みかん小説
本棚

"朝5時の鬼電話" 第1話

 

朝5

まだ暗く、カーテンの隙から入ってくるも青みがかっていた。私は眠っている娘を起こさないように、できるだけ音をてずキッチンにっていた。

娘は6か。夜にも何度か授乳があるため、熟できるはほとんどない。それでも朝は夫の輝よりく起きて、できる範囲でお弁当と朝を作るのが私の課になっていた。

「今そぼろ弁当にしようかな」

卵を溶きながら、さな声でつぶやく。

鶏そぼろはの晩にし仕込んである。卵そぼろをめに作って、余った分は朝のサンドイッチに挟めばちょうどいい。

リビングには、私の目が届く位置に置いたベビーバスケットがあった。娘はさな拳を頬の横に置き、気持ちよさそうに眠っている。

そのだった。

調理台に置いていたスマートフォンが激しく震え始めた。

ぶぶぶぶぶ。

度止まったとったら、すぐにまた震える。

「何……?」

こんなに何度も話をかけてくる相など、普通ではない。幸いマナーモードにしていたので娘は起きなかったが、画面を確認した瞬、私は別ので緊張した。

表示されていた名は、義母の京子だった。

朝5に義母から話。

真っ先にをよぎったのは、義父の正に何かあったのではないかというだった。

広告

私は慌ててめ、話にた。

「もしもし、お母さん? 何かあったんですか?」

返事はなかった。

代わりに、鼓膜が痛くなるほどの鳴り声がんできた。

「何かあったんですか、じゃないわよ!」

わずスマートフォンをからす。

「息子と0歳児の娘を放置して朝帰り? いいご分ね、このアバズレ!」

「……え?」

あまりにも予の言葉で、私はを理解できなかった。

朝帰り。

誰が?

私が?

今まさに自宅のキッチンで夫の弁当を作っている私が、どうして朝帰りをしたことになっているのだろう。

「あなたがこんな非常識なだなんてわなかったわ!」

京子のりは止まらない。

事も育児も輝にやらせてるくせに、専業主婦にしてもらっておいて息子に謝はないの? 子供を産んだからって何をしても許されるとってるの?」

私は言葉を挟む隙さえなかった。

そもそも、私が専業主婦になったのは輝に頼まれたからだ。育児だって私が押しつけているわけではなく、輝が「2の子供なんだから2でやるのが当然だ」と積極に参加してくれているだけだった。

それなのに京子の話のでは、私は夫に事育児を丸投げして夜遊びをする、とんでもない嫁になっているらしい。

「本当に恥ずかしいったらないわよ。嫁として、母親としての自覚はないの?」

広告

そこまで言い切って、京子はきなため息をついた。

ようやく私の番が来た。

私は鳴り返す代わりに、わざと静かな声で言った。

「ですよね」

「……え?」

「私もそういます」

話の向こうで、京子が息を止めた気配がした。

「な、何をき直ってるのよ?」

き直ってませんよ。6かの子供と夫を放置して夜遊びして、朝帰りするなんて、本当に非常識ですよね」

できる限りの皮肉を込めて続ける。

「私にも絶対できません。そんなことを平気でできるの神経が分からないです」

「ちょ、ちょっと……」

「それに娘はまだ夜授乳が必です。夜に遊びにきたいなら、せめてシッターさんを配して、輝と緒にきますよ」

私は眠っている娘を見る。

「そもそも今は夜遊びする元気なんてありませんけどね。寝られるに寝たいですし」

話の向こうが静かになった。

「それも……そうよね」

さっきまでの勢いはどこへ消えたのか、京子の声が急にくなる。

「いや、でも……嘘よ。だって、それじゃ……」

困惑しているのは京子だけではない。

番混乱しているのは、に覚えのないことで朝5から罵倒されている私だった。

何がどうなれば、私が夜遊びをして朝帰りしているという話になるのか。

その、寝の方から音がした。

向、こんな朝く誰と話してるんだ?」

輝だった。

話の声が聞こえたのだろう。

ちょうど娘もさくぐずり始め、輝はベビーバスケットから娘を抱きげながら私のところへ来た。

「おはよう、輝」

私はスマートフォンを見せた。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: