"嫁の「逃げて」で暴かれた妻の計画" 第8話
ただし、旅に薬をませようとしたこと、本を施設へ入れようとしていたこと、財産処分の準備が同期にわれていたことをわせれば、警察へ相談すべき事として分いです」
私はい錠剤のことをいした。
あれが何だったのか。
証拠はない。
私はまなかった。
「を問い詰めたい」
私が言うと、弁護士は首を横に振った。
「にならないことです。鳴ったりをしたりすれば、ご自が利になります」
「ではどうするんです」
「記録を残してください。できればが同じ所にいる状態で、事実をつずつ確認する。別々に聞けば裏をわせるを与えます」
桜がすぐに言った。
「録音します」
也も頷いた。
「俺たちはくにいる。父さんにはしない」
そのの帰り、私はく考えた。
美佐と浩を同じ席へ呼ぶ理由。
警戒されない所。
そしていついた。
に戻り、美佐へ穏やかに話しかけた。
「最、私はおに迷惑ばかりかけている気がしてね」
「急にどうしたの?」
「今度の週末、浩さんも呼んで事でもしよう。私たち夫婦を引きわせてくれただし、度きちんとお礼をしておきたい」
美佐の目が瞬きくなった。
そのあと、嬉しそうに笑った。
「いいわね。あなたからそんなこと言ってくれるなんて」
「私もだからね。
広告
元気なうちに謝するにはしておきたいんだ」
美佐は完全に警戒を解いたようだった。
すぐに浩へ話し、内の料理で会う約束を取りつけた。
約束のまで、美佐の芝居は続いた。
鏡を隠す。
財布を移する。
「昨も同じ話をしましたよ」と、実際にはしていないことを言う。
私は全部受け入れた。
「そうだったか。最、本当に分からなくなってきたな」
そう答えるたび、美佐はした顔をした。
ある、彼女はとうとう実印の所を尋ねてきた。
「類の理をしたいんだけど、あなたの実印ってどこでした?」
私はしばらく考えるふりをした。
「さあ。どこへ入れたかな」
「忘れちゃったの?」
「おがどこかへしまってくれなかったか?」
その瞬、美佐の顔から緊張が消えた。
私はので静かに呟いた。
おが隠した所なら、もうっている。
約束の。
也と桜と最の確認をした。
録音。
資料の順番。
弁護士が待する所。
必ならすぐ警察へ相談できるよう連絡先も理した。
「お義父さん」
桜が私を見た。
「は絶対にで抱え込まないでください。私たちはすぐ隣にいます」
私は頷いた。
怖くないと言えば嘘だった。
それでも、サービスエリアで逃げたの恐怖とは違っていた。
あのの私は、何が起きているのか何もらなかった。
今は違う。
相が何を狙っているのか。
広告
どんな嘘をねてきたのか。
ほとんど見えていた。
あとは自のから、その嘘を崩させるだけだった。
週末の夕方、私は予約した料理の個でを待っていた。
障子を枚隔てた隣には、也と桜がいた。録音はすでに始まっており、弁護士ものくで待していた。
やがて廊から声が聞こえた。
「いやあ、これは派なおですね」
障子がき、美佐と浩が並んで入ってきた。
久しぶりに見る浩は質なジャケットを着て、相変わらずのよさそうな笑顔を浮かべていた。
「優馬さん、こんなところに呼んでいただいて恐縮ですよ」
「何を言います。美佐を紹介してもらった恩がありますから」
私は笑った。
美佐は私の隣へ座り、いつものように料理を取り分けた。
「あなた、これ好きでしょう」
私は礼を言い、箸をつけた。
昔なら、このさな気遣いつでが温かくなった。
今では、よくできた演技にしか見えない。
それでも最初のは何も起こさなかった。
気。
昔の登。
料理。
浩の仕事。
酒がむにつれ、浩の声はきくなった。
「私も昔は従業員を何も抱えていたんですよ。今はし休んでいるだけで、いうちにまたきな仕事をするつもりです」
きな仕事。
私のビルを売ることか。
私は黙って酒を注いだ。
「浩さん」
「はい?」
「私もを取った。
最は物忘れも増えてね」
浩と美佐の目が同にった。
「子どもたちは自分の活がある。これから財産の管理なんかも、美佐やあなたのような信頼できるに助けてもらえればなんだが」
広告
おすすめ作品
-
完結第11話
孫の一言で取り戻した通帳
「ばあばの通帳、ママのバッグにいつも入ってるよ」 年金支給日の朝、6歳の孫が何気なく口にした。 嫁の箸が止まり、黒いバッグから緑色の通帳ケースが覗いていた。 2年前、骨折した私に代わり、毎月4万円だけ下ろす約束で預けたものだった。 「今日は自分で記帳してくるわ」 そう告げると、嫁の顔から血の気が引いた。 近所の信用金庫で、1年8か月ぶりに通帳を開く。 4万円だった出金は、いつしか6万、8万、10万円へ増えていた。 そして今日も、私が朝食を取る前に8万円が引き出されていた。 私は何も問い詰めず、キャッシュカードを停止した。 その日の午後、嫁は青ざめて帰宅した。 さらに翌日、ゴミ箱から落ちたATM明細を広げた瞬間――私はその8万円が生活費ではなかったと悟った。人生逆転|祖父母と孫|嫁姑|第二の人生|金銭問題1.6万字5 67 -
完結第15話
暗証番号0427――元夫が残した24回の送金
