"四十九日、電話を切った妻" 第6話
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完結第11話
孫の一言で取り戻した通帳
「ばあばの通帳、ママのバッグにいつも入ってるよ」 年金支給日の朝、6歳の孫が何気なく口にした。 嫁の箸が止まり、黒いバッグから緑色の通帳ケースが覗いていた。 2年前、骨折した私に代わり、毎月4万円だけ下ろす約束で預けたものだった。 「今日は自分で記帳してくるわ」 そう告げると、嫁の顔から血の気が引いた。 近所の信用金庫で、1年8か月ぶりに通帳を開く。 4万円だった出金は、いつしか6万、8万、10万円へ増えていた。 そして今日も、私が朝食を取る前に8万円が引き出されていた。 私は何も問い詰めず、キャッシュカードを停止した。 その日の午後、嫁は青ざめて帰宅した。 さらに翌日、ゴミ箱から落ちたATM明細を広げた瞬間――私はその8万円が生活費ではなかったと悟った。人生逆転|祖父母と孫|嫁姑|第二の人生|金銭問題1.6万字5 190 -
完結第15話
暗証番号0427――元夫が残した24回の送金
離婚の日、朝倉美月は夫の優馬から1枚のカードを渡された。「これで最後だ。暗証番号は0427」――冷たく突き放された美月は、そのカードを3年間使えずにいた。失業し、預金が7300円まで減ったある日、ついにATMへ入れるとエラーが表示され、銀行員から別室へ案内される。そこで知らされたのは、優馬が前年11月9日に亡くなっていたこと。そして口座には、離婚後も毎月27日に9万円ずつ、合計24回の送金が続いていた。残高808万円と古い喫茶店に込められた真意を知った時、美月は、愛情を理由に人生を決められた怒りと向き合いながら、自分自身の答えを選び始める。夫婦|金銭問題|熟年離婚2.0万字5 2998 -
完結第14話
離婚した直後、奪われていた80億円が戻った――元夫の結婚式で私が取り返したもの
「君は古い設計図を抱えた建築士に戻るだけだ」 離婚成立の日、元夫はそう笑った。 その10分後、私の口座に入ったのは――80億円。 それは慰謝料でも、遺産でもない。 父と私から奪われ、別会社へ隠されていた特許使用料だった。 同じ夕方、元夫は愛人との豪華な披露宴を開いた。 新婦の首には、私の母が遺したダイヤのネックレス。 元夫は映像の中で「過去を手放し、未来へ進む」と微笑んだ。 しかし6分後、巨大スクリーンが突然暗転する。 《泰成建設 独立監査報告》 白い文字が浮かんだ瞬間、元夫の顔から笑みが消えた。 そして一本の電話を受けた彼は、膝から崩れ落ちた――。 (続)夫婦|真相|不倫2.0万字5 203 -
完結第11話
息子に捨てられた母の逆転
「お母さん、今日は少し外へ出ませんか」 息子夫婦に誘われ、70歳のはる子は雪の降る夜、車の後部座席へ乗った。 ところが車は町を離れ、山沿いの介護ホームの前で止まった。 「数日だけ、ここで休んでください」 そう言われた時、トランクから自分のスーツケースが出てきた。 荷物はいつの間にか詰められ、携帯電話は嫁に取り上げられた。 息子は「また来るから」と言い残し、母を301号室へ置いて帰った。 翌日、嫁は面会に来るなり尋ねた。 「通帳はどこですか? 実印は?」 さらに、見覚えのない白い錠剤を「いつもの薬」として渡してきた。 はる子は黙って薬を受け取り、認知症のふりを始めた。 そして翌日の病院で、嫁が電話口で話す声を聞く。 「診断が出たら、家も通帳も動かしやすくなるでしょう」 はる子はその会話を、コートの内側に隠した一本の録音機へ残していた。因果応報|人生逆転|嫁姑|絶縁|親子関係|介護|金銭問題1.7万字5 224 -
完結第12話
嫁の「逃げて」で暴かれた妻の計画
「お義父さん、今すぐ車を降りてください。絶対に奥さんのところへ戻らないで」 妻との旅行中、ほとんど電話をしてこない嫁から突然そう告げられた。 「食べ物も薬も、絶対に口へ入れないでください」 私は妻が差し出した、水なしで飲める白い錠剤を思い出した。 トイレへ行くふりをして車を降り、観光バスの陰まで必死に走った。 やがて駐車場へ出てきた妻は、笑顔を消し、鋭い目で私を捜し始めた。 嫁の車へ逃げ込むと、一通の誤送信メールを見せられた。 《サービスエリアを過ぎたら薬を飲ませる。お兄ちゃんからそっちに連絡を入れておいて》 その夜、妻が持ってきた私の旅行鞄を開けると、底から見覚えのない書類が出てきた。 山間部にある介護施設のパンフレット。 入所予定者の欄には、私の名前と病歴が記されていた。 《認知機能の低下》《本人に病識なし》《今週末に入所予定》 そして保護者欄には、息子でも妻でもない、私の知らない男の名前が書かれていた。人生逆転|夫婦|真実|裡の顔1.7万字5 1 -
完結第11話
義母「家を売って弟の借金を返せ」夫に奪われかけた私の家
「家を売って、弟の1000万円の借金を返しなさい」 義母が要求したのは、私が結婚前に自分のお金で買ったマンションだった。 断ると夫は私の腕をつかみ、口の中が切れるほど強く頬を打った。 「最初から言うことを聞けば、こんなことにはならなかったんだ」 私は空手三段で、避けることも反撃することもできた。 それでも殴り返さず、天井の防犯カメラを見上げた。 そこには夫の暴力だけでなく、義母の言葉まで残っていた。 「正也、言うことを聞かせなさい」 さらに録画を遡ると、2人の小声が聞こえてきた。 「権利書と実印さえ出させれば、あとは進められる」 翌日、義母は合鍵を使って留守宅へ入り、私の金庫を探し始めた。 そして夫が用意した不動産査定依頼書には、義母が家を売れと言い出す4日前の日付が記されていた。嫁姑|夫婦|絶縁|金銭問題1.6万字5 140 -
完結第12話
失踪した妻を道の駅で見つけた――「来ないで」と怯えた理由
「パパ、あの人……ママじゃない?」 半年前に消息を絶った妻が、山あいの道の駅で宝くじを売っていた。 車椅子に座り、別人のように痩せていた。 娘が「ママ!」と駆け寄ると、妻は青ざめて叫んだ。 「来ないで! 私はあなたたちを知らない!」 だが左手には、私が贈った結婚指輪。 そして手の甲には、見慣れた2つのほくろがあった。 「本当は、ずっと会いたかった」 妻は泣きながら娘を抱きしめた。 その直後、震える声で私に告げた。 「私が帰ったら、あなたと杏奈まで消される」 さらに宝くじ箱を差し出し、底を指さした。 そこには、妻が消息を絶った夜の“声”が残されていた――。 (続)因果応報|人生逆転|夫婦|真実|第二の人生|親子関係1.9万字5 644