みかん小説
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"朝5時の鬼電話" 第6話

里だった。

1枚だけではない。

2枚。

3枚。

アルバムに入っている写真のほとんどで、私の顔だけが里に差し替えられている。

「何これ……」

指が震える。

さらに正や娘のお披目会で撮った族写真。

そこでは私の顔だけが黒いマジックで何度も塗りつぶされていた。

輝は無言になった。

京子もを押さえている。

だけが、険しい顔で里を見つめていた。

里」

輝がゆっくり振り返る。

「もう度聞く」

声がい。

「噂の発端、おだな」

里はしばらく黙っていた。

やがて、き直ったように笑った。

「……そうよ」

里!」

京子が叫ぶ。

「私がやったわよ」

それまで隠そうとしていた態度から転し、里は輝を睨んだ。

向さんに成りすまして、夜遊びして朝帰りしてるように見せた」

私は言葉を失った。

「何で……?」

里は私を見る。

その目にあるのは、隠すことのできない嫌悪だった。

「何でって?」

笑う。

向さんがお兄ちゃんにふさわしくないからに決まってるでしょ」

「……」

「しかもお兄ちゃん専属の政婦程度のくせに、結婚だけじゃ飽きらず子供まで産んで」

里!」

鳴る。

それでも里は止まらない。

「私はさい頃からずっとお兄ちゃんが好きだったの!」

暴れながら叫ぶ。

「お兄ちゃんが学にったから、私も勉した。お兄ちゃんがハイスペックになったから、私だってお兄ちゃんに釣りう女になるために努力した!」

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私は初めて理解した。

これは単なる兄好きではない。

里のそのものが、

輝の隣につ女になる」

という歪んだ目に支配されている。

「お兄ちゃんにづいてくる女は、みんな私が追い払った」

輝の顔が張った。

「何?」

だけじゃないわよ」

里は笑った。

「社会になってからも。お兄ちゃんに言い寄る女がいたら、気づかれないように調べた」

「……」

「ほとんどハイスペック女子ばっかりだったから警戒してた」

そこで私を見て、で笑う。

「でも向さんみたいな、普通ので働いてる女なんてノーマークだったのよ」

あまりにも骨な見し方だった。

「ちょっと待って」

私は呆れて言った。

「私、輝に言い寄ってないよ」

「は?」

「付きってくださいって言ったの、輝の方だけど」

里の表が変わる。

「あかりちゃん、その話、結婚の挨拶のに聞いてたよね?」

京子に馴れ初めを聞かれた際、私たちはかなり詳しく話している。

輝がへ通ったこと。

束を持って告したこと。

すべて里ので話した。

「そんなの」

里は吐き捨てた。

「どうせあんたの捏造でしょ」

「俺も話しただろ」

輝が言う。

「お兄ちゃんが話わせただけよ!」

「何で俺が?」

「だって!」

里は叫んだ。

「お兄ちゃんがあんたみたいな女に本気でアタックするはずないもの!」

誰が何を言っても無駄だった。

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里のでは、現実の方が違っているらしい。

「だから悪い噂が広まれば、お兄ちゃんが婚するとった」

里はとうとう目までにした。

向さんが浮気して、子供を放置して遊び歩く女だって分かれば、お兄ちゃんも嫌いになるとったのよ」

そして。

輝が実に戻ってくる。

それが里の描いた結末だった。

 

里の計画は、像以に用周到だった。

最初はSNSで私になりすまし、

「育児が面倒」

「夜遊びしたい」

などとき込むつもりだったらしい。

しかし示請求などで自分の元が分かる能性を考え、それはやめた。

自分で所へ噂を流すのも危険。

誰から聞いた話か辿られれば、いずれ里へき着く。

そこで選んだのが、

に見せる」

という方法だった。

義実くには、噂好きで名な女性がいる。

里は私と同じような

同じようなバッグ。

黒髪ボブのウィッグ。

それらをにつけ、その女性たちの目につく所をわざと歩いた。

には男性と緒に歩く。

夜遅く帰ってくる。

朝方に歩く。

何度も何度も繰り返した。

すると、

「あれ、本さんのお嫁さんじゃない?」

という憶測が勝まれる。

噂好きなが、

「昨も見た」

「男と緒だった」

と話を膨らませる。

里は直接何も言わず、周囲に噂を完成させたのだ。

私は気持ち悪さに鳥肌がった。

方で里は、まだ私を罵倒している。

「料理しか取り柄のないくせに」

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