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妻の葬儀で老犬が暴いた秘密

妻の葬儀で老犬が暴いた秘密

妻の葬儀から3日目の夜、元自衛隊三佐の石田隆は、老犬・小太郎の異様な行動に息をのんだ。 後飾り祭壇へ飛びかかった小太郎。その拍子に倒れたろうそくの火が白布へ燃え移り、祭壇の下に隠されていた不自然な床板が露わになる。 そこから見つかったのは、妻・幸子が大切にしていたはずの花瓶と、身に覚えのない不動産書類だった。 階段からの転落事故として片づけられた妻の死。だが、弟夫婦との金銭トラブル、土地を巡る不可解な要求、そして幸子が亡くなる直前に残していた「大丈夫」という言葉が、少しずつ別の意味を帯びていく。 妻は本当に事故で亡くなったのか。 老犬が暴いた床下の秘密をきっかけに、隆は妻が最後まで守ろうとしていた家と、葬儀の陰で隠された真実を追い始める――。
縁側の小太郎
共通テストで950点を取った私より、880点だった妹だけを家族は祝った

共通テストで950点を取った私より、880点だった妹だけを家族は祝った

共通テストで1000点満点中950点を取った美空。しかし家族が祝ったのは、880点だった双子の妹・梨奈だけだった。「今夜の主役は梨奈だ」。父は美空の採点表を床へ落とし、家族3人で妹の東京進学を祝う。模試で上位に入っても、参考書代を自分で稼いでも、美空の努力が認められることはなかった。その夜、美空は踏まれた採点表を拾い、自室に隠していた1通の封筒を取り出す。そこには、すでに合格していた防衛大学校からの通知が入っていた。美空は家族に何も告げず、入校を決める。そして4月1日、父の会社へ一本の電話が入った瞬間、家族が当然だと思っていた“美空の将来”が、すでに自分たちの手を離れていたことが明らかになる。
悅子
卒業写真にいた父

卒業写真にいた父

昭和40年、北関東の小さな町にある写真館で、小学校の卒業写真が撮られた。 六年二組、38人。式を終えた子どもたちは、胸に紙の花をつけ、少し誇らしげにカメラの前へ並んだ。数日後、記念写真は全員に配られるはずだった。 しかし、三上健司の分だけは届かなかった。 写真館の店主は「失敗した」とだけ告げたが、健司にはどうしても納得できなかった。自分だけ写真をもらえなかった理由を知らないまま、彼は大人になり、故郷を離れていく。 それから長い年月が過ぎ、閉店間際の写真館を訪れた健司は、古い封筒の中に残されていた一枚の写真を見つける。 そこには、確かに12歳の自分が写っていた。 では、なぜあの日、その写真だけ焼き増しされなかったのか。 写真の端に写り込んでいた小さな影が、健司の知らなかった家族の秘密を静かに映し出していた――。
夕暮れ寫真
1800円の御膳が1万8000円になった日――覆面社長が見つけたホテルの嘘

1800円の御膳が1万8000円になった日――覆面社長が見つけたホテルの嘘

全国18店舗を経営するホテル会社の社長・高瀬直人は、相次ぐ不審な苦情を確かめるため、一般客を装って地方店を訪れた。注文した1800円の炊き込みご飯御膳に提示された会計は、10倍の1万8000円。さらに72歳の女性も、3000円の料理代として3万円を脅し取られてしまう。直人が録音と2枚の領収書を確保すると、削除された503件の苦情、36件の架空請求、そして支配人が差し出した500万円の封筒が浮かび上がる。服装で客を選び、ホテルを金を奪う罠へ変えたのは誰なのか。
悅子
葬儀代10万円を拒んだ叔父――17年後、空の封筒を持って私は戻った

