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"「孤児の貧乏女」と捨てた妻の本当の正体" 第18話

本性を現し、から泡をばして私を罵倒する。さっきまでの卑屈な態度は消え失せ、彼もまた拓也と同じように、自分の非を棚にげて全ての責任を私に押し付けようとしていた。

しかし、私はやはり微だにせず、ただの言も発さなかった。喚き散らすにしても、私の表はピクリとも変わらない。ただ極の氷底よりもたく、そして絶対な威厳を持った差しで、彼を静かに見つめ返すだけだった。

鳴り声がフロアに響き渡り、やがて虚しく消えていく。

私が切の反論をせず、ただ絶対な沈黙を貫き通すことで、は自分が「絶対に逆らってはいけない本物の怪物」に向かって吠えているのだという事実に、ようやく気づき始めた。

私のえ切った瞳に見つめられ、の喉から引きつったような鳴が漏れる。彼のはガクガクと震え、無識のうちにずさりを始めた。

「……吠え終わったかしら?」

数分に及ぶい沈黙の、私は静かに、だがフロアの隅々にまで響く声でいた。

「親の権力を傘に着ている、世らず……ええ、その通りよ。だから私は、その絶対な権力を使って、あなたのような寄虫を社会から完全に排除することにしたの」

「な……」

、あなたの会社は条グループのメインバンクからの融資引きげにより、本をもって事実の倒産となります。

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そしてあなた自も拓也の共犯として逮捕され、全財産を没収される。これが、私の夫を唆し、条のい物にしたへの当然の報いよ」

私の無慈な宣告と同に、フロアの入から、先ほど拓也たちを連していったはずの刑事たちが再び姿を現した。

。特別背任、及び横領の共犯で同願おうか」

「嫌だ! せ! 私は社だぞ! こんなところで終わるわけにはいかないんだああああっ!」

錠をかけられ、無様にいずりながら泣き叫ぶ

エリート気取りで私を見していた元夫。私を貧乏だと嘲笑っていた倫相とそのヒモ。そして会社のを貪っていた欲な社。私から全てを奪い、見し、嘲笑っていた愚か者たちは、たった数で文字通り全てを失い、社会の底辺へと引きずり落とされた。

残されたのは、悪たちが消えり静寂を取り戻したオフィスと、呆然とち尽くす善良な社員たちだけ。

「終わりましたね、お嬢様」

柴田が静かにげる。

「ええ。これで完全にゴミ掃除は完したわ」

私はく息を吐き、にわたって背負い続けてきた荷が、音をてて崩れっていくのをじていた。私を縛りつけていた過は、これで完全に清算された。

しかし、私の本当のの再スタートは、ここから始まるのだ。

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私はゆっくりと振り返り、まだフロアの隅で緊張した面持ちでっている物へと歩み寄った。

「さて……田君」

「は、はいっ!」

私の呼びかけに、田がビクッと肩をがらせて直になる。この絶望と混乱の渦巻く会社ので、ただ勇気を持って自らの正義を貫き通したこの青に対し、私はあるいがけない提案をにすることになるのだった。

「田君、顔をげなさい」

私の静かな声に、直になっていた田がビクッと肩を揺らし、恐る恐る顔をげた。その目には、企業をたった数で壊滅させた私に対する畏怖と、これから自分がどうなるのかというが入り混じっている。

私は、このずっと顔に張り付いていたで気な妻の仮面でもなく、先ほどまで悪たちを見ろしていた徹な復讐者の仮面でもない、私本来の条美桜としての温かく穏やかな微笑みを浮かべた。

「田君。あなたが、たったで拓也のパワハラに耐えながら証拠を集めてくれたこと、本当に謝しているわ。あなたの勇気あるがなければ、この会社にはびこる悪事は決してるみになかった」

「い、いえ……! 私はただ、拓也部……いや、拓也たちのやっていることが許せなくて、正しいことをしたかっただけで……」

言葉を詰まらせる田に、私はく頷いた。

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