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"「孤児の貧乏女」と捨てた妻の本当の正体" 第12話

「社変です! 拓也部が過に結んでいた別の契約に、とんでもない裏が発覚しました!」

経理部鳴のような報告に、は血相を変えて経理部の胸ぐらを掴んだ。

「裏だと!? 体何事だ、く言え!」

「け、Kホールディングス様と最初に結ばれた基本契約です! その特記事項に、『万がな背信為によって契約解除に至った、その際に発した全ての損害は、担当責任者である拓也個が全額連帯保証し賠償する』というが交わされていました!」

「な……ッ!?」

から力が抜け、経理部にへたり込んだ。

「個の……連帯保証……!?」

いつくばっていた拓也が、幽鬼のような顔で顔をげた。

「そ、そんなバカな話があるか! 介のサラリーマンが、企業の何百億という取引の連帯保証になるなんて、法律にもあり得ない! 第、俺はそんな類に判子を押した覚えはないぞ!」

で否定する拓也。しかし、そのに酷刑宣告のような声が届いた。Kホールディングスの黒田社だ。

「あり得ますよ。なぜなら、当全く無名で実績もゼロだったあなたに、が社が巨額の取引を任せる唯の条件として、その特約を提示したのですからね」

「あ……」

「あなたは当柄を焦るあまり契約の細かい条項など碌に確認もせず、狂して実印を押しました。

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その類はもちろん、法に完璧な効力を持っています」

黒田の言葉に、フロア線が拓也に突き刺さる。百億円の損失――その全額を、拓也個が背負うということだ。

「う、嘘だ……嘘だ……嘘だあああああっ!!」

拓也は両を抱え、発狂したように叫び声をあげた。そして血った目で私をギロリと睨みつけ、再び醜い罵倒を投げつけてきた。

「おだ! 全部おが仕組んだんだな! 孤児院育ちの汚いドブネズミめ! 自分が親に捨てられた無惨な底辺だからって、エリートの俺のを妬んでこんな罠を張ったんだ! この卑劣な悪魔! 異常者! 自分の素性を隠して俺を騙していた詐欺師め! 今すぐその契約を取り消せ!」

から泡をばし、首に青筋をてて狂ったように喚き散らす拓也。由も警察汰になる恐怖から完全に錯乱し、拓也に同調して喚き散らす。

「このき遅れのババアが全部悪いのよ! 自分の顔が貧乏臭いからって、私たちの輝かしい未来をめちゃくちゃにして! あんたなんか孤独に啜ってんでいけばいいのよ!」

から滝のように溢れす、聞くに堪えない侮辱の言葉の数々。

だが、私は言も発さなかった。言い返すことすらしなかった。私は微だにせず、ただ彫刻のようにたい表で彼らをじっと見ろしていた。

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る価値もない、しむ価値もない。いずり回って吠える犬に、がいちいち本気でりをじないのと同じだ。

私のその絶対な沈黙は、どんな罵倒の言葉よりも残酷に、「おたちはもう、私と同じ俵にすらっていない」という決定な事実を彼らに突きつけていた。

私の圧倒徹さとたい線に耐えきれなくなった拓也は、ついにボロボロと涙を流し始めた。

「答えろよ……なあ、美桜……! 俺の妻なんだから、俺の借はおの借でもあるんだぞ! 条グループの莫な財産で、百億くらいさっさと払えよ!」

のいいだけ「妻」という言葉を持ちす、その底なしの浅ましさ。柴田が袋をした鏡の位置を直し、ややかにため息をついた。

「拓也様。先ほども申しげた通り、昨あなたが自ら嬉々としてサインした婚届は、すでに今朝番で役所に受理されております。美桜お嬢様はあなたとは完全に赤の。あなたの莫な負債を肩代わりする義務など、円たりともございません」

「ああ……あああ……っ!」

拓也のから、絶望の呻き声が漏れた。

先ほどまでは財産を失っただけの文無しだった。しかし今は違う。かかっても返しきれない、百億円という途方もない負債を背負った、文字通りの獄へと真っ逆さまに突き落とされたのだ。

「ざまあみろ……自業自得だぜ、アニキ」

弟の章が震えながらも嘲笑うように吐き捨てた。

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