みかん小説
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"温泉旅行を贈った夫の本当の目的" 第14話

取り残された博幸さんは、や汗でワイシャツの襟元をぐっしょりと濡らしながら、支配と警備員に囲まれ、屈辱に塗れて震えることしかできなかった。

翌朝、午半。

昨夜、警察汰寸のところで実の老いた母親に泣きつき、夜にネットバンキングから急ぎ送させてなんとかフレンチの支払いを済ませた博幸さんは、もできぬままフラフラの取りで勤務先の堅商社へと社した。

「恵美子のやつ、体何をしでかしたんだ……? カードの引き落とし座を違えでもしたのか? 帰ったらタダじゃ置かないぞ……」

りと焦燥で血った目を擦りながら、オフィスの自ドアをくぐった瞬、博幸さんは異様な空気にを止めた。

いつもなら「おはようございます」と挨拶を交わす同僚たちが、博幸さんの姿を見るなりサッと線を逸らし、ヒソヒソと打ちを交わしている。輩社員たちは骨に軽蔑の混じった目を向け、オフィスの隅へとれていく。

「な、なんだ……? 体どうしたんだ?」

博幸さんが自席のデスクに辿り着いたその、オフィスの奥にある役員なドアがき、厳しい表を崩さない総務事担当常務が姿を現した。

営業第。今すぐ第会議に来なさい」

常務の声には、の部に対する温など微もなかった。

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会議に入ると、そこには事部、法務コンプライアンス委員、そして会社の顧問弁護士が、氷のようにたい線を並べて待ち構えていた。机の央には、通の分いクリアファイルが置かれていた。

、座りなさい。……今朝番で、本社のコンプライアンス通報窓および全役員宛てに、神崎法律事務所を通じて内容証付きの告発状と、かぬ証拠資料が届いた」

事部が突きしたファイルをめくり、博幸さんの臓は凍りついた。

そこにとじ込まれていたのは、私が昨、医療事務のプロとしての技術を総員して作成した「博幸 貞・背任為報告カルテ」だった。

精密な音声反訳

、物置のから録音した音声データの全文き起こし。さおりとの密会、妻の退職奪計画、会社の報を漏洩させてに便宜を図っていた々しい会話の句。

経費正使用の照表:

にわたり、博幸さんが「取引先との接待」と偽って会社に経費請求していた領収と、さおりのマンション周辺の・ホテルの位置報および私の族カードの利用履歴の完全致マップ。

倫相の素性:

さおりが、同社にとって最取引先である建材メーカーの受付担当者であり、博幸さんが取引の便宜を図る見返りとして個な関係を結んでいたという背任為の告発。

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「こ、これは……! 違います! これは妻の捏造で……!」

博幸さんが机に両をついて叫んだが、法務委員然と遮った。

「見苦しい言い訳はやめなさい。音声データもすでに顧問弁護士と専関によって真正性が確認されている。何より、最取引先の社員を巻き込んだこの醜聞は、が社の社会信用を根底から失墜させるな背任為だ」

常務が最通牒を叩きつけるように、枚の辞令を机に放りした。

「本付で、貴殿を営業第から解任、懲戒解雇を提とした自宅待命令とする。退職については、就業規則第条に基づき、全額続きに入る。今すぐ私物をまとめて退しなさい」

「懲戒解雇……? 退職が、ゼロ……!? そんな、待ってください! 俺にはのローンもの支払いもあるんです! 勘弁してください!」

博幸さんはに膝をつき、役員たちの革靴にすがりつこうとした。しかし警備員が無にも彼の両脇を抱えげ、まるでゴミを搬するかのように、オフィスの勝へと引きずりしていった。

会社を叩きされ、枯らしが吹き荒れるオフィスに放りされた博幸さんは、完全に正気を失っていた。

「恵美子……! あの女、絶対に許さん……! 俺のをめちゃくちゃにしやがって!」

懐からスマートフォンを取りし、震える指で私の番号を叩く。

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