"俺を脅し続けた同級生が、留守中の家で出会った男" 第6話
「そんなあるわけ……」
「には1000万せって言ったんだろ?」
「いや、あれは冗談っていうか」
「自分が払う番になったら冗談になるのか」
犬塚の声はかったが、鳴ってはいなかった。
メイとの約束を守っているのだろう。
俺は携帯越しに「犬塚さん」と呼んだ。
犬塚が画面を見る。
「何だ」
「やりすぎないでください」
「何もしてねえだろ」
確かに、今のところは。
健が勝に怯えているだけだった。
犬塚は壊されたを通り撮し、の防犯カメラにも健たちの為が記録されていることを告げた。
「器物損壊。恐。から今まで取ったもあるな」
健が慌てる。
「警察に言うのかよ!」
「何で言わねえとった?」
そこで初めて、俺は犬塚の狙いを理解した。
喧嘩で健を倒すつもりではなかった。
俺が国へ移ったことで健から距を取り、そのにを借り、防犯カメラを設置し、健がまた何かするのを待っていたのだ。
「もしかして、最初から……」
『ああ』
犬塚は携帯越しに答えた。
「こいつ、おのに来るって言ってただろ。だったら好きにやらせれば証拠になる」
「まで?」
「それは予だ」
犬塚はため息をついた。
「まさか本当に壊すほど馬鹿だとはわなかった」
健の仲たちが次々と謝り始めた。
「俺、落きだけです」
「ミラーやったの健です」
「俺は止めました!」
「おら!」
瞬で仲割れだった。
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犬塚はたく言った。
「警察に同じこと話せ」
やがて警察が到着した。
犬塚が事に相談していたらしく、話は驚くほどかった。
健たちはそので事を聞かれ、俺も、これまでを求された経緯やメッセージ履歴、振込記録を提することになった。
過のは渡しがく、すべてを証することは難しかった。
しかし最は健がメッセージで額を指定しており、「100万用しろ」「犬をどうするか分からないぞ」といった文面も残っていた。
それまで俺は、怖くて消せなかった。
結果に、それが証拠になった。
そして数。
犬塚から話が来た。
『』
「はい」
『の件な』
「修理、そんなにかかるんですか?」
犬塚がしばらく黙った。
嫌な予がする。
『あれ、古で300万くらい』
「……え?」
『ならもっとするけどな』
「3000万じゃないんですか?」
『誰も3000万なんて言ってねえだろ』
い返した。
確かに犬塚は「桁が違う」と言っただけだった。
「それじゃ健、完全に勘違いして……」
『勝に青くなってたな』
俺はしばらく声がなかった。
「犬塚さん、性格悪いですね」
『ってる』
ただし笑い話だけでは終わらなかった。
健たちには実際の修理費の負担が求められ、これまでの恐についても調べがんだ。
さらに俺以にも、健たちからを求されたり、で代を踏み倒されたりしていたがいることが分かった。
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が声をげると、次のが続いた。
俺がずっと「逆らえば終わりだ」とっていた集団は、実際には皆が怖がって黙っていたからきく見えていただけだった。
事件が落ち着き始めた頃、俺はずっと気になっていたことを犬塚へ聞いた。
「結局、犬塚さんって何者なんですか?」
話の向こうで沈黙があった。
『聞かない方がいい』
「ですよね」
『納得いな』
「だって、聞いたら面倒そうだから」
犬塚が笑った。
珍しかった。
あとで平次から聞いた話では、犬塚は昔かなり荒れた世界にいたらしい。元で名をらない者がいない期もあり、健が頼りにしていた襟巻とも若い頃から因縁があった。
ただ、今は以とは違う活をしているという。
それ以は俺も聞かなかった。
過がどうであれ、俺がっている犬塚はのに捨て犬へ傘を差し、予防接種の病院を探し、学のメイに叱られると素直に謝る男だった。
ただし、もうつだけ聞いた。
「メイちゃんとはどういう関係なんです?」
『それはもっと聞くな』
「そっちの方が秘密なんですか」
『お嬢はお嬢だ』
は分からない。
でも本たちがそれでいいなら、俺がをすことでもないのだろう。
での仕事はしずつ慣れていった。
最初の1かは話を取るだけでも緊張した。現スタッフの名を何度も違え、倉庫の庫管理画面を更する順番を誤って先輩に迷惑をかけた。
それでも、以の職とは違った。
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