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"閉ざされた玄関の暗証番号" 第14話

澄子はそれ以、言葉を返すことができず、ただ肩を震わせていた。

翌朝、勇気が支度をえてようとした瞬、スマートフォンの着信音が鳴り響いた。画面には父方の伯母の名が表示されていた。

通話ボタンを押すと、番、気を含んだ声がを突いた。

『勇気! いくら腹がったからって、お母さんと弓ちゃんをから追いすなんて、体どういう見なの!?』

勇気は玄関のち止まり、静に問い返した。

「伯母さん……母からどんな話を聞いたんですか?」

『桜さんとのことで見がい違っただけでしょう? それなのに、実の母親と妹を放りすなんて恩らずにも程があるわ!』

勇気はく息を吸い込み、静かに尋ねた。

「……伯母さん。桜さんの荷物を誰がまとめたかという話は、母から聞きましたか?」

話の向こうが瞬で静まり返った。

『……何の荷物のことよ?』

その反応だけで分だった。母は親戚話をかけ、自分が被害者であるかのように話を歪曲し、都の悪い事実をすべて隠蔽して方を募っていたのだ。

そのの午、勇気は再び蒼井のマンションを訪れた。桜の顔よりもわずかに落ち着きを取り戻していたが、の傷が癒えていないことはらかだった。勇気はソファに座る桜の正面に向かいった。

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「桜……昨聞けなかったことを、もう度聞かせてほしい。お母さんと同居していて、にも耐えていたことがあったんじゃないか?」

桜のがぴたりと止まった。

「……どうして今になって、そんなことを聞くの?」

「俺自が、らずに見過ごしてきたことがすぎるとったからだ」

桜は夫の目をじっと見つめ、やがて線を落として掠れた声で言った。

「……らないんじゃなくて、あなたも見ていたはずよ」

勇気の臓がねた。

「俺が……?」

「私たち宛の郵便物を、お義母さんが勝封していたことがあったでしょう。寝にノックもなしに入ってきたことも……私が留守のに部に入って、引きしのの個類を全部引っ張りされていたこともあったわ」

勇気の記憶が激しく揺さぶられた。

「それ……あの、君から聞いた記憶がある……」

「ええ、その都度あなたに相談したわ。でも、あなたはなんて言ったか覚えてる? 『母さんは悪気があってやってるんじゃないから、波てないようにしよう』って……そう言って、結局何もしてくれなかったじゃない」

桜の瞳から、静かに涙がこぼれ落ちた。

「言っても何も変わらないから、私は何も言わなくなったの。していたんじゃない……諦めていただけよ」

勇気は両で顔を覆った。

自分は族の調を保っているつもりだった。

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しかし実態は、母を説得する労力を避け、で文句を言わない妻にいて、自分が楽な方へと逃げていただけだったのだ。

「すまなかった……俺は、最だった……」

桜は首を振った。

「だから今回も、あなたに話できなかったの。話したらまた、『僕から言っておくから、今回はしてくれ』って言われるのが怖かったから……」

その言葉は、どんな刃物よりもく勇気の胸を抉った。

そのの夜、田園調布の敷には、澄子の呼びかけによって親戚同が集結していた。リビングには伯母や叔父たちが揃い、勇気が階段をりてくると、斉に厳しい線が突き刺さった。

「勇気、族の揉め事は族で解決すべきだ。母親を追いすなんて世体が悪すぎる」

叔父が々しくいた。勇気は反論せず、リビングのテーブルの央にノートパソコンを置いた。

「皆さん、母から何を聞かれたかりませんが、まずはこれを見てください」

勇気は敷の管理責任者である渡辺に依頼して抽させた、あの連の防犯カメラ映像を再した。

画面には、弓が桜の私物を両に抱えて寝からてくる姿、続いて澄子が桜の型スーツケースを引きずりす姿が鮮に映しされていた。

親戚たちの私語がピタリと止まった。

さらに映像はみ、でふらつく桜がすりにすがりつき、途で倒れ込みそうになりながら必に階段をりていく姿が再された。

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