葬儀代10万円を拒んだ叔父――17年後、空の封筒を持って私は戻った

1996年、15歳の黒川大樹は、母の葬儀代10万円を借りるため叔父・健造の屋敷で土下座した。しかし健造は大樹を泥へ蹴り落とし、父方の親族も全員背を向ける。救ってくれたのは、貧しい隣人・佐藤正一が差し出した茶色い封筒だった。母の遺品から、健造による借金と不動産取得の記録を見つけた大樹は、証拠を抱えて町を離れる。17年後、上場企業の社長となった大樹のもとへ、75歳の佐藤に2000万円が請求されているとの知らせが届く。故郷へ戻った彼が目にしたのは、泥の中で叔父に踏みつけられる恩人の姿だった。
悅子
その家、私のです

その家、私のです

離婚届を差し出した夜、夫は当然のように言った。 「この家には、俺と母さんが住む」 18年連れ添った妻・絵里に出て行けと言いながら、夫は家だけは手放さないつもりだった。義母もそれを当然のように受け入れ、絵里の荷物を勝手に片づけ始める。 けれど、その家は絵里が結婚前に買い、ローンを完済したものだった。 怒鳴ることも、泣きつくこともせず、絵里は静かに家を出る。そして弁護士に相談しながら、夫と義母に明渡しの準備を進めていく。 だが調停の中で、夫が家にこだわった本当の理由が少しずつ見え始める。 「母さんのため」という言葉の裏に隠されていた、もう一つの計画。 3か月後、絵里が送った一通の通知が、夫と義母の思い込みを崩していく――。
暮らしの余白

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足柄サービスエリア失踪事件

足柄サービスエリア失踪事件

1991 年春、東名高速足柄 SA で起きた未解決だった悲劇。 大阪へ新婚旅行に向かう途中、「トイレへ行く」と言った妻が跡形もなく消えた。 夫は毎月現場を訪ね、テレビの人探し番組にも出演し、私立探偵まで雇い 11 年待ち続けた。 時が流れ老朽化した SA の改修工事で、ロッカーの隙間から古い財布が出土。 進化した科学捜査が財布から犯人の指紋を検出し、長年隠されていた殺人の事実が白日の下に晒される。 一方的な執着は愛ではない、拒絶を受け入れられない歪んだ欲望が一人の女性の人生を奪った実話。
秋田 悠真
元嫁の15枚返し

元嫁の15枚返し

離婚から3日後の午前5時。佐藤恵子の携帯に、元姑から突然電話がかかってきた。 「今すぐ来て、法事の料理を用意しなさい」 12年間、家事も介護も金銭の穴埋めもすべて背負ってきた恵子。だが夫は秘書と関係を持ち、姑と義妹は彼女を使用人のように扱い、最後には荷物同然に家から追い出した。 それでも彼女たちは、恵子がいなくなって初めて、自分たちの生活が何によって支えられていたのかを知ることになる。 恵子名義の15枚のカード。 義父が病室で密かに残した遺言。 そして、10億円のペントハウスの本当の所有者。 元嫁を見下していた家族が、最も頼り切っていたものを一つずつ失っていく中、恵子は静かに告げる。 「あなた方は、もう私とは何の関係もない人たちです」 これは、“良い嫁”でいることをやめた女性が、自分の名前で人生を取り戻すまでの物語。
朝焼けの手帳
止まったカードと空の家

止まったカードと空の家

夫の正文が「会社の旅行」と言って家を出た朝、私はすべてを知っていた。 行き先で待っているのは会社の同僚ではなく、高校時代からの親友・美津。しかも夫は、私名義のクレジットカードを勝手に使い、親友との食事や買い物にまで手を出していた。 泣いて問い詰めることはしなかった。証拠はすでにそろっている。娘も、父親の異変に気づいていた。 「引っ越すよ」 夫が浮気旅行を楽しんでいる間に、私は娘と新しい家へ向かった。そして夫のカードを止め、彼の荷物を“ある場所”へ送りつける。 旅行先で支払いができなくなった夫。荷物を受け取った親友の家。そして、空っぽの部屋へ戻ることになる裏切り者。 夫と親友を同時に失った私が、娘と本当の人生を取り戻すまでの物語。
舞の新居ノート
愛人旅行の代償

