"名刺一枚の逆転縁談" 第13話
披宴の途、義父が父の隣に座り、タブレットを取りしたのだ。
「会、実はですね。輸入品を取り扱おうとっていまして」
顔わせのから、義父は父のことを師匠のように慕うようになっていた。
父は興そうに画面を覗き込んだ。
「ほう。どんな商品ですか?」
「それがですね……」
義父は披宴の席で、まさかのプレゼンを始めた。
すぐに両の母親がいた。
「ちょっと、あなた。今はまなみの結婚式だっていうのに、何をやっているのかしら」
母が父を見た。
「仕事の話はにしなさい」
同じタイミングで、義母も義父を叱った。
「あなた、優馬の式で何をしているの? 今は取引先の方だってご招待しているのに、ご挨拶は済んだの?」
両の父親は、そろって肩をさくした。
父親だけでなく、両の母親もストッパーとしては似た者同士なのかもしれない。
初対面の顔わせのにはどうなることかとった。
優馬さんは、最悪のは両親と縁を切ることも考えてくれていたらしい。けれど、どうにかそうならずに済んだ。
もちろん、あのに言われた言葉を完全に忘れたわけではない。
「こんな子」
「みすぼらしい」
「柄が違う」
そう言われた傷は、簡単には消えない。
けれど義父母は、あの顔わせのを境に態度を改めた。特に義父は、父との関わりを通して、しずつ考え方を変えていったようだった。
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結婚も、私は美容師として働き、優馬さんは「咲」のとして働き続けた。
それから数。
「ママ、髪の毛やって」
朝の洗面所で、さな娘が私のの裾を引いた。
私と優馬さんのには娘がまれ、里と名付けた。4歳になった里は、今は保育園に通っている。
「はいはい。今はどうする?」
「編み込みにして。みんながいって褒めてくれるの」
「解」
私は里を子に座らせ、柔らかい髪に櫛を通した。学の頃、母に教えてもらいながら姉の髪を編んだのことをいす。
あの、姉がんでくれたことが、私のの始まりだった。
「はい、できたよ」
「やった。ママ、ありがとう」
キッチンから優馬さんの声がした。
「里、お弁当できたぞ」
「見せて、見せて」
里は子からり、キッチンへ駆けていった。
「あ、ウインナーがたくさんある」
「昨頼まれてたからな」
「パパ、ありがとう」
「ちゃんとお腹いっぱいべてくるんだぞ」
「はい」
私が毎朝、娘の髪を結い、優馬さんがお弁当を作る。
それが、がの育児分担だった。
「じゃあ私、里を保育園に送って、そのままおにくから」
「解。あ、これ、まなみのお弁当ね」
優馬さんがさな包みを差しした。
「わあ、ありがとう。いつも助かる」
「2とも、ってらっしゃい」
「ってきます」
「パパもってらっしゃい」
「うん。ってきます」
玄関をると、朝のがまぶしかった。
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私たち夫婦は、2とも実の会社に関係のない仕事をしながら暮らしている。
親が社だからといって、子どもがその仕事を継ぐとは限らない。
社になることが、そのの幸せとも限らない。
現に私たちは、社になるを選ばなかったからこそ、自分たちらしい幸せなを歩けている。
これも、両親が私のを応援して、好きなことをさせてくれたおかげだとう。
だから子どもがまれた今、私たちも娘には好きなをんでほしいとっている。
里がいつか、私と同じように誰かの髪を結うことにびをじるかもしれない。
あるいは、全く違うを見つけるかもしれない。
どちらでもいい。
切なのは、柄でも肩きでもない。
そのが何を切にして、誰と笑ってきていきたいか。
私は里のさなを握りながら、保育園へ向かうを歩いた。
朝のが髪を揺らす。
内側のインナーカラーが、を受けてしだけ輝いた。
それは、誰かに否定された私の髪ではない。
私が私らしくきるために選んだだった。
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