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"「孤児の貧乏女」と捨てた妻の本当の正体" 第11話

せよ、この棒女!」

章は舌打ちをして、由の顔面を容赦なく蹴りばした。

「痛っ! な、何するのよ! ずっと私のこと『由ちゃんがい、結婚しよう』って言ってくれたじゃない!」

「キャバ嬢相の営業トークを真に受けてんじゃねえよ! 会社のパクるような空っぽの女と、誰が結婚なんかするか! づるがなくなった女に用はねえんだよ、このクズが!」

フロアので、醜い罵りいと取っ組みいの喧嘩を始める由と章。周囲を取り囲む数の部たちは、かつて自分たちが媚びへつらっていたエリート営業部とそのが見せるあまりにも無惨な姿に言葉を失い、ただややかな軽蔑の線を送っていた。

「逃がしませんよ」

エレベーターのボタンを狂ったように連打する章の背に、音もなく黒田社の側である屈な男たちがちふさがった。

「な、なんだよ、どけよ!」

「章様、あなたにはすでに警察の捜査のが伸びております。由様からの正送を受け取っていた、完全な共犯者としてね。ここから逃げられるとはわないことです」

柴田の氷のような声が響き、章は絶望に顔を歪めてそのにへたり込んだ。由もまた、に顔を押し付けたまま、ただひたすらに嗚咽を漏らしている。これで、いずり回るネズミたちの逃げは完全に塞がれた。

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私は再び、元で震える拓也へと線を落とした。りすら湧かない。ただ端のゴミを見ろすような目で彼を見つめながら、私は切の言葉を発さず、い沈黙を守り続けた。

私が何も言わず、ただたく見ろしている――その絶対なプレッシャーに耐えきれなくなった拓也は、半狂乱になって叫んだ。

「美桜、答えろ! あの婚届がどうしたって言うんだ!? 俺は慰謝料も請求せず、ただ綺麗に別れてやったじゃないか! 何が獄だ!」

「綺麗に別れた……? あなた、自分が昨サインしたの束を、本当にも読んでいなかったのね」

私はたく息を吐き、柴田に顎で図をした。柴田は黒革のアタッシュケースをき、枚の類を取りして拓也の目のに突きつけた。

「拓也様。あなたが昨婚届の束に紛れていたのに気づかず、も見ずにサインと実印を押した類のコピーでございます」

「こ、これは……財産分与および慰謝料に関する公正証……? なんだこれは!? 俺はこんなもの聞いていない!」

拓也の目が限界まで見かれる。

「拓也、あなたが昨言った言葉を覚えているかしら? 『俺がここまで養ってやってたんだ』って。あれ、傑作だったわ」

私はの鬱憤をらすように笑を浮かべて、真実を突きつけた。

「私が活費の割を肩代わりし、あなたの名義の座に入れてあげていたお

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そして私が条グループの力であなたに持たせてあげていた株や産。それらを全て、元々の持ち主である私に全額返還するというよ」

「な、なんだと……!?」

「だから今朝、あなたの座残は全てゼロになったのよ。あなたが自分の実力で稼いだと勘違いしていた財産は、最初から円残らず、全て私のものだったのだから」

拓也は信じられないものを見るように、類と私の顔を交互に見比べた。

「そ、そんな……じゃあ、俺は働いてきたのに、文無しになったっていうのか……?」

拓也のから、魂の抜けたような声が漏れる。

「ふふっ、文無し? まさか」

私がややかに笑うと、拓也はビクッと肩を震わせた。

文無しなら、まだ幸せだったわね。でも、あなたはただ財産を失っただけじゃないのよ。あなた自が招いた致命な代償を、これからかけて払わなきゃいけないんだから」

私がそう告げた瞬だった。フロアの奥にある社のドアがバァンと勢いよくき、顔面蒼になり、ネクタイを振り乱した経理部が転がるようにしての元へ駆け寄ってきたのだ。

「社変です! 拓也部が……拓也部が過に結んでいた別の契約に、とんでもない裏が発覚しました!」

「裏だと!? 体何事だ! これ以何があるって言うんだ!」

経理部からかされた、さらなる恐るべき事実。

それを聞いた瞬、拓也はついに限界を迎え、目を剥いて泡を吹くことになる。

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