"俺を脅し続けた同級生が、留守中の家で出会った男" 第7話
失敗した、「何でできないんだ」と言うはいなかった。
先輩の佐伯さんは「次からどうすれば防げる?」と聞いた。
俺が順表を作りますと答えると、「じゃあ作ってみよう」と言った。
初めて、自分の失敗を責められるのではなく、次の仕事につなげてもらえた気がした。
半。
俺は契約社員から正社員への登用試験を受けることになった。
「受けてみない?」
司に言われた、最初は冗談だとった。
「俺、卒で職もすぐ辞めてますよ」
「だから?」
「いや……」
「半ここで働いた実績の話をしてるんだけど」
その言葉に、胸がくなった。
過は消えない。
でも、過だけで決まるわけでもない。
登用試験の結果がたの夜、俺は真っ先に犬塚へ話した。
『何だ』
「正社員になれました」
『そうか』
「反応いですね」
『おめでとう』
棒読みだった。
ろからメイの声がする。
『お兄さん、おめでとう!』
「ありがとう」
『ワンコは?』
「俺より元気」
『じゃあいいや』
結局、俺よりワンコの方が事らしい。
でも、それでよかった。
話を切ったあと、俺は部の窓をけた。
くにらないの夜景が広がっている。
半まで、俺は実の居で「自分はだ」とっていた。
今は違う。
本にも、ここにも、俺のことを名で呼ぶがいる。
それだけで、はずいぶん変われるものだった。
へ移ってからちょうど1。
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俺は休暇を取り、ワンコを連れて本へ帰った。
空港の到着ロビーでは、メイがきくを振っていた。
「ワンコ!」
やはり最初は犬だった。
俺より先にワンコを抱きしめる。
犬塚はそのろで腕を組んでいた。
「久しぶりです」
「ああ」
「俺にはそれだけ?」
「元気そうだからいいだろ」
相変わらずだった。
実へ戻ると、犬塚はすでに別の所へ移っていた。
はきれいに掃除され、傷んでいた戸まで直してある。
「修理代払いますよ」
「いい」
「賃もらってたんだから、そこまでしてもらえません」
「俺が気になっただけだ」
そう言われても困る。
結局、俺はから持ってきた産を量に渡した。
そのに、メイから頼まれていた国のお菓子があった。
「これ、現で名なやつ」
メイが箱を見る。
「普通のお菓子じゃん」
犬塚が慌てた。
「お嬢、これは特別です。限定です」
「は?」
「」
いきなり振られた。
俺は正直に答えた。
「本で売ってるのとあんまり変わらないです」
「お!」
「嘘つけないんで」
メイが笑った。
その笑い声を聞きながら、ここへ帰ってきてよかったとった。
方、健とは度も会わなかった。
恐や器物損壊などの問題は示談や司法続きがみ、以のように元で仲を引き連れて歩ける状況ではなくなっていた。
何かの仲は健かられた。
納を取っていたのたちも、事件が表にると「自分たちは関係ない」
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と距を置いたという。
怖い板があっても、実際に自分が窮にてば助けてくれるとは限らない。
健はそれを番痛い形でったのだとう。
ただ、俺はもう興がなかった。
あいつがどう暮らしているか。
どこで何をしているか。
昔なら気になっただろう。
また来るのではないか。
復讐されるのではないか。
そんなで眠れなかったかもしれない。
でも今の俺には、帰る所がもうつある。
仕事がある。
友がいる。
何より、自分のを健に考える必がなくなった。
それが番きかった。
帰国、父と母の墓参りにもった。
ワンコを連れて墓のへ座る。
「俺、働いてるよ」
にするとし照れた。
「だけど。友達もできた」
が吹いた。
もちろん返事はない。
それでも昔のような寂しさはなかった。
「あと、犬も飼った」
ワンコが墓ので尻尾を振る。
「結構、幸せにやってる」
それを両親へ言えたことが、何よりうれしかった。
帰国の最終、犬塚とで所の公園を歩いた。
メイはワンコを連れてし先をっている。
犬塚が珍しく静かだった。
「どうしました?」
「別に」
「何かある顔ですよ」
「俺が?」
「怖さが3割増しです」
「いつも怖いってことか」
「はい」
犬塚はため息をついた。
ししてから、ぽつりと言った。
「向こうで困ってることないか」
「ありません」
「本当に?」
「犬塚さんに助けてもらってばかりだから、今度は自分で何とかします」
「そうか」
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