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"「母に腎臓をくれ」と泣いた夫――手術直前、私は提供を取り消した" 第21話

「あなたが連れてきたあのスーツ姿の産業者。随分と査定額がかったようですね」

美穂の泣き声がピタリと止まった。

彼女は顔をげ、怯えた物のような目で私を見つめた。

夫は事態がみ込めず、キョロキョロと私と美穂を交互に見ている。

「由美、どういうことだ?査定額って……」

「探偵の鈴さんが、あの産業者についても詳しく調べてくれました」

私は机のに数枚の報告を広げた。

「あの男性は美穂さんの昔からのだそうですね。そして美穂さんには、額のカードローンと借がある」

その言葉が病に響いた瞬、美穂の顔から完全に血の気が引いた。

「相よりずっとい価格で私の実を買い叩き、その差額を2分けする。それが美穂さんとあの業者の本当の目でした」

私は夫の目を見据えて酷な事実を告げた。

「あなたは私を騙してを奪うつもりでいました。でもあなた自もまた、彼女の借返済に利用されていた、ただの都の良いづるだったんですよ」

夫のがだらしなく半きになった。

彼はゆっくりと首をかし、に座り込んでいる美穂を見ろした。

「おい……これ、本当なのか?」

夫の声はの底から響くようにく、りで震えていた。

美穂は目を激しく泳がせ、必に首を横に振った。

「ち、違うの!浩司君信じて!この女が嘘をついてるのよ!」

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しかし美穂の態度は誰が見てもらかだった。

震える体、泳ぐ線、裏返った声。

夫は美穂の肩をく掴み、ギリッと音をてて奥歯を噛みしめた。

「お、俺を利用したのか?俺が母さんのために必になっているに!」

「あなたこそ、どのでそれを言うのですか?」

私は静かに夫の声を遮った。

「お義母さんのために必になっていた?いいえ。あなたは自分の欲のためには私を犠牲にしただけです。私から健康な腎臓を奪い、を奪い、用済みになれば捨てる。その計画のどこに族へのがあるのですか?」

夫は反論できず、く唇を噛みしめた。

私はさらに子でガタガタと震えている義母に向き直った。

「お義母さんも、この計画をっていたのですよね?私を追いし、美穂さんと3しいマンションにむという計画を」

義母は目を逸らすことができない。

「でも、もしその計画通りにんでいたとしても、あなたたちのしいなど建ちませんでしたよ」

私は静かに、しかし酷に事実を突きつけた。

「私の実は父が残してくれた切な所です。その権利も私の実印も、とっくに全な所へ移してあります」

「えっ……」

「あなたたちが私の入院をいくら探しても、絶対に見つからない所に」

夫の肩がビクッときくねた。

彼が夜に引きしを必に漁っていたあのから、私は全ての対策を終えていたのだ。

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「それに、共の貯座も私が管理しています。あなたが美穂さんとの級レストランでの事やホテル代に使っていたおの記録も、全て私の元に残っています」

私は通帳のコピーを机のに滑らせた。

「これを証拠として、慰謝料を請求させていただきます」

夫は顔面蒼になった。

「もちろんあなたの為に対する慰謝料は、美穂さんにも請求します」

その宣告に美穂は「ヒッ」と鳴をげ、再びに崩れ落ちた。

すでに額の借を抱えている彼女にとって、これ以な請求は完全に致命傷だ。

その、ずっと黙っていた妹の恵子が軽蔑の目で夫と義母を見ろした。

「最……お兄ちゃんも、お母さんも」

恵子は自分のバッグを乱暴にに取り、勢いよくがった。

「私は帰る。こんな沼の話しい、もう付きってられない。お母さんの今の世話も、全部お兄ちゃんが1でやってよね!」

「ま、待てよ恵子!俺を見捨てる気か!」

夫が焦って妹の腕を引き止めようとしたが、恵子はたくそのを払いのけた。

「自業自得でしょ!自分の命を助けようとしてくれたお義姉さんにこんなひどいことして、誰が助けてくれるとうの!」

恵子は医師たちに軽くげると、そのままに会議ていった。

ドアがバタンと閉まる音がたく響いた。

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