みかん小説
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"サービスエリアで消えた三人" 第1話

章 目の鞄

 黒い旅鞄が見つかったのは、事件からだった。

 神奈川県部にある古い貸倉庫が取り壊されることになり、の配管を撤していた作業員が、コンクリートの継ぎ目から何にもビニールを巻かれた鞄を掘りした。に現や貴属はなく、てきたのは古い女性用の財布、子供用の片方のスニーカー、の褪せたレシート、赤い毛糸で編まれたさな巾着だった。

 財布の免許証にかれていた名を見た瞬、県警捜査課の佐倉健司はに引き戻された。

 宮本恵美、当歳。

 平成、夫の修歳の男・輝、歳の女・真央とともに伊豆へ泊旅かけ、型サービスエリアで輝と真央のを連れたまま姿を消した女性だった。

 佐倉は当歳で、所轄から捜査本部に応援で入ったばかりだった。サービスエリアの従業員に写真を見せ、何もの客から話を聞き、周辺の林や川敷まで歩いたが、母子につながる確実な痕跡はつも見つけられなかった。

 事件は誘拐、事故、自発な失踪、第者による連れりと仮説を変えながら捜査が続いたが、数には専従班も解かれた。それでも世が事件を忘れなかったのは、夫の宮本修が毎のようにテレビに続けたからだった。

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「どんなさなことでも構いません。妻と子供たちを見かけた方は、どうか連絡してください」

 、館内放送のマイクを握っていた男は、そのも同じ言葉をカメラので繰り返した。が過ぎて恵美の失踪宣告を申してたときも、修は記者に向かって涙を拭いながら説した。

「妻については、宅ローンや財産関係を理するため、法律どうしても必でした。でも子供たちは違います。私は今も、きているとっています」

 その言葉に疑問を持つ者はほとんどいなかった。佐倉も同じだった。むしろ、恵美だけを法律したものとして扱い、子供たちについては失踪宣告を申してない態度に、父親としての執さえじていた。

 だが、恵美の財布がサービスエリアから百キロれた貸倉庫のからた。

 しかも、その倉庫を事件当していた物の名を確認したところで、佐倉は捜査資料のに覚えのあるを見つけた。

 篠原理、当歳。

 宮本修が事件の約まで頻繁に話をかけていた女性だった。

章 待ち続ける父親

 再捜査の最初に佐倉が見直したのは、の宮本修の供述だった。

 は朝すぎ、区の自宅をた。目は伊豆原で、昼には現に着く予定だったという。

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分ごろ、型サービスエリアに入り、修油との点検に向かった。恵美は子供たちを連れてフードコートへき、分ほどして修が戻ったときにはの姿がなかった。

 最初、修は買い物かトイレだとって待っていた。しかし分経っても戻らず、館内を探し回ったあと、従業員に頼んで迷子放送を流した。

 当の記録には、放送担当者の証言が残っていた。

「ご主はかなり取り乱していました。奥さんの装も子供さんの特徴も、何度も確認していました。演技には見えませんでした」

 修は午になって警察が到着すると、駐の端で膝にをつき、何度も吐いたという。夜になっても帰宅を拒み、翌朝までサービスエリアに残った。

 佐倉自、その姿を見ていた。

 だから疑えなかった、というのは刑事としては言い訳にならない。それでもの佐倉にとって、修は「疑うべき族」ではなく、「守るべき遺族」に見えた。

 事件から目に放送された特集番組の映像を再すると、代になった修は以より痩せ、居の棚にの写真を並べていた。真央がの入学式で笑っている写真、輝が野球のユニフォームを着ている写真、恵美が子供の肩にを置いた族写真。そので修は、「帰ってきたときに困らないよう、子供部はほとんど変えていません」

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