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"68歳の誕生日、残高は0円だった" 第12話

「今、ご主にいますか?」

滝川が聞いた。

にいるといます」

さやかが答えた。

「では、今はまだかなくていい」

滝川は指示した。

「タイミングを見て、ご主しているに撮する。スマートフォンで構いません。付が入るもので撮してください」

さやかはメモを取っていた。

滝川は千代子に向かって言った。

さん、つ聞いてもいいですか?」

滝川の目が鋭くなった。

婚を考えていますか? それとも、今は別のことを優先したいですか?」

千代子はその直接な質問に、し驚いた。

でもではなかった。

滝川の聞き方には、値踏みするようなじがなかった。

ただ事実を確認したいという、職業な真剣さがあった。

千代子はし考えてから言った。

「おを取り戻したい。それが番です」

千代子ははっきりと言った。

婚のことはそので考えます」

滝川は頷いた。

「わかりました。では最初のステップは、おの回収と虚偽申告の正です」

彼は結論づけた。

「それが確定したところで、次の選択肢を考えましょう」

さやかが言った。

「お父さんが番恐れているものは何だといますか?」

滝川はさやかを見た。

「体面です」

さやかは言い切った。

「元域の顔。そういうにとって、社会な信用の喪失は損失よりも響く。

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それを利用する方法はあります」

さやかは度だけ頷いた。

それ以は何も言わなかった。

「次回の面談を来週設定しましょう」

滝川は言いながらがった。

「それまでに類の撮を済ませておいてください。区役所にも私の方から確認を取ります」

面談が終わり、は事務所をて駅へ向かって歩いた。

の空はれていて、空気が乾いていた。

さやかはしばらく黙って歩いていた。

千代子も何も言わなかった。音が歩に響いた。

横断歩で信号待ちをしていた、さやかがいた。

「お母さん、今どんな気持ち?」

千代子はし考えた。

議なくらい落ち着いている」

千代子は答えた。

さやかは横から千代子の顔を見た。

「それでいいとう」

さやかは言った。

に戻ると、総はまだ斎にいた。

千代子はいつも通り夕の準備をした。

さやかは自話をしていた。

は昼に斎からてきて、千代子が作った炒め物をべ、何も言わずに戻っていった。

千代子はその背を見ながら、このは何もらないのだとった。

何もらないままいつもと同じようにべて、いつもと同じように戻っていく。

その夕方、総所のOB会にかけていった。

は戻らないだろう。

さやかが千代子のところに来て、「今だよ」と言った。

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斎に入った。

机の類の束を、さやかがスマートフォンで枚撮した。

確定申告類、何かの契約

滝川が言っていた、委任状らしき類も枚あった。

さやかはそれを特に丁寧に、角度を変えて何枚も撮した。

千代子は斎の入りち、廊の物音にを澄ませていた。

引きしのけることはしなかった。

目に見える範囲の類だけを撮し、終わったら元の位置に戻した。

全部で分ほどで終わった。

さやかはスマートフォンをポケットにしまい、「よし」とだけ言った。

それからが経ち、状況がった。

滝川との回目の面談では、さやかが撮した類の確認がわれた。

委任状らしき類は、滝川が見るなり言った。

「これは偽造の能性がい。跡鑑定を依頼できる」

確定申告には、確かに千代子の名の隣に度障害の記載があった。

滝川はそれを写真で記録しながら、淡々と言った。

継続している。税務署への告発状を準備します」

さやかはその言葉を聞いて、「それだけじゃなくて」と言い始めた。

さやかは計画をにした。

「お父さんが番傷つくのは、信頼しているたちので恥をかくことです」

さやかは滝川の目を見た。

「来週末、お父さんがゴルフ仲の元支たちをに招いて、お茶会をく予定があります」

さやかは説を続けた。

「毎やっている集まりで、お父さんにとって番見栄を張る相たちです」

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