"水を盗んだ隣人の末路" 第6話
そして——栓の蛇には、再びあの緑のホースが属バンドでガチガチに締め直され、全になったがホースのをごうごうと音をてて流れていたのだ。
フェンスの向こうでは、黒杉の庭のスプリンクラーが、まるでが物顔で優雅にを噴きげている。
「嘘……嘘でしょう……!?」
りよりも先に、底れない恐怖が背筋を駆けがった。 昼の論の、私たちが寝静まった夜に、この男は具を持ってがの敷に法侵入し、鍵を破壊して再びホースを接続したのだ。歩違えれば、のに侵入されていたかもしれない。
正は即座に蛇を閉め、ホースを力任せに引きちぎると、ポケットからスマートフォンを取りした。
「110番する。もう限界だ」
「うん……呼んで!」
分、赤灯を回したパトカーがサイレンを響かせて到着し、所轄署の域課からの警察官がやってきた。初老のベテラン警官と、代半ばの若い警官だった。
私たちは破壊されたロックを見せ、これまでの経緯、15万円の請求、そして撮しておいた写真の数々を提示した。
「なるほど……これは悪質ですね。器物損壊および居侵入、それに窃盗(盗)の疑いがあります。隣のに事を聞きましょう」
警察官が黒杉のインターホンを鳴らす。 数分、ようやくてきた黒杉は、警察官の姿を見ても切じる様子がなかった。
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それどころか、あくびを噛み殺しながらヘラヘラと笑っている。
「おはようございます。朝くからご苦労様ですねぇ」
「黒杉さんですね。青井さんのお宅の蛇の鍵を壊し、無断でホースを接続した件でお話を伺います」
若い警官が鋭い調で問いただす。すると黒杉は、事も無げにこう言い放った。
「ああ、鍵ね。あれ、私が壊しましたよ。だって、がなくなっちゃ困るからね」
警察官が顔を見わせた。あまりにあっさりと認めたことに驚いたようだった。
「あなた、の敷に入って鍵を壊すのは派な犯罪ですよ。分かっているんですか?」
「犯罪だなんてげさな。隣同士のちょっとした諍いでしょう。青井さんが急に悪してを止めるから、こっちも正当防で対処しただけですよ。盆栽が枯れたら何千万円の損害になるか分からないんですから」
「の財産()を無断で使用する権利はあなたにはありません。度と青井さんの敷にち入らないこと、そしてホースを接続しないことを約束してください。もし次があれば、被害届を受理して本格な捜査に入ります」
ベテラン警官が語気をめて警告すると、黒杉は急につまらなそうな顔をして舌打ちをした。
「はいはい、分かりましたよ。警察呼ぶなんて気ないねぇ」
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黒杉はそう吐き捨ててドアを閉めた。 警察官は私たちに「今何かあればすぐに通報してください。パトロールを化します」と言い残して引き揚げていった。
これでようやく終わったのか。 私は張り詰めていた糸が切れ、そのにへたり込みそうになった。
しかし——悪はまだ終わっていなかった。
警察の介入から目の午。 パートから帰宅した私は、庭の異変に気づいた。 隣の庭から、再び「シャーッ」という自散のスプリンクラーの音が響いている。
「まさか……!」
慌てて側の蛇を見にった。しかし、がの蛇には何も繋がれておらず、固く閉まったままだ。ダイヤルロックも壊されていない。
「自分ののに切り替えたのかしら……?」
胸を撫でろそうとしたその、仕事から帰ってきた正が、怪訝な顔で面を見つめた。
「おい、紀。ここを見ろ」
正が指差したのは、境界フェンスの基礎のコンクリートブロックの際だった。 雑が自然に抜かれ、がしく掘り返されたような跡がある。正がスコップを持ってきて、その所を慎に掘りめた。
センチほど掘りめたところで、スコップの先がい脂に当たった。
「……なんだこれ」
を払うと、がの栓へと繋がるの塩ビ管の途に、真しい『チーズ(T字型分岐継)』が割り込ませてあった。
そこから細い圧用の黒い耐圧ホースが分岐し、くを通って、フェンスの基礎のを潜り抜け、黒杉の庭へと引き込まれていたのだ。
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