"エレベーターの7時間" 第4話
彼は内の緊張に気づいてち止まり、私へ確認するように目を向けた。
私がうなずくと、健太は証言をいた。
「閉じ込められていた方々の証言がそろいました」
健太は男の子の母親である恵の証言を読みげた。
「さんはの通る所を息子と齢男性に譲りました。桜さんは何度も所を求し、さんの腕をつかみ、押したとあります」
桜が青ざめる、健太は翔太の証言へんだ。
「桜さんは喘息発作を主張しましたが、バッグに吸入器はなく、あったのは圧薬だけでした」
はゆっくり桜へ向き直り、震える唇を見つめた。
「君は、を突きばしたのか」
桜は首を振り、の腕へを伸ばした。
「わざとじゃない。ただ、怖かったの」
健太はファイルを閉じるに、へもう1枚の面を示した。
「隊には午3、内部監査の聴取へ命令がています。桜さんを搬してから奥様へ医療班が到達するまで、3分10秒の遅れがありました」
は結婚指輪を握ったまま、私へ目を向けた。
彼は私の顔を初めて確かめるように見つめた。
「そんなにひどい状態だとはらなかった」
私は目をそらさず、静かに答えた。
「らなかったでしょうね。あなたは私を見ようともしなかったから」
桜は全員が妊婦の私へ方しているだけだと泣き、健太へも非難の目を向けた。
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健太はファイルの全ページを示し、落ち着いて首を横に振った。
「1の証言ではありません。救助された全員から別々に聞き取り、内容が致しています」
茜は私の疲れた顔を確認し、義母たちへ退を求めた。
義母はドアへ向かいながら振り返り、婚の活は獄になると吐き捨てた。
私は枕へ背を戻し、彼女を見た。
「婚しなければ、私と子供が本当に獄へ落ちます」
健太はへ、聴取のため消防署へ戻る刻だと告げた。
はドアのでち止まり、私へ振り返った。
「戻ったら、きちんと話そう」
私は目を閉じ、茜が持ってきた封筒へを置いた。
「これからは婚協議を通して話しましょう」
茜が病院の警備員を呼ぶと告げたため、義母と桜はに付き添われて病をた。
健太も午の聴取へ向かい、ドアはようやく静かに閉じた。
張り詰めていた力が抜けた私を、茜がベッドので支えた。
彼女はぬるいを渡し、私の顔をのぞき込んだ。
「もっとく、見切りをつけるべきだったわね」
私は力なく笑ったが、昨夜までの自分をうと涙があふれた。
あの7は、したに始まったのではない。
桜がロンドンから帰国したに、すでに始まっていた。
その、は産婦科の待で、私の超音波検査を待っていた。
携帯話に桜の名が表示されると、彼の表が変わった。
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は番号札を握る私へ目を向け、ちがった。
「桜が羽田空港で荷物をなくした。こちらにりいがいないから、健診は1で受けてくれ」
私はもなく呼ばれる番号を示した。
「もうすぐ私たちの番よ」
は線をし、へ歩きした。
「すぐに戻る」
彼は戻らなかった。
私は廊で1、最初の鮮な胎児写真を見つめた。
桜はの幼なじみで、忘れられない初恋の相だった。
10、記録な豪で建物が崩落し、2は瓦礫の敷きになった。
は、絶望ので桜がを握り、眠らないよう励まして命を救ってくれたと信じていた。
桜がへ移ったも、その恩を背負い続けていた。
帰国、桜が居を探せば帰宅が遅くなり、体調を崩せば私の健診より優先した。
回りの修理や薬の受け渡しにも、は呼ばれるたびていった。
私が悪阻で吐いている夜も、がつってけない夜も、桜の悪やが先だった。
それでも私は、消防士のにはを救う義務があるとおうとした。
助産師に勧められ、妊娠の体調と族の支援を記へき続けていた。
妊娠1かから6かまでに、が医療関の予約を欠席した回数は12回だった。
桜の名は17回も記されていた。
茜は記を最までめくり、く眉を寄せた。
「よくここまで耐えたわね」
私は記録のへを置き、桜のをい返した。
「本当に救助が必なと張りいたくなかった。でも桜は、彼が助けに来ざるを得ない状況を作り続けていただけだったのね」
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