"姑が剥がした私の名前" 第2話
「何をしているんですか」
私が声をげると、女性たちはを止めた。富美子はしも悪びれず、「お祝いの記よ。の宣伝を町内会のおでするわけにはいかないでしょう」と言った。
「名だけではありません。原材料、アレルギー、消費期限、保方法がいてあります。剥がした物は配れません」
富美子は、表示は箱にまとめて貼れば分だと反論した。以、デパートで買った菓子もそうだったという。包装形態や販売方法によって表示の扱いは異なるが、そので法律論を争っているはなかった。
私は温を測った。の入った居は23度。温度計の数字を見せ、作業を止して蔵庫へ戻すよう求めた。富美子のの蔵庫にも全量は入らない。
「だったら、交流センターへ持っていけばいいでしょう。9には皆さんべるんだから」
「蔵状態が確認できない商品はせません。回収して廃棄します」
「3万円も払うのよ。捨てるなんて許さない」
富美子は箱のにった。直は私と母親を交互に見て、「だし、1くらいなら丈夫なんじゃないか」と言った。
その瞬、私は夫も客の全より母親の嫌を選んでいると理解した。「何にからしたの?」
富美子は6頃と答えたが、緒にいた女性が「5だったわよ」とを挟んだ。富美子は彼女を睨んだ。
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から持ちされてすでに3く経ち、そのの保管所も移経も曖昧だった。
私は自分のスマートフォンで、箱と貼り替えられたラベル、温計を撮した。そして町内会の副会へ話し、製造者として提供を止すると伝えた。代わりにくの菓子で個包装の菓子を購入するなら、差額の部は私が負担すると申した。
富美子は話を奪おうとした。「私の顔を潰す気?」
「べるの全と、お義母さんの顔は比べられません」
副会は困惑したが、代替品を配すると答えた。ところが私がへ保箱を運ぼうとした、富美子は裏から2箱を役員のへ積ませた。直が止めるとったが、彼は私の腕をつかんだ。
「もう会が始まる。ここで騒いだら母さんが町内にいられなくなる」
「して。配られたらの責任になる」
「のラベルは剥がしたんだろ」
その言葉にを疑った。名を消せば責任まで消えると、夫は本気で考えていた。
私は腕を振りほどき、交流センターへ向かった。到着した、受付の机にはすでにプリンが並び、参加者がつずつ受け取っていた。私はマイクを借りようとしたが、富美子が先に壇へがった。
「今は私がを込めて作りました。嫁が菓子作りをしているので、しだけ台所を借りましたけれど、は私が考えたんですよ」
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拍が起きた。私は副会へ事を説し、配布を止めた。すでに31個が渡っていたが、そのでべたのは11だった。残りは回収できた。
富美子は参加者ので、「嫁が神経質で申し訳ありません」と笑った。私は言い返さず、べたの氏名と連絡先を確認し、体調に変化があれば医療関と私へ連絡するようお願いした。
そのの夕方まで異常の連絡はなかった。私はへ戻り、残った商品をすべて廃棄した。売はなく、材料費と代替菓子の差額で4万円い損失になった。
直は夜になって、「結果に誰も具が悪くならなかったんだから、母さんへ謝って終わりにしよう」と言った。
「私が何を謝るの?」
「勢ので恥をかかせたことだよ」
私は答えなかった。翌朝、の鍵を交換する配をした。夫婦のから徒歩10分の所にあるだったが、もう直へ鍵を渡すつもりはなかった。
ところが曜の午、保健所から話が入った。敬老会に参加した78歳の女性が、夜から腹痛と嘔吐を訴えて受診し、会について申告したという。原因はまだ分からない。敬老会では弁当や茶もており、プリンだけが疑われているわけではなかった。
それでも、製造者としての調査が始まった。
保健所の職員2がへ来た。私は製造記録、材料の仕入れ伝票、蔵庫の温度表、作業程を提した。
卵と牛乳の残品はなく、同じロットの材料で作った別の商品もなかったため、検査できる物は回収したプリンだけだった。
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