みかん小説
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"一杯の鍋が変えた人生" 第2話

自分は庭を気にする余裕なんてない。

そう言い聞かせた。

しかし、あるの夕方。

久しぶりにコンビニへこうと部だった。

里たちと鉢わせた。

その姿を見た瞬、優太はを止めた。

らかに以と違っていた。

子供たちは痩せていた。

頬がしこけている。

きく見えた。

そして、里のにはさな買い物袋しかなかった。

4歳の柚葉が母親を見げ、さな声で言った。

「ママ……お腹空いた」

その瞬里の表が崩れた。

「ごめんね……」

震える声だった。

「何も買えなくて……ごめんね」

その言葉を聞いた瞬、優太の胸の奥がく痛んだ。

7の記憶が蘇った。

代の親友、島翔夜。

優太にとって唯、本音を話せる友だった。

翔夜はいつもるかった。

誰とでも話せる。

誰にでも優しい。

だからこそ、優太は気づかなかった。

翔夜が限界まで追い詰められていたことに。

社会になって数

翔夜からの連絡はしずつ減っていった。

「最どう?」

優太が送った最のメッセージ。

返ってきた言葉はかった。

「まあ、ぼちぼち」

それが最だった。

その、翔夜は過労によってくなった。

もっと聞けばよかった。

もっと踏み込めばよかった。

あの、何かできたのではないか。

その悔を、優太は7抱え続けていた。

そして今。

目のにいる里と子供たち。

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あのと同じだった。

気づいているのに、何もしない。

見て見ぬふりをする。

また同じ悔をするのか。

気づいたには、優太のが勝いていた。

「……あの」

里が顔をげる。

「突然なんですが……」

優太は自分でも驚きながら言った。

「よかったら、うちで鍋しませんか」

里の目がきくいた。

優太は慌てて続けた。

「実から野菜が届くんですけど……俺、じゃべきれなくて」

本当は違った。

べきれないのではない。

料理する気力がなかっただけだ。

届いた野菜は段ボールので腐っていくばかりだった。

でも、そんなことは言えなかった。

里は戸惑った顔をした。

「でも……」

「本当に余ってるだけなので」

優太はし笑った。

「捨てるより、べてもらった方が野菜もぶとうので」

その言葉に、里はしばらく黙った。

そしてさくげた。

「……ありがとうございます」

そのの夜。

優太は久しぶりに台所へった。

押し入れの奥から古い鍋を取りす。

カセットコンロをす。

段ボールをける。

には菜、根、ネギ、参。

母が送ってくれた野菜がたくさん入っていた。

「こんなに送ってくれてたんだな……」

優太はさく呟いた。

今まで見ることすら避けていた箱のには、母親の気持ちが詰まっていた。

しばらくして、部里たちが入ってきた。

狭い部だった。

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1でも分狭い。

そこに5が集まると、さらに狭くじた。

しかし、議と窮屈ではなかった。

鍋から湯気がる。

菜の甘いり。

汁の匂い。

優太の部には、久しぶりに「活」の音が戻っていた。

「いただきます」

美咲がさな声で言った。

双子も真似をする。

「いただきます」

3の声がなった。

優太はその瞬、胸の奥がくなるのをじた。

誰かと卓を囲む。

ただそれだけのことが、こんなにも温かいものだったのか。

事の途、美咲が自分の器からしだけ肉を妹たちの器へ移した。

優太はその姿を見逃さなかった。

「美咲ちゃん、自分の分べていいんだよ」

そう言うと、美咲はし笑った。

「妹たちがべた方がいいから」

7歳の子供の言葉だった。

でも、その表にはのような諦めが混ざっていた。

優太は胸が締め付けられた。

この子は、ずっとしてきたのだ。

その夜。

全員が帰った、優太は布団に横になった。

はいつものように静かだった。

けれど、何かが違った。

胸の奥に、さな灯りが残っていた。

久しぶりだった。

朝が来ることを怖いとわずに眠れたのは。

優太はまだらなかった。

あの杯の鍋が、自分だけではなく、隣の母子のまでも変えていくことになることを。

そして、自分自もまた、誰かを救うことでしずつ救われていくことを。

鍋を囲んだ夜から、優太の常はしずつ変わり始めた。

な変化ではなかった。

朝起きた瞬に元気になったわけでもない。

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