みかん小説
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"朝5時の鬼電話" 第3話

向ちゃん目当てなんじゃない?」

「違いますよ」

私は包丁をかしながら笑った。

「オーナーの料理がおいしいから来てくれてるんです」

「でも向ちゃんが休みの、ちょっと残そうだよ」

「え?」

「やっぱりねえ」

夫婦揃って楽しそうに笑われ、私は顔がくなった。

それからしばらく経った夜。

づいた21過ぎだった。

の扉がき、いつもとはらかに違う格好をした輝が入ってきた。

仕事用というより、何か特別なのために選んだようなスーツ。

そしてには、バラとかすみ束。

輝さん?」

まだ数組客が残っている。

それなのに輝は周囲を気にする様子もなく、まっすぐ私のまで歩いてきた。

「あの」

普段より緊張した声だった。

「はい」

「あなたの柄と料理に、完全に胃袋をつかまれました」

内が静かになる。

「俺と、結婚提で付きってください」

「……え?」

ろでオーナー夫婦が息を呑んだ気配がした。

私は固まった。

まさか自分が、こんな堂々と告されるが来るとはっていなかった。

けれど、輝がへ来るたびにからおいしそうに料理をべてくれる姿を見るのが、いつのにか私の楽しみになっていた。

だから、気持ちはもう決まっていた。

「えっと……」

束を受け取る。

恥ずかしくて顔を隠した。

「よろしくお願いします」

内から、さな拍が起きた。

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そこから交際は順調だった。

輝は誠実で、仕事にも真面目だった。

を見すこともなく、のオーナー夫婦や私の両親にも丁寧に接してくれた。

そして結婚が決まった頃、輝は私につだけお願いをした。

「俺のわがままになるんだけど」

「何?」

「結婚したら、庭に入って俺を支えてくれないかな」

私はし驚いた。

「仕事、辞めるってこと?」

「うん」

輝は真剣だった。

「その分、俺がしっかり稼ぐ。向に活で自由させるつもりは絶対ない」

私は料理の仕事が好きだった。

パートでも続けたい気持ちはあった。

ただ、や夜が忙しい。輝とのがほとんどなくなる活を考えると、専業主婦になるも悪くないとった。

そして何より。

向のご飯が待ってるとうと、仕事頑張れるんだ」

そう言ってくれる輝のために料理するのが、私は嬉しかった。

だからを辞めたも、料理の勉だけは続けた。

今では朝5から輝のお弁当を作るのも、活の部になっている。

そんな私たち夫婦に、きな問題はなかった。

気になっていたことがあるとすれば、義妹の里だけだった。

 

義父の正は物静かで、あまり余計なことを言わないだった。

義母の京子はし世話焼きだが、結婚当初は私にもよく話しかけてくれていた。だから私は、義両親とはそれなりに良い関係を築けているとっていた。

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問題は、輝の妹である里だった。

私と同い

学を卒業し、企業に勤めるいわゆるバリキャリで、見にもかなり気を使っていた。

姿勢は良く、装も洗練されている。

同じ28歳なのに、私よりずっと都会で、自信に満ちて見えた。

そんな里は、私に対してだけ折、妙にたい目を向けてきた。

特に義実で私が料理をした

向、これうまい」

輝が嬉しそうにべる。

「やっぱり向の煮物好きだな」

そう言うたび、里の線が鋭くなる。

最初は気のせいだとっていた。

しかし何度も続けば、嫌でも分かる。

あるの帰宅、私は輝に聞いた。

「ねえ、輝」

「ん?」

「私、里ちゃんに何かしたかな?」

輝のが止まった。

里?」

「今だけじゃなくて、から々すごくたい目で見られるの」

輝は分かりやすく線を泳がせた。

その反応で、私は察した。

「何かってるの?」

「……まあ」

「私、今族として付きうんだから、関係が悪くなるにできることなら直したい」

私がそう言うと、輝はい息を吐いた。

里ってさ」

「うん」

「かなりのブラコンなんだよね」

「ブラコン?」

像以の答えだった。

「俺が学にったら、自分も絶対同じレベルの学にくって言いしたり。友達に遊びに誘われても、俺と予定があるからって断ったりしてた」

「仲がいいだけじゃなくて?」

の頃なんて、俺がクラスの女子と話してるだけで相に文句言ってた」

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