みかん小説
本棚

"追い出された私が離婚届を渡した日、夫の人生は崩れ始めた" 第8話

と勘違いしたのか、義母たちの態度はさらにエスカレートしていった。

「ほら、無能な嫁はさっさと荷物をまとめてていけ!」

義母は階の寝から私の私物をあれこれと抱えて持ってくると、リビングのつ私の元へ次々と投げつけてきた。

「ほら、あんたたちも伝って投げなさい! おばさんの荷物の理を伝ってあげなきゃ、でしょ!」

義姉はあろうことか、自分の幼い子供たちにも義母の真似をするように命じた。子供たちは面がって、私の物をに投げ捨てて笑っている。

良識やいやりといったが、このたちには最初からしないのだ。息子の嫁というだけでに見てに振るい、文句を言うなと理尽を押し付ける。最初から私をこのから追いし、自分たちが適に暮らすことが目だったのかもしれない。

私は胸ので煮えくり返るりを押し殺し、黙々と荷物をスーツケースとバッグに詰め直した。

「……お世話になりました」

私が荷物を持って玄関へ向かい、ドアノブにをかけたその瞬からドアがき、仕事帰りのと鉢わせになったのだ。

「おい……なんだよ、その荷物は」

は私の荷物を見て、驚きと焦りのを浮かべた。

「私はこのにはみたいですし、私ももうこのに用はありませんので、実に帰らせていただきます」

広告

私はボストンバッグを置き、着のポケットから記入済みの婚届を取りして、の胸元へピシャリと突きつけた。

の顔が、見る見るうちにに青ざめていく。

「り、婚って……突然何を言いすんだよ! 考え直せ!」

は必になって私の腕を掴み、引き止めようとしてきた。

「いいえ、考え直す余はありません。こんな活、もううんざりよ」

「母さんたちのことなら、俺からちゃんと言って聞かせるから! 話せば分かるって!」

私のりがなものだとったのか、は必になだめようとしてくる。

「今更何を話しうというの? お母さんたちも私にってほしいと仰っていますし、私も決めたことですから、今更考えを変える気なんてありません」

「そんな……! 俺には綾乃が必なんだよ!」

泣きそうな顔で縋り付いてくる。しかし、私のにはミリの同も湧かなかった。

「無理よ。もう遅れなの」

が絶望してち尽くしていると、リビングの奥から義母がドカドカと歩み寄ってきた。

「ちょっと! そうやってあんたが甘やかすから、この女が図に乗って付けがるのよ! 婚したいって言うんだから、さっさと婚してやりなさい!」

義父もろから野太い声をげる。

「そうだぞ! おに相応しい女なんて、世のにいくらでもいる! うるさいだけのダメ嫁なんて、とっとと放りしてしまえばいいんだ!」

広告

両親からの押しを受け、は苦渋に満ちた表を浮かべながら、震えるでペンを握り、婚届の夫欄に署名と捺印をした。

「……はい、ありがとう。これで置きなくしい活が送れるわ」

私は署名済みの婚届をしっかりと受け取り、バッグにしまった。そしてスーツケースの持ちを握り、玄関のドアをけてようとした。

その瞬、背からの絶叫が響き渡った。

「待ってくれ綾乃!! かないでくれ! このままじゃ……俺たち、活できないんだよ!!」

「……え? 、何を言ってるの? どういうことよ」

玄関のち止まった義母が、息子の取り乱しように怪訝な声をげた。

私はの絶叫を背で聞きながら、そのまま無してようとした。しかし、義母が慌てて駆け寄ってきて、私の腕を乱暴に掴んで引き止めた。

「ちょっと待ちなさい! の話が終わるまでは、あんたもここにいなさい!」

私は腕を振り払い、たい線を義母に向けた。

「話なら、勝に息子さんとでしてくださればいいじゃないですか。ついさっきまで『さっさとていけ』と言っていたのに、随分とですね」

義母は顔を真っ赤にして鳴り返した。

婚届をいたからって、役所にすまではまだ夫婦でしょうが! 嫁として、親の言うことを最まで聞きなさい!」

どこまでも傲な態度に呆れ果てたが、ここで無理に振り解こうとしても揉めるだけだと察し、私はため息をついてリビングへと戻った。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: