"退職届を出した夫が、最後の会議で暴いた妻社長の嘘" 第13話
朝のい差しとは違い、へても目を細める必はなかった。
社と田部が、入のそばで待っていた。
社はたばこの箱をし、私へ1本差しした。
「吸うか?」
私はを振り、断った。
「やめました」
田部は茶いファイルを脇へ挟み、今の予定を尋ねた。
茶いファイルの角は、朝に見たよりもし折れていた。
私はを流れるへ目を向けた。
「いくつかの会社へ履歴を送り、面接を受けてから考えます」
田部はうなずき、自分の会社で購買部の席が空いていると教えてくれた。
彼は事責任者がだから、必なら話を通すと申した。
私はそので決めず、まず面接を受けると答えた。
会議で始まった問題は収束し、私の次の仕事の話へ移っていた。
その、ポケットのでスマートフォンが震えた。
社が、私をしいグループチャットへ追加していた。
名は「関エリア医療器購買ネットワーク」だった。
病院設備の責任者や医療器の購買担当者など、展示会で会ったことのある々が参加していた。
画面の参加者覧には10数のアイコンが並び、社の営業担当者の顔もあった。
概欄には、モラルのない業者はネットワーク全体で取引を禁止すると記されていた。
私は概を読み終え、直までの投稿をへさかのぼった。
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履歴を確認すると、田の名刺が共されていた。
会社のロゴ、話番号、内線番号まで表示され、そのには赤い印がついていた。
その参加者のアイコンの横に、い投稿が表示された。
「鈴社は?」
画面にはその質問だけが残り、入力の表示も現れなかった。
それまで続いていた会話が止まり、1分ほど誰も返信しなかった。
最に、社がく返した。
「様子見」
私は画面を閉じ、スマートフォンをポケットへ戻した。
田のしたことは、私のをれ、業界全体へられ始めていた。
社はたばこをしまい、私へを差しした。
私はそのを握った。
会議に交わした握より、今度のにはし汗が残っていた。
彼はく別れを告げ、田部とともに駐へ向かった。
「じゃあな」
私は2がへ乗るのを見届け、くの留所へ歩いた。
黒いミニバンがへて見えなくなってから、私は留所の列のろへ並んだ。
もなく線バスがし、空気を吐くような音とともに扉をいた。
私は乗して窓際へ座った。
内には空席があり、私は鞄を膝へ置いて、借りていた本を取りした。
り始めると、いた窓からが入り、シャツの襟元を揺らした。
再びスマートフォンが震えた。
今度の送信者は美穂ではなく、島だった。
彼は翌10に変更された面接について、しい連絡を送ってきた。
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「先方が言っていた。面接は必ない。直接、与の交渉をしようとな」
私は親指を画面ので止め、く返信した。
「ありがとう」
バスがカーブを曲がると、午のが内を横切った。
窓のでは、づいたプラタナスのが1本ずつろへ流れていった。
私は窓をさらにけ、を受けながらを見た。
で目がし痛んだが、私は窓を閉めず、次の留所の表示を見つめた。
次の留所は病院だった。
内放送を聞き、私は膝のの本へ目を落とした。
診察を受けるためではない。
3に社から借りた、医療器の仕様を返すためだった。
その本はい、のトランクへ置いたままになっていた。
営業先で仕様を確認するたびにいたため、の端には何度もめくった跡が残っていた。
必なページには折り目がつき、表だけでなく背の部分も緩んでいた。
先週、会社の建物ので社と偶然会ったのことをいした。
社は鞄を脇に抱え、急ぎで入へ向かっていた。
私が呼び止めると、彼は振り返り、私の抱えていた本を見て笑った。
私は本の表を社へ見せ、返却したいと伝えた。
社は本を見て、を横に振った。
「あの本なら急がなくていい。まだ使っていてくれ」
私は首を横に振り、表へを添えた。
本を抱え直し、もう分にく借りたと答えた。
「3も借りました。
もう返すです」
そのの会話をい返しながら、私は膝のの本へ線を戻した。
表は剥がれかけ、私は透なテープを何にも貼って直していた。
何度も補修した跡を指で押さえ、私は本を鞄へ戻さず、両腕で抱えた。
バスが病院へづくと、私は本を抱えたままボタンを押した。
ボタンが赤く点灯し、内放送が次の留所を病院だと告げた。
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