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"サービスエリアで消えた三人" 第7話

 見たはずだ。

 それを数百に繰り返し、翌から全国放送で何百万にも繰り返した。

 事件からには、に乗ったという証言が現れた。には、泣いている女児を見たという証言が追加された。には、サービスエリア裏審な男を見たという通報まで入った。

 報が増えるほど、捜査範囲は広がった。

 そして「サービスエリアで母子が消えた」という提だけは、疑われなくなった。

 修が作ったのが偽の証言つではなく、偽の現そのものだったのだとすれば、これほど巧妙な方法はなかった。

 佐倉はの自分の調いた。

 最初の目撃者に対する質問が残っている。

〈ベージュの着の女性と、青いの男児、赤いの女児を見ませんでしたか〉

 佐倉自が、修から聞いた装をそのまま使っていた。

 修々の記憶を作ったわけではない。

 警察も、報も、善の目撃者も、結果として同じ物語を補した。

 そので修だけが、最初から正解をっていた。

章 最の聴取

 回目の事聴取で、修は以より落ち着いていた。

「遺体もない。殺した証拠もない。それで、まだ私が犯だと言うんですか」

「今はあなたの説を聞いています」

も捜査して見つけられなかった警察が、今度は私のせいにするんですか」

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 佐倉はその言葉を否定しなかった。

、私たちは違えました」

 修が目をげた。

「あなたが泣いていたからではありません。あなたの言った『サービスエリアで消えた』という提を、い段階で事実として扱った。それは捜査側の誤りです」

「なら、あなたたちの責任でしょう」

「そうです。だから今、やり直しています」

 佐倉は資料を枚ずつ置いた。

 理の倉庫からた鞄。

 恵美の財布。

 輝の靴。

 の粒子。

 旅当朝のの記録。

 債務資料。

 千万円の保険契約。

 事件翌万円。

 裏の補修記録。

 

 どれつだけなら、別の説ができる。

 しかしすべてを同に説しようとすると、「母子はサービスエリアで失踪した」という物語の方に無理がじる。

「あなたはへ寄った。はそこでりた。そのきてサービスエリアへ着いたことを示す証拠はありません。方で、妻の財布と息子の靴をあなたが翌隠した証拠はある」

「篠原が嘘をついている」

「なら、なぜ鞄の所をっていたんです」

 修は答えなかった。

「なぜサービスエリアだったんですか」

 その質問に、初めて修の顔から余裕が消えた。

「……何の話です」

ない所ではなく、なぜあそこを選んだのかと聞いています」

「選んでない。旅の途で寄っただけだ」

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「周囲に何百もいる所なら、あなたが騒げば必ず誰かが『似たを見た』と言う。そう考えたんじゃないですか」

「刑事の像でしょう」

「そうです。だから否定してください。でサービスエリアへ入ったことを、あなたの言葉以で示してください」

 修き、閉じた。

 佐倉は待った。

 完璧な自を期待してはいなかった。守ってきた物語を、この男が数で自分から壊すとはっていない。

 やがて修は、机の族写真を見ながらさく言った。

がなかった」

 佐倉は何も言わなかった。

「会社もも終わるところだった。恵美には何度言っても分かってもらえなかった。を畳めと言われた。全部、私が作ってきたものなのに」

 言葉はそこで途切れた。

「子供たちは」

 佐倉が尋ねると、修は顔を歪めた。

「そこまで言わせるんですか」

、あなたは全国のに探してくれと言いました」

 修は目を閉じた。

「だったら、今度はあなたが話す番です」

 そのの修は、殺害方法も遺棄所も語らなかった。

 ただ、旅の朝にへ寄ったこと、に「でサービスエリアへ向かった」ことを認めた。

 それだけでの事件名は崩れた。

 母子は、サービスエリアで消えたのではなかった。

終章 目撃者のいない

 宮本修はその、妻子に対する殺容疑で逮捕された。

 直接証拠の乏しい古い事件で、捜査も裁判もく続くことになった。

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