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"「孤児の貧乏女」と捨てた妻の本当の正体" 第13話

そのだった。ビルのの方から、「ウーウー」という吉なサイレンの音が複数づいてくるのが聞こえた。やがて、何台もの両が急するブレーキ音が響く。

「け、警察だ……!」

フロアの窓際にいた社員のが、青ざめた顔で呟いた。

「チーン」と無質な音をててエレベーターの扉がく。そこから数名の制警官と、鋭い目つきをしたスーツ姿の刑事たちがにフロアへとなだれ込んできた。

「警庁捜査課だ。由、及び章。業務横領の容疑で逮捕状がている。署まで同してもらうぞ」

った初老の刑事が警察帳を突きつけると、由と章は完全に腰を抜かし、「いやだ! 俺は悪くねえ!」と泣き叫びながらそので崩れ落ちた。

拓也は錠がかけられる様子を見ながら、「よかった……俺は逮捕されないんだ」と焦点のわない目で堵の息を吐きかけた。だが、刑事は鋭い線を拓也へと向け、信じられない言葉を放ったのだ。

「それから拓也、おにも同してもらう」

「え……? な、なんでですか!? 横領の主犯はこいつらで、俺は判子を押すように騙されていただけ――」

拓也が抜けな声をげると、刑事は酷な目で彼を見ろし、言った。

「横領の共犯だけじゃない。おには、もうな容疑がかかっているんだ」

刑事のから告げられたその容疑の内容は、拓也自も、そして周囲の社員たちも全く予していなかった、あまりにもおぞましいものだった。

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「も、もうつのな容疑……? い、体何の話ですか……!?」

錠をかけられ泣き叫ぶ由と章の横で、拓也は完全に血の気が引いた顔で刑事に問い返した。初老の刑事は鋭い鷹のような目で拓也を射抜き、酷な声でその罪名を突きつけた。

「とぼけるな。お、Kホールディングスの未公プロジェクトや顧客の密データを、の競企業ににわたって横流ししていただろう。正競争防止法違反、及び特別背任の容疑だ。すでに裏座への莫な入記録も押さえてある」

「な……ッ!?」

報の横流し。それは拓也がエリートとしての虚栄を満たすため、そして夜ので豪遊するための裏を作るために、誰にも内緒で密かにを染めていた絶対の秘密だった。

「ば、バカな! その座はのダミー会社を経由して……いや、違う! 私はやっていない! 証拠なんてどこにもないはずだ!」

パニックに陥り、必に首を振って否定する拓也。

「証拠なら、ここに全て揃っていますよ」

静まり返ったフロアに、控えめだが、はっきりとした声が響いた。全員の線が声の主へと向く。そこにっていた物を見て、拓也は信じられないものを見るように目を丸くした。

「た、田……!? 田、おなんで……!?」

てきたのは、拓也の直属の部であり、営業部で番の若である田だった。

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彼はいつも拓也から「使えないゴミ」と罵倒され、毎のように理尽なパワハラを受けていたしい青だ。

は胸のポケットからさなUSBメモリを取りし、それをく掲げた。

「拓也部……いや、拓也。あなたが私に押し付けていた雑用のデータ理のに、企業との怪しいメールのやり取りが隠されていることに気づいていました。私はこの、あなたが私を鳴り散らしている裏で、全ての通信記録と裏座のアクセス履歴をコピーし、密かに警察と条グループの監査部へ提していたんです」

「な……おが警察に……!?」

「ええ。あなたが横領犯の由とホテルにっている、私は会社に残って、あなたの犯罪の証拠をつ残らず集めさせてもらいました。私をゴミと呼んだ、あなたの自業自得です」

の静かだがりを込めた言葉に、周囲の社員たちから「おおっ」とどよめきががった。自分が絶対な権力者として君臨し、底辺のだと見していたただの部に、完全に元を掬われていたのだ。

全てがに晒され、逃げが完全に断たれた拓也は、ついに理性という名の糸が完全に焼き切れた。

「き、貴様ッ! 田の分際で俺を嵌めたな! 俺が拾ってやらなきゃ野垂れんでいたような無能な底辺のくせに、恩を仇で返しやがって!」

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