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"父の死後、姉に追い出された私が嫁いだ農家の秘密" 第12話

覚した妹

私は、差しされた万に指本触れなかった。 代わりに、膝ので握りしめていた両を解き、背筋を真っ直ぐに伸ばして、の姉の目を正面から見据えた。

「断ります。夫の会社の規模を理由に、私の正当な相続分を放棄する気は切ありません」

座敷の空気が、ピシリと音をてて凍りついた。 マリ子姉さんの元がピクリと痙攣し、ゆか姉さんが目を丸くして息を呑む。

「……は? 美咲、あんた今、何て言ったの?」 マリ子姉さんの声がく濁った。

「輔さんの会社は、輔さんがかけて、すすりながら農さんと築きげてきた会社です。私のおではありません。それと、お父さんが遺してくれた実の財産は、まったく別の話です」

「あんた……っ! よくもそんな恩らずなが利けるわね!」 ゆか姉さんが卓をバンと叩いてちがった。 「誰のおかげであんたが今まで実でぬくぬくと暮らせてきたとってんのよ! 持ちの旦を捕まえた途端に、姉を蹴にして偉そうにふんぞり返る気!? あんた、昔からしいフリして、本当に性根の腐った女ね!」

部のの廊まで響き渡るような罵声。 以の私なら、胃を痛め、波をてまいと唇を噛んで俯いていただろう。 だが、今の私のには、さざ波つっていなかった。 私は静かに、だが部の隅々にまで染み渡る澄んだ声で言い返した。

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「偉そうになったんじゃない。……私はただ、自分のを守るために、当たりのことを言っているだけよ」 「な、何よそれ……!」

「お父さんが倒れてからの、は度でも病院の付き添いをしてくれた? 夜に何度も起きて、排泄の世話をしてくれた? 父の薬代や通院費がりない、円でも仕送りをしてくれたことがあった!?」 私の問いに、は言葉に詰まり、線を泳がせた。

「お父さんがくなった、はしむ素振りすら見せず、典の額ばかり数えていた。そしても待たずに、私を実から追いした。……あの、私は本当に絶望したわ。族も、帰る所も、すべて失ったとった」 私の目から、いものが込みげてきた。だが、それは悔し涙ではなかった。

「でもね、輔さんは言ってくれたの。『何も持ってないなんて言うな、俺は美咲さんと緒に暮らしたいんだ』って。お義母さんは、え切った私のを握って、『今からここが、あんたのだよ』って迎えてくれた。私のために、しい柄のお茶碗を用して待っていてくれたの!」 私は卓のの遺産分割協議をに取り、マリ子姉さんの胸元へパシッと押し戻した。

「私がくなれたのは、輔さんがお持ちだからじゃない。失敗しても『次はこうしてみよう』と笑って支えてくれる族ができたから。

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私の流した汗を、ちゃんと見ていてくれるがいるからよ!」

マリ子姉さんは唇をワナワナと震わせ、ゆか姉さんは気圧されたようにずさりした。 「実の遺産分割は、片桐弁護士を通じて法に則ってめます。私の法定相続分はきっちり受け取ります。そして、介護にした費用と寄与分も、すべて帳簿と領収を添えて請求させていただきます」

「び、弁護士だなんて……あんた、本気で姉妹の縁を切る気!?」 マリ子姉さんの切り声に、私はややかに目を細めてちがった。

「姉妹の縁を先に切ったのは、お父さんの遺骨ので私を追いした、あなたたちよ」

私は伝票をに取ると、自分の分の代をきっちり卓のに置き、度も振り返ることなく個の襖をけた。 背で姉たちの号が響いていたが、真の青空のへた私のは、どこまでもく、澄み渡っていた。

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