愛人旅行の代償

定年の日、美和は36年間支えてきた夫・秀治のために、好物の夕食を用意して待っていた。 しかし帰宅した秀治が連れてきたのは、見知らぬ若い女性だった。 「退職金で香織と海外旅行へ行く。帰ってきたら離婚届に判を押せ」 夫はそう言い放ち、さらに美和に家を出て行くよう命じる。長年守ってきた家庭も、妻としての時間も、すべてなかったもののように扱われた美和。 だが、彼女は泣かなかった。 旅行へ向かう夫と愛人を静かに見送り、ただ一つだけ確認する。 「この家のことは、私が決めていいのね」 数日後、海外旅行から戻った秀治を待っていたのは、見慣れた玄関ではなく、ロープで囲まれた更地と「売却済み」の看板だった。 夫が知らなかった、この家の本当の持ち主。 そして美和が36年の結婚生活の最後に下した、静かな決断とは。
美和の湯気日記
義母ATM、ハワイへ消ゆ

義母ATM、ハワイへ消ゆ

67歳のみち子は、息子夫婦と孫たちを迎えるため、今年も静かに正月の準備を始めていた。 ところがクリスマスの朝、嫁の歩美から突然告げられる。 「今年は15人で行きますから」 食事、寝具、お年玉、観光費まで、すべて義母であるみち子が用意する前提。さらに歩美は、SNSでみち子を「ATMみたい」と笑い、長年の援助まで馬鹿にしていた。 37年間働き、息子夫婦に2500万円以上を援助してきたみち子は、その日ようやく気づく。 自分は家族に大切にされていたのではない。都合よく使われていただけだったのだ。 そして12月29日。 15人が玄関前に集まった時、家の鍵は開かなかった。 その頃みち子夫婦は、すでに日本にはいなかった――。
みち子の湯のみ
午前三時の逃走

午前三時の逃走

深夜3時、75歳の田中節子のもとに、海外出張中の息子・優一から一本の電話がかかってきた。 「母さん、今すぐ逃げて」 半年間まともに連絡が取れなかった息子の声は、切迫していた。玄関ではなく勝手口から出ること。荷物は持たないこと。絶対に振り返らないこと。 夫が遺した世田谷の家で、節子はいつの間にか孤立していた。嫁の美香とその両親は、優しい顔で家に入り込み、台所を奪い、電話を取り上げ、外出を制限し、節子を“認知症の老人”に仕立て上げようとしていた。 そしてある夜、節子は壁の向こうから聞いてしまう。 「実印さえ手に入れば、いつでも動ける」 狙われていたのは、亡き夫が節子のために残した家と財産だった。 息子の電話を信じ、節子は深夜の家を抜け出す。だが、逃げた先で待っていたのは、さらに大きな真実だった。 夫は生前、すべてを見越していたのか。 閉じ込められた老女が、失われかけた人生を取り戻すために立ち上がる、静かな逆転の物語。
梅庭せつこ

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離婚後、義母のカードを止めました

離婚後、義母のカードを止めました

離婚成立から3日後の午前2時。涼子のもとへ、ハワイ旅行中の元姑・和子から怒りの電話がかかってきた。 「このクソ女! なんで私のカードが使えなくなってるの!」 和子が使っていたのは、涼子名義の家族カードだった。離婚後に解約したと伝え、「すみません、どちら様ですか?」と返した涼子に、和子は“エリート社員の息子”を捨てたことを後悔すると言い放つ。 だが元夫・健一は、3年前に一流企業を懲戒解雇されていた。その事実を隠したまま毎朝スーツで家を出て、借金を重ねながら母親への仕送りと豪華な旅行を続けていたのだ。 さらに涼子が見つけた600万円の保証契約には、何も知らない和子の名前と実印が使われていた。そして元夫が会社を追われた本当の理由を示す資料には、借金だけでは済まない不正の痕跡が残されていた――。
白湯と帳簿
息子の婚約者の母は、20年前の女だった

息子の婚約者の母は、20年前の女だった

20年前、夫の不倫によって家を追われ、5歳の息子・健一を一人で育ててきたゆみ。昼も夜も働き続けた息子は医師となり、愛する女性との結婚を決めた。 両家の顔合わせの日、婚約者の母・恵子は、ひとり親家庭を遠回しに見下しながら、上品な笑みを浮かべていた。だが、ゆみの顔を見つめた瞬間、その表情が明らかに変わる。 恵子は、20年前にゆみの夫と関係を持ち、母子を雨の中へ追い出した張本人だった。 化粧室で2人きりになると、恵子は「子どもたちには黙っておきましょう」と口止めする。しかし、ゆみの鞄には、恵子の現在を調べた報告書が入っていた。 そこには多額の借金と不審な金銭の動き、そして「娘の婚約者が医師になった」と周囲へ話す恵子の姿が記されていた。20年前に家庭を壊した女は、今度は息子の人生まで利用しようとしているのか――。
雨あがりの台所
ATMで呼ばれた「奥様」

ATMで呼ばれた「奥様」

離婚の日、夫から一枚のキャッシュカードを渡された美月。 「これで最後だ。暗証番号は0427」 それは2人が婚姻届を出した日の数字だった。夫に捨てられた悔しさから、美月は3年間、一度もカードを使えずにいた。 仕事を失い、預金が7300円になったある日、とうとうATMへカードを入れる。しかし暗証番号を押す前にエラーとなり、銀行員から「奥様、別室へどうぞ」と案内された。 離婚したことを伝えても、銀行員は「承知しております」と答えた。そして別室で差し出されたのは、元夫が預けていた一通の封筒だった。 表には、《0427を覚えていてくれた美月へ》の文字。冷たく自分を切り捨てたはずの夫は、なぜ3年後に美月が銀行へ来ることを待っていたのか。使われなかったカードには、彼女が知らない夫の決断が隠されていた――。
雨宿り珈琲
「籍を抜いてから行け」と言われた嫁

「籍を抜いてから行け」と言われた嫁

「実家へ帰りたいなら、籍を抜いてから行きなさい」 母を亡くしてわずか1か月。初盆のため3日間だけ帰省したいと頼んだ里見に、姑は離婚を迫った。夫の浩司も妻を守らず、「少しは空気を読め」と目をそらす。 結婚して20年、家事と義父の会社の経理を無償で支えてきた里見は、静かに「分かりました」と答え、その日のうちに家を出た。 彼女が持ち出したのは、亡くなる直前の母から託された茶色い封筒だった。中には、吉沢家が暮らす家の土地が、実は母の名義であることを示す書類が入っていた。 さらに不動産会社を訪ねた里見は、母が入院していた間に、その土地を売ろうとした人物がいたことを知る。偽造された委任状には姑の筆跡。そして売却代金の入金先には、妻へ何も知らないふりをしていた夫・浩司の名前が記されていた――。
麥茶と縁側
合格発表の日、父は消えた

合格発表の日、父は消えた

2003年3月8日、19歳の佐伯千春は第一志望の大学に合格した。ところが、その夜に祝うはずだった父・正雄は、勤務中のタクシーと黄色いチューリップだけを残して姿を消す。 車内には千春の合格通知書があり、料金メーターに残された最後の走行距離は43キロ。しかし、なぜか運賃は「0円」だった。さらに父のロッカーからは、《千春には大学を諦めてもらうしかない》と書かれたメモまで見つかる。 多額の借金を知った千春は進学を断念し、父に捨てられたという思いを抱えたまま20年を生きてきた。 2023年、廃業したタクシー会社の倉庫から、父が最後に運転した27号車が発見される。壊れた料金メーターを解析すると、正雄が失踪前の18か月間、毎月同じ施設から同じ乗客を乗せ、東京まで運んでいた記録が残されていた。 そして後部座席から見つかったのは、《佐伯千春》と印刷された一枚の生徒証。しかし、そこに写っていた少女は千春ではなかった。父はなぜ、見知らぬ少女へ娘と同じ名前を与え、合格発表の日に彼女を乗せたのか――。
黃色い花の便り
消された合格通知

