"7年目に開いた薬袋" 第6話
健はそれ以言わなかった。
だが診療所をた、疑いはさらにくなっていた。
母親だけなのか。
同じように量の薬を処方されている齢者が、にもいるのではないか。
健は国民健康保険を扱う担当窓へ相談した。
最初、職員は慎だった。
個の医療報を簡単に調べて部へ伝えることはできない。
それでも健は、母親のからてきた量の未使用薬と医療費の記録を示した。
「母のそのものを疑っているわけではありません」
健はをげた。
「でも、この薬の量は普通なんでしょうか。それだけでも調べてください」
職員は司へ相談した。
そして請求記録を内部で確認することになった。
数週。
健へ連絡が入った。
「田さんの件ですが、確認したいことがあります」
役所を訪ねると、担当者の表は以とは違っていた。
「記録を精査したところ、確かに自然な点が見つかりました」
「やっぱりすぎるんですか」
「お母様の症状に対して、処方量が過剰だった能性があります」
さらに調査範囲を広げたところ、同じ傾向を持つ患者が複数見つかった。
いずれも齢者。
そして全員が佐藤医院の患者だった。
量の薬が継続して処方され、その医療費が保険へ請求されている。
担当者は健へ説した。
「診療報酬や薬剤費の正請求がわれている能性があります。
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警察への相談が必です」
健はしばらく黙っていた。
母親は佐藤医師を信じていた。
町の民もそうだった。
もしその信頼が利用されていたのなら、母親が残した量の薬は、偶然ではない。
「調べてください」
健は言った。
「母のことを無駄にしたくありません」
昭536。
広島県警へ、正な診療報酬請求の疑いに関する報が寄せられた。
その報告のにかれていた医師の名を見て、1の刑事がを止めた。
佐藤医師。
かつて幸子失踪事件を担当した佐々だった。
7い歳ので、佐々は警部へ昇していた。
だが幸子の事件だけは忘れたことがなかった。
「佐藤……」
名をにした瞬、7の記憶が戻った。
失踪した薬剤師の写真を診療所へ貼り、報を呼びかけていた医師。
警察署へ何度もを運び、「幸子さんほど真面目なはいない」と話した男。
そして幸子の夫、哲夫と親しかった物。
佐々のに、説のできない違がまれた。
正な薬の処方。
佐藤医院。
薬局。
薬剤師として、その処方を20以受け付けていた幸子。
もし正が昔からわれていたのなら。
幸子は気づかなかったのか。
佐々は、すぐに昭48の事件記録を取り寄せた。
表には「幸子 方」とかれていた。
7と同じ写真が、類のからてきた。
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佐々はい、その写真を見つめた。
「幸子さん」
誰にも聞こえない声で呟いた。
「もしかしたら、やっと入が見つかったかもしれない」
7、200万円だけを残して途切れた捜査。
その事件が、田の押し入れに残された量の薬によって再びき始めた。
佐々警部は、佐藤医院に残る診療記録の調査を始めた。
過10分のカルテ、処方箋の控え、保険請求に関する資料が確認され、医療に詳しい専も加わった。
膨な記録を1ずつ追っていく。
数。
数字のから、確な傾向が浮かびがった。
昭45頃から、佐藤医師は齢患者に対して量の薬を処方するようになっていた。
臓病の薬。
血圧治療薬。
糖尿病薬。
胃腸薬。
眠薬。
ビタミン剤。
1の齢者へ10種類以の薬がている例もあった。
しかも通常の治療から考えて、量がらかにいケースが含まれていた。
記録を見た医師は眉をひそめた。
「これを全部必な処方だったと説するのは無理があります」
佐々が尋ねた。
「医学に必ない薬があるということですか」
「あります。それもなくありません。患者によっては通常考えられる量の2倍、3倍にいものもあります」
「危険では?」
「組みわせによっては、健康を損なう能性もあります」
では、なぜ量に処方するのか。
専の説は単純だった。
薬をく処方し、正式な処方として保険請求すれば、それだけ支払われる額も増える。
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