"母の初盆を禁じた義父が、土地の名義を知った日" 第11話
崩れた族
婚については、そのも何度か協議が続いた。
浩司は当初、私が本気で婚するとはっていなかったらしい。
、何をされても私はにいた。
義母に嫌を言われても。
義父に鳴られても。
浩司が事も育児もしなくても。
私が耐えることで庭は続いていた。
だから今回も、しばらくすれば帰るとっていたのだ。
しかし私が本当に戻らないと分かると、浩司は急激に崩れていった。
美穂との関係も、い描いていた未来とは違った。
しい世帯宅。
義父母と自分たち夫婦。
待望の子供。
その計画は、私のと融資が使えることを提にしていた。
どちらもなくなった。
さらに美穂自も、浩司が私名義のを自由にできると聞かされていたらしい。
現実をるとの関係は悪化した。
「話が違う」
「を建てられるって言ったじゃない」
そんなやり取りがあったことを、から代理を通じてった。
私はそれを聞いても、もう何もじなかった。
美穂へ対するりも、最初ほどではない。
もちろん、既婚者とりながら関係を続けていたのであれば責任はある。
けれど私のを裏切っていたのは浩司だ。
番向きわなければならない相を違えたくなかった。
母の座についても、取引履歴を確認しながら話がんだ。
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浩司は最終に、母のカードを預かった期に、必額を超えてをかしたことを認めた。
「借りるつもりだった」
最までそう言った。
しかし母の解はない。
私は返還を求めた。
「そこまでやるのか」
浩司が言った。
「やります」
「夫婦だったのに」
「夫婦だったからこそ、やります」
私はもう曖昧にしたくなかった。
母のおを「族だから」で済ませたくない。
私のも。
私のも。
私の尊厳も。
義父母と浩司は、い「族」という言葉を、自分たちに都のいい許証のように使ってきた。
族だから嫁は従う。
族だからを使っていい。
族だから母のも借りていい。
族だからするべき。
けれど族とは、本来そんなものではない。
そのことを私は、母と娘から教えられた。
織は週末になると々実へ来てくれた。
ある、で母の類を理していた、織が着のワンピースを見つけた。
「これ、おばあちゃんが作ったやつ?」
淡い紺のワンピース。
私が代の頃に母が縫ってくれたものだ。
「まだ取ってあったんだ」
胸に当ててみると、もう形は古い。
けれど縫い目は驚くほど丁寧だった。
織が笑った。
「お母さん、似いそう」
「ならね」
「じゃあ直して着ればいいじゃん」
その言葉に、私はし考えた。
母は裁をしていた。
私も子供の頃、よく隣で布を切った。
けれど結婚してから針を持つことはほとんどなくなった。
義母に「そんな暇があるなら掃除して」と言われたからだ。
「習い直そうかな」
私が言うと、織が嬉しそうに笑った。
「いいじゃん。おばあちゃん絶対ぶよ」
その瞬、私は気づいた。
私が取り戻しているのはだけではない。
、しずつ放してきた自分自だった。
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