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"閉ざされた玄関の暗証番号" 第6話

桜はドアを閉め、階段のへとんだ。段ずつスーツケースをろそうとしたが、段ほどりたところで急激な眩暈に襲われ、膝が崩れかけた。

「きゃっ……」

桜は咄嗟にで階段のすりをく掴み、辛うじて転落を防いだ。

「お義姉さん!」

ろからついてきていた弓が鳴をげ、慌てて駆け寄ろうとした。桜はを微かに挙げ、それを制した。

丈夫です……」

荒い息を吐きながら、桜は再び段ずつろした。のせいでに力が入らず、りるごとにすりに体を預けなければめない。弓はその痛々しいろ姿を見つめ、胸を締め付けられるような罪悪を覚えていた。ほんのまでは、母の言う通り数れるのが良いとっていた。しかし、まともに歩くこともできない義姉が、い荷物を引きずりながら階段をりる姿を見て、自分たちが取り返しのつかない過ちを犯しているのではないかという疑が湧きがっていた。

弓は階段のを振り返った。

「お母さん……」

澄子は階の廊に佇み、階段を見ろしていた。

「何よ」

「お義姉さん、本当に具が悪そうだよ……?」

澄子の眉が瞬微かに揺れた。しかし、すでにここまで事態をめてしまった以、自分の非を認めて引きがることはできなかった。

「だから、ゆっくり休んできなさいって言ってるんじゃないの」

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桜はその言葉を背で聞きながら、決して振り返ることはしなかった。痛むに力を込め、最段をりきった。

玄関ホールへ辿り着いた、勝の方から敷の施設管理と入り管理を担当している渡辺が入ってきた。スーツケースを引き、肩で息をする桜の姿を見るなり、渡辺は目を見張ってを止めた。

「奥様! どちらへかれるのですか?」

「……数、別の所にいます」

渡辺は桜の青ざめた顔と脂汗の浮かぶ額を見て、慌ててた。

「お顔が非常に優れません。すぐにおをご用いたしましょうか?」

桜は首を横に振った。

丈夫です。すでにタクシーを呼びましたので」

渡辺はそのけず、線を階段のへと向けた。そこには澄子と弓がったまま、りてこようともせずにいた。病の妻が荷物を持ってようとしているのに、見送り配慮する素振りすら見せない。敷の異様な空気を察しながらも、雇われのである渡辺には、族のい諍いにを挟むことは許されなかった。

スマートフォンの画面がり、配したタクシーが敷のに到着したという通が表示された。

桜は玄関のり、靴を履いた。スーツケースのハンドルを握り、い玄関ドアノブにをかける。最度だけ、階段のを見げた。

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澄子の徹な線と、目がった。

桜は何も言わなかった。澄子もまた、引き止める言葉をにすることはなかった。

桜はドアを押しけ、たい空気のへと踏みした。カチリと錠がり、背な扉が閉ざされた瞬、広敷のは完全な静寂に包まれた。

弓は閉ざされた玄関ドアを呆然と見つめていた。先ほどすりにすがりつきながら階段をりていった桜のろ姿が、脳裏に焼き付いてれなかった。

「お母さん……」

澄子は線を娘に向けた。

「何よ」

「……ここまでしなくても、良かったんじゃないの?」

澄子の表気に険しくなった。

「私が追いしたとでも言いたいの? 数お互いにれていようって提案しただけじゃないの!」

弓はそれ以、言葉を返すことができなかった。

その、玄関ホールの片付けをしていた渡辺に向けて、澄子が静かに歩み寄った。

「渡辺さん」

渡辺が振り返り、げた。

「はい、奥様」

澄子は玄関の壁に設置された最型の子錠パネルを見つめながら、平然とした声で言った。

「うちの玄関の暗証番号、族それぞれ個別に登録してありますよね?」

「はい。ご族皆様、それぞれ別の番号が登録されております」

澄子はしだけ線を泳がせ、何でもない雑談のように言葉を続けた。

「桜さんの番号だけ、別個に無効化することはできるかしら?」

渡辺の表が驚愕に染まった。

「……奥様の番号を、ですか?」

「ええ」

渡辺は言葉を詰まらせた。

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