離婚の日、朝倉美月は夫の優馬から1枚のカードを渡された。「これで最後だ。暗証番号は0427」――冷たく突き放された美月は、そのカードを3年間使えずにいた。失業し、預金が7300円まで減ったある日、ついにATMへ入れるとエラーが表示され、銀行員から別室へ案内される。そこで知らされたのは、優馬が前年11月9日に亡くなっていたこと。そして口座には、離婚後も毎月27日に9万円ずつ、合計24回の送金が続いていた。残高808万円と古い喫茶店に込められた真意を知った時、美月は、愛情を理由に人生を決められた怒りと向き合いながら、自分自身の答えを選び始める。夫婦|金銭問題|熟年離婚2.0万字5 2890 -
完結第11話
金メダル会見で、私は母の嘘を暴いた
「ほら、都。ここからジャンプしてみなさい」 小学3年生だった私の記憶は、母のその声を最後に途切れている。 次に目を覚ました時、私はもう自分の脚を動かせなかった。 母は「娘が自分でベランダへ登った」と説明し、私の退院前に姿を消した。 それから9年。 車椅子陸上で世界を目指し始めた私の前へ、母が突然戻ってきた。 「ずっと会いたかった。今度こそ支えたいの」 私はその言葉を信じず、母を追い返した。 だが忘れ物を取りに戻った時、駐車場で誰かと電話する母の声が聞こえた。 「大丈夫。あの子、ベランダのこと覚えてないみたいだから」 私は震える手でスマートフォンを取り出し、録音ボタンを押した。真実|裡の顔|親子関係1.6万字5 0 -
完結第10話
父の料亭を継いだ翌日、板長が全員連れて独立
「料理も作れないあんたじゃ、この料亭も終わりだな」 父の葬儀を終え、私が老舗料亭を継いだ翌朝だった。 板長は12人の従業員を連れ、駅前で独立すると宣言した。 「客も仕入れ先も、全部俺についてくる」 私は引き止めず、「分かりました」とだけ答えた。 13人が去った板場には、包丁一本残っていなかった。 ところが予約帳を調べると、宴会7件に謎の《保留》が記されていた。 新店舗の契約日は、父が倒れる3週間前。 酒屋にはすでに「先代は長くない」と話していたという。 さらに父の金庫から、黒ずんだ一冊のノートが見つかった。 過去に辞めた従業員の名前、その横には何度も同じ文字が残されていた。 《黒田君》 そして父が亡くなる4日前のページには、《黒田誠治 断る。二度目》の一行があった。 その下に書かれた短い文章を読んだ瞬間、私は板長を追わなかった父の本当の意図を知った。人生逆転|金銭問題|修羅場1.5万字5 0 -
完結第11話
義母「家を売って弟の借金を返せ」夫に奪われかけた私の家
「家を売って、弟の1000万円の借金を返しなさい」 義母が要求したのは、私が結婚前に自分のお金で買ったマンションだった。 断ると夫は私の腕をつかみ、口の中が切れるほど強く頬を打った。 「最初から言うことを聞けば、こんなことにはならなかったんだ」 私は空手三段で、避けることも反撃することもできた。 それでも殴り返さず、天井の防犯カメラを見上げた。 そこには夫の暴力だけでなく、義母の言葉まで残っていた。 「正也、言うことを聞かせなさい」 さらに録画を遡ると、2人の小声が聞こえてきた。 「権利書と実印さえ出させれば、あとは進められる」 翌日、義母は合鍵を使って留守宅へ入り、私の金庫を探し始めた。 そして夫が用意した不動産査定依頼書には、義母が家を売れと言い出す4日前の日付が記されていた。嫁姑|夫婦|絶縁|金銭問題1.6万字5 88 -
完結第10話
俺を脅し続けた同級生が、留守中の家で出会った男
「1か月後までに100万円用意しろ。無理なら、その犬がどうなるか分からないぞ」 無職の俺から金を奪い続けるのは、中学時代から俺をいじめていた同級生だった。 両親を亡くし、相談できる相手もいない俺は、言われるまま20万円以上を渡していた。 そんな雨の日、捨て犬を拾ったことで、無愛想な大男・犬塚と少女メイに出会った。 事情を聞いた犬塚は、喧嘩を仕掛ける代わりに一枚の封筒を置いた。 中に入っていたのは、海外企業の求人票と航空券。 「犬を連れて海外へ行け。その代わり、この家の鍵を貸せ」 俺が国外へ移って1か月後、同級生から映像付きの電話が来た。 俺の家に停まっていた高級車は、落書きされ、ミラーまで壊されていた。 『100万円じゃ足りねえ。今度は1000万円用意しろ』 「その車、俺のじゃないよ」 笑っていた同級生の背後から、低い声がした。 「俺の車に、何してくれてんだ?」人生逆転|怒り|修羅場1.5万字5 62 -
完結第12話
失踪した妻を道の駅で見つけた――「来ないで」と怯えた理由
「パパ、あの人……ママじゃない?」 半年前に消息を絶った妻が、山あいの道の駅で宝くじを売っていた。 車椅子に座り、別人のように痩せていた。 娘が「ママ!」と駆け寄ると、妻は青ざめて叫んだ。 「来ないで! 私はあなたたちを知らない!」 だが左手には、私が贈った結婚指輪。 そして手の甲には、見慣れた2つのほくろがあった。 「本当は、ずっと会いたかった」 妻は泣きながら娘を抱きしめた。 その直後、震える声で私に告げた。 「私が帰ったら、あなたと杏奈まで消される」 さらに宝くじ箱を差し出し、底を指さした。 そこには、妻が消息を絶った夜の“声”が残されていた――。 (続)因果応報|人生逆転|夫婦|真実|第二の人生|親子関係1.9万字5 635