテルへ移った。そして弁護士名で、私と達郎が母を誘導して資産管理権を奪ったという通を送ってきた。母に判断能力がないなら夫の計画が正当化され、判断能力があるなら今度は達郎に騙されたと言う。どちらに転んでも、母自のだけを認めない構えだった。
直哉は勤務先を休み、母の所を回って「祖母がらない施設へ連れられた」と話した。町内会から私へ確認の話があり、母のには見らぬ男性が度訪ねてきた。売却予定を見に来た産業者だとで分かった。
母のは、本が度も売却を頼んでいないのに、すでに査定へされていた。
査定を依頼したのは直哉だった。所者との関係欄には「同居の孫」と記載されているが、彼は母と暮らしたことがない。
広告
産会社は机査定だけで、まだ媒介契約は結んでいないと説した。違法な売却が完成したわけではない。それでも、面積、固定資産税、隣成約価格まで調べた報告が雅のメールへ送られていた。
母はへ戻り、自分の物がなくなっていないか確かめたいと言った。私と支援センター職員が同すると、仏壇の引きしにあった実印が見つからなかった。雅は旅、印鑑はらないと言っていた。母は警察へ遺失届をし、印鑑登録証の発止をへ相談した。
庭では、売却業者が置いたらしいさな測量杭が境界くに刺さっていた。母はそれを抜こうとしたが、職員が証拠として写真を撮るまで待ってほしいと止めた。自分の庭なのに、母は本の杭さえ自由に抜けない状態へ追い込まれていた。
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
家ごと消した母の反撃
七十一歳の美穂は、夫が入院している間、同居する長男夫婦から召使いのように扱われていた。生活費は一円も入れず、母の形見まで勝手に処分する二人。ある日、微熱で三分だけ横になった美穂に、長男嫁はワインを浴びせ、「帰るまでに掃除しておけ」と言い放つ。長男も笑うばかりだった。だが、黙って「はい」と答えた美穂には、二人の知らない計画があった。三日後、帰省先から戻った長男夫婦は、信じられない光景を目にする。嫁姑|親不孝|親子関係|金銭問題2.0万字5 157 -
完結第10話
すり替えた味噌汁
検事任官の最終面接を迎えた朝、神田玲奈は義母が自分の味噌汁に何かを混ぜる姿を目撃する。夫にも相談できないまま、玲奈は不審な味噌汁を密かに保管し、何食わぬ顔で食卓に戻った。同じ日、義妹の彩佳も三度目の教員採用試験に挑もうとしていた。玲奈が彩佳と味噌汁の椀を交換した瞬間、義母は血相を変えて叫び出す。嫁姑|第二の人生|金銭問題1.4万字5 9 -
完結第20話
花嫁のいない結婚式
結婚式を翌日に控えた長谷川由衣は、胃痛を訴える婚約者・黒田瞬のために、心を込めて雑炊を作っていた。ところが彼の部屋の前で耳にしたのは、「あいつはただの身代わりだ」という残酷な本音。三年間の愛情も、婚約指輪も、純白のドレスも、すべて元婚約者の代わりだったと知った由衣は、誰にも告げず空港へ向かう。翌朝、二百人の招待客が待つ式場に花嫁は現れなかった。人生逆転|真実|裡の顔|第二の人生|修羅場2.9万字5 126 -
完結第10話
残高ゼロの通帳
経理主任として働く三十九歳のゆきは、同居する義母から突然、給与明細を突きつけられる。「月四十万円も稼いでいるなら、通帳は私が管理するわ」。勝手に給料の使い道を決められ、夫に助けを求めても返ってきたのは「母さんに任せれば楽だろ」という言葉だった。ついに「嫌なら出ていけ」と言い放たれたゆきは、抵抗するどころか、笑顔で通帳を差し出す。しかし、その夜、彼女は誰にも知られず一つの手続きを済ませていた。嫁姑|夫婦|第二の人生|金銭問題1.5万字5 126 -
完結第23話
孫に「ここに居たければ黙れ」と言われた私が、翌朝家を出た理由
七十二歳の幸子は、亡き夫と建てた家で息子夫婦と孫の蓮斗と暮らしていた。学費も生活費も援助し、家事まで引き受けてきたのに、いつしか家族から「居候」のように扱われるようになる。ある夜、孫に胸ぐらをつかまれても、息子は助けてくれなかった。翌朝、幸子は弁当も朝食も作らず、黙って家を出る。しかし家族はまだ知らなかった。人生逆転|祖父母と孫|第二の人生|ATM扱い|絶縁3.1万字5 242 -
完結第18話
誤爆LINEの夜
結婚六年目。妻の明子に勧められ、出張前夜をホテルで過ごすことにした直人。ところがチェックイン直後、妻から「今日旦那いないから、いつもみたいにイチャイチャしよ♡」というLINEが届く。慌てて削除されたメッセージに不信感を抱いた直人は、何も知らないふりをして自宅へ戻る。夫婦|裡の顔|修羅場|不倫2.0万字5 194