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"「孤児の貧乏女」と捨てた妻の本当の正体" 第17話

「連れてけ」

刑事のたい言で、完全に廃と化した拓也、そして泣き喚く由と章のは、警官たちに引きずられながらエレベーターへと押し込まれていった。

「いやだ! 私は悪くない! 拓也さんのせいだ!」

せええっ!」

エレベーターの属の扉が閉まる瞬、彼らの断末魔のような叫び声がフロアに響き、そして――完全に静寂が訪れた。

残された営業部のフロアでは、数の社員たちがまるで嵐が過ぎったのように呆然とち尽くしている。数分までこの会社の絶対権力者として君臨していた男が、文字通り全てを失い、獄の底へと引きずり込まれていったのだから。

その苦しい沈黙を破ったのは、だった。

「ふぅ……」

は額のや汗をハンカチで拭うと、先ほどまでの怯えた態度から転、揉みをして卑屈な笑みを浮かべながら、私と黒田社づいてきた。

「いやあ、美桜お嬢様、素らしいご決断でした! 拓也のような恩らずの横領犯は、が社にとっても癌細胞だったのです! 警察に突きしていただき、会社としても本当に助かりました!」

は、まるで自分が勝利の役者であるかのように調子よく喋り始めた。

「これでが社の膿も完全にし切れました! 黒田社、拓也個の連帯保証でKホールディングス様への損失も補填されることですし、が社との契約解除はどうか撤回していただけないでしょうか? これからも条グループ様とは良いお付きいを――」

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満面の笑みで私の顔を伺う。彼は完全に勘違いをしていた。拓也という悪が消えたのだから、自分たちは助かると信じ込んでいるのだ。

私はずっと黙っていたをゆっくりとき、ふっとややかに微笑んだ。

「良いお付きい……?」

「ええ、ええ! もちろんでございます! が社は全力で美桜お嬢様をサポートし――」

「社、あなた、何かきな勘違いをしていないかしら」

私の氷のようにたい声に、の笑顔がピクリと凍りついた。

「か、勘違い……でございますか?」

「拓也が横領を働き、会社のを私物化していた。それを『らぬぜぬ』で通せるほど、あなたも無能ではないでしょう?」

私が放ったその言で、フロアの空気が再びビリビリと張り詰めた。

まだ終わっていない。本当の復讐の完遂は、この腐りきった会社そのものを完全に解体し、私の元にひれ伏させることから始まるのだ。

「何を仰るのですか!? 私は本当に何もりませんでした! 全てはあの拓也という男が勝にやったことで――」

に言い逃れようとするの言葉を、Kホールディングスの黒田社酷に遮った。

「見苦しいですよ、。……田君、例のデータを」

黒田が声をかけると、先ほど拓也の罪を告発した若社員の田が、元のタブレットを操作し、フロアの巨なモニターにつの表を映しした。

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そこに表示されたのは、複雑な資の流れを示す座の送記録だった。

「こ、これは……!?」

「拓也が企業に報を横流ししていた莫な裏――そのうちの割が、毎きっちりと、あなたの個座にキックバックされていましたよね」

黒田の容赦のない追及に、フロアの社員たちが「えっ……社も共犯だったのか!?」とどよめきをげた。

「ち、違う! これは会社の裏として、やむを得ずプールしていただけで、私個の懐には円も――」

「言い訳は警察でたっぷり聞いてもらいなさい。田君からの内部告発データは、すでに警庁捜査課にも提済みです。拓也を連した刑事たちが、今頃階のロビーであなたを待っていますよ」

逃げが完全に塞がれたことを悟ったの顔が、恐怖から転、醜いりへと歪んだ。彼はネクタイを引きちぎるようにし、血った目で私をギロリと睨みつけ、フロアに響き渡る声で鳴り散らしたのだ。

「ふざけるなッ!! 条の令嬢だか何だからないが、親のと権力を傘に着ただけの娘が、偉そうに見しやがって! この会社は私がをかけて育てげただ! それを夫に浮気された腹いせなんかで潰されてたまるか! おみたいな世らずのバカ女に、ビジネスを語る資格なんてないんだよ!」

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