みかん小説
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"0円の注文帳" 第6話

《母さんに、ずっと悪者をさせた。これは俺の番卑怯だったところだ》

直子は便箋を握った。

「お母さん、このってた?」

節子は頷いた。

「茂さんがくなったあと、枝姉ちゃんが見つけた」

「どうして私に渡さなかったの?」

節子は困った顔をした。

んだを嫌いにさせたくなかったって」

直子は笑った。

りからた笑いだった。

「またそれ?」

「直子」

「私のためって?」

誰も彼も。

自分のためだと言う。

父は娘のために京へかせなかった。

母は娘のために父の罪を隠した。

「結局、お母さんは自分が嫌われる方を選んだんでしょう。勝に」

節子はしばらく黙っていた。

「姉ちゃんは、じゃなかったよ」

「どういう?」

「怖かったんだとう」

夫はんだ。

娘は父を慕っている。

今さら、

《あなたの父親がを潰した》

と言えば、そのまで壊してしまう。

母はそれが怖かった。

「だから逃げたんだよ」

節子は言った。

「黙る方へ」

直子は母をった。

何でも決めるい母。

を助ける母。

を続けた母。

でも。

事なところでは。

逃げた。

その事実の方が、直子には妙に現実だった。

父ので、30来事はほとんど分かったようにえた。

だが。

つ。

できないものが残った。

央調理学院から母へ届いた別の封筒だった。

付は翌2

直子がらないだった。

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《次度4入学について》

側は、事を考慮し、翌の入学試験を免除する特例を提案していた。

しかも。

ある企業の奨学制度に空きがたため、学費の部を免除できる能性がある。

つまり。

直子には。

もう京へける会があった。

「何これ……」

には、母のメモがある。

《直子にはまだ言わない》

直子のが震えた。

今度は父ではない。

父に隠れて学へ相談していたのは母だ。

なら。

なぜ言わなかった。

ページのろに、母の記があった。

《217

《学から連絡。直子をかせられるかもしれない》

次。

《茂、胸の検査。しばらく無理をさせられない》

父は当臓に異常が見つかっていた。

命に直結する状態ではなかったが、しばらく仕事を減らす必があった。

も苦しかった。

では朝から夜まで回せない。

直子がいなくなれば。

も。

も。

計も厳しくなる。

《直子に話したら、きっとく》

母はそういている。

次の

《だから、言えなかった》

直子は子に座り込んだ。

父がしたことではない。

この

母は自分で決めた。

娘にはらせない。

に残ってもらう。

族を支えてもらう。

《あの子のより、今のを選んだ》

記には、はっきりかれていた。

《私は母親なのに、自分を選んだ》

直子は泣かなかった。

涙より先に。

静かなりが来た。

母は分かっていた。

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それでもやった。

でもない。

誰かを助けるためでもない。

自分が困るから。

娘の未来を黙って閉じた。

これが。

30隠されていたきな真実だった。

直子は3かなかった。

横浜へ戻り、仕事にもた。

スーパーの惣菜売では、朝から揚げ物の匂いが漂っている。若い社員が商品の発注を違え、直子はいつも通り指示をし、昼休みに弁当をべた。

活は普通に続く。

母の真実をっても。

世界は何も変わらない。

そのことが、逆に苦しかった。

夜。

娘の彩から話が来た。

「お母さん、今週帰ってる?」

「うん」

「話したいことがあるんだけど」

29歳の彩は都内のIT企業で働いている。

学卒業から同じ会社に勤め、収入も定している。

彩は恋の航平と緒に直子のへ来た。

「会社を辞めようとってる」

直子はわず、

「何で?」

い声をした。

彩は料理とパン作りが好きで、以から週末にシェアキッチンを借りていた。航平とで、朝だけスープとパンをさなをやりたいという。

「そんな簡単じゃないよ」

直子はすぐ反対した。

がどれだけ変か、あなたらないでしょう。今の会社、料だって悪くないし、社会保険もある」

「分かってる」

「分かってないから言ってるの」

彩の顔が変わった。

「お母さん、まだ最まで聞いてないじゃん」

直子は言葉を止めた。

配だから言ってるの」

にした瞬

胸がざわついた。

30

父も。

母も。

同じことをっていた。

あなたのため。

配だから。

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