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"追い出された私が離婚届を渡した日、夫の人生は崩れ始めた" 第11話

目つきは鋭く、見るからにカタギではない異様な威圧を放っている。

男たちは私を瞥すると、何の用もないといった様子で通り過ぎ、いたままのの玄関へとゾロゾロとを踏み入れていった。

おそらく、が昼夜を問わず入り浸っていた会員制クラブの裏に控えている、取りての専業者の方々だろう。級クラブのを何か分もツケにしており、その未払いは数百万円規模に膨れがっていたのだ。

から、男たちのドスの利いた声と、けない鳴、そして義両親の取り乱した叫び声が響いてきた。

しかし、すでに婚届に署名をもらい、赤のとなった私には、彼らを助ける義理も義務も微も残されていなかった。

私はその阿叫喚の騒音を完全にから締めし、たい夜度もち止まることなく歩き続け、実へと向かうタクシーに乗り込んだのだった。

そのづてや共通のからの噂として聞いた話によると、あの族の末惨を極めたという。

額の借を抱えたまま会社を懲戒解雇され、宅ローンの返済が滞った築のマイホームは、あっというによって差し押さえられ、競売にかけられて文で叩き売られた。

も仕事も同に失い、に迷った親戚族は、互いを罵りいながら裂し、散り散りになって夜逃げ同然に姿を消したそうだ。

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義姉はの子供を連れて、仕掛けでった適当な男のに転がり込み、辛うじて寝る所を確保したらしい。しかし、子持ちであることを隠して同居を始めたため、相の男性は突然現れたの子供に驚愕し、連修羅を繰り広げているとのことだった。

方の私は、温かく迎えてくれた実で両親と共に暮らしながら、のリフレッシュを兼ねて所のスーパーでパートとして働き始めた。

あの夜、突然荷物を持って実に帰ってきた私を見て、父も母も最初はひどく驚いていた。しかし、私がこれまでの経緯とたちの仕打ちをすべて打ちけると、両親は自分のことのように激し、悔し涙を流しながら私をく抱きしめ、温かい言葉で慰めてくれたのだ。

での穏やかな活が始まって数ヶが経った、あるのことだった。

のインターホンが鳴り、母が応対にると、玄関のだらけで見るもなくボロボロになったっていた。

は玄関先に座し、額を面に擦り付けながら泣き叫んだ。

「綾乃……! 俺が悪かった! 本当に俺が違っていたんだ! 頼むから、もう度やり直してくれ……!」

「今更そんな勝なことを言わないで。やり直せるわけがないでしょう」

私がたく突き放すと、は借取りに追われ、雇いのバイト代もすべて毟り取られ、ネットカフェを転々とする極貧活がいかに過酷であるかを、涙ながらに必に訴えかけてきた。

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しかし、すべての事っている私の両親は、そんなの無様な姿を、ただただ軽蔑に満ちた徹な目で見ろしていた。

奥から歩みてきた父が、腕を組んでややかに言い放った。

君。君がこれまでの滞納分も含めて、毎きちんとうちに賃と費を全額払いで払ってくれるというなら、庭の物置にでもまわせてやってもいいがね」

父はかつてが私に言い放った暴言をそっくりそのまま皮肉として突きつけたのだ。無文で借まみれのに、そんな条件がめるはずがないことは分かりきっていた。

はそのに崩れ落ち、子供のように泣きじゃくった。

「お願いします……助けてください……! 綾乃の夫だった俺を見捨てないでください……!」

父は微だにせず、容赦のない声で最通告を突きつけた。

「君は以、婚姻関係にあった私の娘を『血の繋がっていない赤のだ』と言い切ったそうだな。すでに正式に婚届が受理されている今、君は私たち族にとって、何の関係もない正真正銘の『赤の』だ」

母も玄関の扉を掴み、毅然とした態度で言い放った。

「これ以、うちの敷に居座るなら警察を呼びますよ。

さっさときなさい!」

警察という言葉を聞いたは、怯えたように肩を震わせ、力なく項垂れながら、る通りへとトボトボとっていった。

その惨めな背を見送りながら、私は過のしがらみが完全に断ち切られたことを実していた。

玄関のドアが閉まり、静寂が戻った、父が私の肩にポンと優しくを置き、いた。

「綾乃。これからは、自分の幸せを番に考えてきるんだ。もう度と、ろを振り返るんじゃないぞ」

父のその温かい言葉には、い厳しさと共に、傷ついた娘を命がけで守ろうとする父親としてのが込められていた。

「うん……ありがとう、お父さん」

私は両親に向かってからの笑顔を浮かべ、を向いて歩んでいく決たにした。

、私は実で両親と共に穏やかな々を過ごしながら、父が経営する事業の経理や事務を伝い、何自由のない満ちりた幸せな毎を送っている。

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