消された合格通知

実家のパン店《麦の灯》が改装開店を迎えた朝、34歳の直人は、弟から「今日だけは裏口から入ってくれ」と頼まれた。 店頭では、直人が27回の試作を重ねて完成させた塩麹あんパンが、《二代目・拓海が生んだ奇跡の味》として紹介されていた。取材を受ける弟とは対照的に、直人の肩書は今も「製造補助」のままだった。 そんな厨房へ、高校時代の担任が偶然現れる。直人が「専門学校には落ちた」と話すと、担任は思いがけない事実を告げた。 「君は合格していた。特待生選考にも通っていたよ」 さらに学校には、直人本人が進学を辞退したことを示す書類まで届いていたという。しかし直人は、そんな書類を書いた覚えなどない。 弟の名前で売られる自分のレシピと、16年前に消された合格通知。家族が守ろうとした店の裏で、直人から何が奪われていたのか。一枚の古い書類をきっかけに、父と母が隠してきた選択が明らかになっていく――。
こむぎ日和

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足柄サービスエリア失踪事件

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1991 年春、東名高速足柄 SA で起きた未解決だった悲劇。 大阪へ新婚旅行に向かう途中、「トイレへ行く」と言った妻が跡形もなく消えた。 夫は毎月現場を訪ね、テレビの人探し番組にも出演し、私立探偵まで雇い 11 年待ち続けた。 時が流れ老朽化した SA の改修工事で、ロッカーの隙間から古い財布が出土。 進化した科学捜査が財布から犯人の指紋を検出し、長年隠されていた殺人の事実が白日の下に晒される。 一方的な執着は愛ではない、拒絶を受け入れられない歪んだ欲望が一人の女性の人生を奪った実話。
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元嫁の15枚返し

元嫁の15枚返し

離婚から3日後の午前5時。佐藤恵子の携帯に、元姑から突然電話がかかってきた。 「今すぐ来て、法事の料理を用意しなさい」 12年間、家事も介護も金銭の穴埋めもすべて背負ってきた恵子。だが夫は秘書と関係を持ち、姑と義妹は彼女を使用人のように扱い、最後には荷物同然に家から追い出した。 それでも彼女たちは、恵子がいなくなって初めて、自分たちの生活が何によって支えられていたのかを知ることになる。 恵子名義の15枚のカード。 義父が病室で密かに残した遺言。 そして、10億円のペントハウスの本当の所有者。 元嫁を見下していた家族が、最も頼り切っていたものを一つずつ失っていく中、恵子は静かに告げる。 「あなた方は、もう私とは何の関係もない人たちです」 これは、“良い嫁”でいることをやめた女性が、自分の名前で人生を取り戻すまでの物語。
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止まったカードと空の家

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夫の正文が「会社の旅行」と言って家を出た朝、私はすべてを知っていた。 行き先で待っているのは会社の同僚ではなく、高校時代からの親友・美津。しかも夫は、私名義のクレジットカードを勝手に使い、親友との食事や買い物にまで手を出していた。 泣いて問い詰めることはしなかった。証拠はすでにそろっている。娘も、父親の異変に気づいていた。 「引っ越すよ」 夫が浮気旅行を楽しんでいる間に、私は娘と新しい家へ向かった。そして夫のカードを止め、彼の荷物を“ある場所”へ送りつける。 旅行先で支払いができなくなった夫。荷物を受け取った親友の家。そして、空っぽの部屋へ戻ることになる裏切り者。 夫と親友を同時に失った私が、娘と本当の人生を取り戻すまでの物語。
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愛人旅行の代償

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義母ATM、ハワイへ消ゆ

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67歳のみち子は、息子夫婦と孫たちを迎えるため、今年も静かに正月の準備を始めていた。 ところがクリスマスの朝、嫁の歩美から突然告げられる。 「今年は15人で行きますから」 食事、寝具、お年玉、観光費まで、すべて義母であるみち子が用意する前提。さらに歩美は、SNSでみち子を「ATMみたい」と笑い、長年の援助まで馬鹿にしていた。 37年間働き、息子夫婦に2500万円以上を援助してきたみち子は、その日ようやく気づく。 自分は家族に大切にされていたのではない。都合よく使われていただけだったのだ。 そして12月29日。 15人が玄関前に集まった時、家の鍵は開かなかった。 その頃みち子夫婦は、すでに日本にはいなかった――。
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午前三時の逃走

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