"午前5時30分の配車係" 第2話
「交友関係は?」
「昨の同窓会くらいです」
警方は参加者へ連絡を取り始めた。
そので最も協力だったのが、川だった。
参加者全員の所と話番号を理して渡した。
にも問いわせた。
同窓会で撮った写真も提した。
駅に尋チラシを貼るも伝った。
「何か僕にできることがあったら言ってください」
何度も修平にそう言った。
週。
川は修平と緒に、由紀子が最にいたのを歩いた。
「本当に、何もいせないんです」
川は申し訳なさそうに言った。
「俺がもうし見ていれば」
修平は首を振った。
「川さんのせいじゃないですよ」
その言葉を聞いた川は、しばらく何も言わなかった。
*
かが過ぎた。
由紀子は見つからなかった。
か。
半。
目撃報はいくつか寄せられたが、すべて別だった。
警察からの連絡もなくなった。
それでも川は々話をかけてきた。
「何か分かりました?」
「いや」
「警察は?」
「しい報はないって」
「そうですか……」
も。
も。
も。
川は完全には連絡を絶たなかった。
数かに度。
忘れた頃に話をかけてくる。
「瀬さん、元気にしていますか」
「奥さんのことで、しい報は?」
修平は、その気遣いをありがたいとった期もあった。
妻の同級ですらしずつ事件をにしなくなる、
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川だけは覚えてくれていたからだ。
〇。
由紀子が消えてから、もうすぐになる頃。
川から、また話があった。
「奥さんのことで、何かしい報ありました?」
「何もないよ」
修平は答えた。
「もうだからな」
川は静かに言った。
「そうですか」
そのか。
梨県のさな施設で、
の女性の元が問題になった。
名は分からない。
戸籍もない。
入所記録には、ただ、
【ユキ】
とだけかれていた。
そしてその女性は、
を渡されるたびに、同じ名をいていた。
しゅうへい。
〇。
梨県部にある古い階建ての施設へ、の職員がち入った。
建物の板には、
【青葉ホーム】
とだけかれていた。
齢者や活に困ったを受け入れている民施設だったが、届けの内容と実際の入居者数がっていなかった。
きっかけは消防設備の点検だった。
避難経が塞がれている。
入居者名簿に空欄がい。
誰がいつ入ったのか分からない部まである。
は福祉担当者を加え、入居者ずつの元確認を始めた。
そのに、だけ説できない女性がいた。
歳。
髪が混じったい髪。
をし引きずって歩く。
簡単な会話はできるが、い質問をすると言葉が止まる。
施設内では、
「ユキさん」
と呼ばれていた。
職員が尋ねた。
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「ユキさん、名字は分かりますか」
女性はしばらく考えた。
「たか……」
そこで止まった。
「田?」
首を振る。
「?」
また首を振った。
しばらくすると、
「たかせ」
とさく言った。
職員は名簿を確認した。
施設の記録には、
【ユキ 詳】
としかない。
「瀬さん?」
女性は答えなかった。
代わりに机ののボールペンを取り、へ何かをこうとした。
最初の文字は震えていた。
【しゅ】
そこで何度もペン先が止まる。
やがて、ひらがなで文字をいた。
【しゅうへい】
「修平さんって、誰ですか」
女性はを見た。
「帰る」
「修平さんのところへ?」
返事はなかった。
ただ、その名のにもう度、
【しゅうへい】
といた。
*
青葉ホームの責任者だった庭浩は、
「詳しいことは覚えていない」
と話した。
「ですから」
「この女性は、いつ入ったんですか」
の担当者が尋ねると、庭は古い学ノートを持ってきた。
正式な入居台帳ではない。
付と額、簡単なメモだけが並んでいる。
〇〇の欄。
午分。
【女性名 ユキ】
【部腫脹】
【会話混乱】
【川氏搬送】
担当者の目が止まった。
「川氏というのは?」
「取引先のです」
「族ではない?」
「違います」
「なぜ族でもないが、を怪した女性を連れてきたんですか」
庭は黙った。
「病院には?」
「本が嫌がったんです」
「当、表示できる状態だったんですか」
「……そこまでは」
記録の翌には、
【吐き気あり】
【・所の理解良】
とかれている。
。
【夫? 修平という名を繰り返す】
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