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"午前5時30分の配車係" 第4話

「血縁確認はできています」

「そうじゃなくて」

修平は写真から目をさなかった。

「由紀子は、自分が由紀子だって分かってるんですか」

刑事は答えに迷った。

「部分には、というのが医師の見方です」

を尋ねれば、ユキと答える。

名字は々、瀬と言える。

齢は正確に分からない。

今が何なのかも理解できていない。

横浜という名には反応する。

修平という名は、かなり定して覚えている。

「俺のことは?」

「写真を見せました」

修平が顔をげた。

「どうでした」

く見ていたそうです。ただ、名は言えませんでした」

べばいいのか。

しめばいいのか分からなかった。

探していた妻がきていた。

けれど、妻が自分を夫として覚えている保証はなかった。

青葉ホームから、由紀子が使っていた私物が警察へ提された。

類。

古い鏡。

櫛。

さな財布。

そして、冊のい活ノート。

施設では毎週度、入居者に簡単な写や計算をさせていた。

冊につき

最初のノートは〇〇

由紀子が来て数かから始まっている。

最初のページには、丸をなぞる練習。

次には、

【あ】

【い】

【う】

子どもの練習帳のような文字が並んでいた。

ページをめくると、

【ゆき】

という文字がある。

さらに数ページ

【しゅうへい】

修平の指が止まった。

字はきく歪んでいる。

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由紀子の跡とは似ても似つかない。

それでも自分の名だった。

〇〇

【しゅうへい】

〇〇

【しゅうへい どこ】

〇〇

【しゅへい】

「毎、この期にいんです」

藤井奈緒が説した。

修平は青葉ホームへはかず、警察署で彼女から話を聞いていた。

?」

「はい。半になると、落ち着かなくなることがあったそうです」

由紀子が消えた

付を理解していたのかは分からない。

季節。

暑くなるの空気。

何かの匂い。

体のに残った覚。

何がきっかけだったのかは誰にも分からなかった。

ただ毎同じ期に、修平の名く回数が増えている。

〇〇のノートには、初めて漢字があった。

【修平】

修平はそこを指でなぞった。

「由紀子の字です」

奈緒が見た。

「分かりますか」

「昔、やってたんです」

由紀子は代、部だった。

結婚してからも賀状だけは毛いた。

この文字は崩れている。

昔のような線ではない。

それでも「修」の最の払い方に癖が残っていた。

「これ、妻がいた字です」

修平は同じことをもう度言った。

のノート。

ページの央に、

瀬】

とある。

名字が戻っていた。

そのには、

【帰る】

さらに、

【修平】

つの言葉がれてかれている。

文章にはなっていない。

だが修平には分だった。

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妻は自分から族を捨てたのではない。

なくともずっと、

帰る所に関わる何かを覚えていた。

「どうして誰も調べなかったんですか」

修平は尋ねた。

奈緒は答えられなかった。

の職員は、

「昔の恋の名だとっていた」

と話している。

庭は、

庭から逃げてきただと聞いていた」

と言った。

が名字も所も言えない。

族へ連絡したいのか尋ねても、会話が続かない。

そうしてが過ぎ、が過ぎた。

誰も緊急の問題だとわなくなった。

から逃げてきたって、誰が言ったんですか」

修平が尋ねると、奈緒は線を落とした。

「施設は、川さんから聞いたと言っています」

修平は名を聞いても、すぐにはを理解できなかった。

「川?」

「由紀子さんを最初に連れてきた方です」

「川隆司?」

「はい」

修平ので、話が度に蘇った。

何か分かりました?

警察はどうですか?

しい報ありました?

奥さん、きっとどこかにいますよ。

「違う」

修平は言った。

「何がですか」

「川は、妻がどこにいるからないって」

声がだんだんきくなった。

「失踪した夜からずっと、そう言ってたんですよ」

警察は修平に、その点では川へ連絡しないよう求めた。

まだ青葉ホームの銭記録を調べている。

由紀子を連れてきた経緯も、庭の証言だけでは確定できない。

「でも、の記録に川の名があるんでしょう」

「あります」

「だったらってたじゃないですか」

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