みかん小説
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"温泉旅行を贈った夫の本当の目的" 第10話

博幸のゴルフ会員権:

約百万円(購入資は私の座からの貸付、借用なしだが送履歴あり)。

ペン先をらせるたび、帳の面が博幸さんの「完全な寄の実態」を浮き彫りにしていく。

彼は自分が黒柱であり、もすべて自分の威によって成りっていると信じ込んでいた。だが、帳簿のでは、彼は私の資産にぶらがり、私の労働力を搾取し続けてきた「単なる居候の浪費者」に過ぎなかったのだ。

「博幸さん、あなたは私を『無でちょろい女』だと侮った。けれど、こののすべての権利関係と資の流れを掌握していたのが誰だったのか、骨の髄までらせてあげるわ」

私はめかけた茶をみ干すと、帳を閉じ、スマートフォンの連絡先をいた。

話帳の「医事法務・顧問」の項目から、台の番号を呼びす。

神崎志乃(かんざき しの)

彼女は、私が勤める総病院の顧問弁護士を務めている、婚問題と企業法務のスペシャリストであり、私とは来の個な親交を持つ無の友だった。数々の悪質な医療訴訟やモンスターペイシェントの法続きを、私と共に徹に処理してきた戦友でもある。

ツーツーという呼びし音が回鳴ったく落ち着いた、な女性の声がに届いた。

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『はい、神崎法律事務所です。恵美子さん? どうされたの、珍しいわね。今休を取って温泉旅じゃなかったかしら?』

「志乃さん、急な連絡で本当にごめんなさい。……今、緊急で相談したい法事案が発したの。仕事ではなく、私個の問題よ」

私の声のさを瞬に察したのだろう。受話器の向こうで類をめくる音がピタリと止まり、志乃さんの声がくなった。

『恵美子さんがそんな声をすなんて、ただ事じゃないわね。今どこにいるの?』

「駅のファミレスよ。自宅から避難して、証拠を確保したところ」

分でそっちへくわ。ドリンクバーでもんで、かずに待っていて』

話が切れてから正確に、仕ての良いネイビーのパンツスーツにを包んだ志乃さんが、颯爽とファミレスのボックス席へと現れた。彼女は提げのブリーフケースを脇に置き、私のに腰掛けると、探るような鋭い線を私に向けた。

「顔がひどいわよ、恵美子さん。体何があったの?」

私は切交えず、淡々と、まるでのカルテを読みげるように、今朝からの来事を系列で説した。

夫から渡された級旅館の宿泊券。忘れ物を取りに戻った自宅で目撃した倫現。換気扇のと物置ので録音した、退職奪と名義詐取の計画。

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そして、「さおり」の――。

を終え、私はICレコーダーを取りして再ボタンを押した。

階の寝から漏れ聞こえる、博幸さんとさおりの々しく品な会話、そして私を「畜」「最のATM」と嘲笑う音声が、静かなボックス席に流れる。

志乃さんは腕を組み、眉かさずに最までその音声を聴き届けた。しかし、そのな瞳の奥には、氷のようなりの炎が静かに宿っていた。

「……なるほどね。典型なモラルハラスメント、計画財産詐取未遂、そして悪質な為。絵に描いたようなクズ男の所業だわ」

志乃さんはノートパソコンをき、キーボードを滑らかな指先で叩き始めた。

「恵美子さん、あなたの判断は完璧よ。その鳴り込まず、完全に証拠を押さえて脱した。医療事務静沈着さが、あなたを救ったわね」

「志乃さん、私はあいつらを絶対に許さない。ただ婚して慰謝料を取るだけじゃ気が済まないの。私のの尊厳を踏みにじった報いを、社会にも経済にも、完璧に清算させたい」

私の真っ直ぐな線を受け止め、志乃さんは元に徹な笑みを浮かべた。

「望むところよ。あなたほど誠実に働いてきた女性が、こんな劣な連い物にされてたまるもんですか。……いい? 相はあなたがまだ温泉に向かうで呑気に揺られていると信じ切っている。

この『空』こそが、私たちの最の武器よ」

志乃さんは画面を私に向けた。

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