みかん小説
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"消えた水色の妹" 第3話

警察は当初、百が自らので姿を消した能性をく見た。成女性であり、争った跡も助けを求めた記録もなかったためだった。しかし、文はその説を決して受け入れなかった。

「通帳も制も置いたままなのに、どうやって暮らすんですか。あの子は護師になったばかりなんです。やっとをかなえたのに、仕事を捨てるはずがありません」

担当刑事は頷きながら帳へ記録したが、捜査方針は変わらなかった。百は事件に巻き込まれた物ではなく、として扱われた。

式の防犯カメラ映像には、午118分に非常へ向かう百が残っていた。廊の角を曲がる直、度ち止まり、誰かを見るように首をかしていた。しかし、線の先はカメラの角で確認できなかった。

非常のは、建物脇の狭い裏通りにつながっていた。正面玄関とは反対側で、招待客が利用する所ではなく、タクシー乗りもバスもなかった。

式の従業員のは、百が廊で誰かと話していたような気がすると証言した。だが、披宴が終わる帯での入りがく、相の顔も性別も覚えていなかった。

隣の防犯カメラも調べられたが、のワンピースを着た女性は映っていなかった。6のに映像がきされたもあり、非常から先の取りは途絶えた。

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その方で、啓介は捜査に積極に協力した。式へ連絡して防犯カメラ映像の保を求めたのも、招待客の覧を警察へ渡したのも啓介だった。

週末には美と文を連れ、京の駅で百の写真を載せたビラを配った。印刷費も交通費も、すべて自分が負担した。

「百さんは、もう僕の妹です。必ず緒に捜します」

啓介はそう言って、泣き崩れる文を支えた。文は、こんなにも優しい婿が族になってくれたことをありがたいとった。

しかし、捜査初期の記録には、啓介の結婚式当のを確認した形跡がなかった。彼は郎であり、失踪者を捜す族の物でもあったため、調べる対象から最初にされていた。

協力な物を疑う理由などない。

そのい込みが、最初のきな盲点となった。

百の失踪から3かが過ぎると、警察の捜索は急速に縮された。担当刑事が別の部署へ異し、わずか17枚しかない捜査資料は、未解決失踪者のファイルと緒に庫へ移された。

文は諦めなかった。朝から青果をき、夜にを閉めると、娘の写真を載せたビラを持って駅や繁華へ向かった。帰宅も百の部のかりを消さず、布団をえたままにしていた。

「帰ってきた、が暗かったらかわいそうでしょう」

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所のに尋ねられると、文はいつも同じように答えた。季節が変わっても、窓から漏れるさなかりは消えなかった。

美は眠に悩まされ、半で体が6キロく減った。通勤途の駅で突然涙が止まらなくなり、会社へけずに引き返したもあった。

そんな美を支え続けたのが啓介だった。夜に妻が百の名を呼んで目を覚ますと、黙って背をさすった。文のにも頻繁に顔をし、古くなった蔵庫やを自費で修理した。

2003、美と啓介は都内に古マンションを購入した。3つある部のうちを、美は「百の部」にすると決めた。

簡易ベッドを置き、百が好きだったのカーテンを掛けた。いつ帰ってきても眠れるように、着替えと洗面具も用した。

啓介はその部を作ることに反対しなかった。だが、完成してから度もへ入ろうとはしなかった。

「百の部、見てくれないの?」

「美がちゃんと用したなら、それでいいよ。僕が入る所じゃない」

美はその言葉を、妹への配慮だと受け取った。啓介は百を見つけられなかったことに責任をじ、部へ入るのがつらいのだろうとった。

マンションのベランダには、以のが物置として使っていたさな囲いがあった。啓介はそこを作業部に改装し、を始めた。

古い子を修理し、棚や物入れを作るのが趣だと説した。

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