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"「母に腎臓をくれ」と泣いた夫――手術直前、私は提供を取り消した" 第23話

夫は必に否定した。

「嘘じゃないわよ!い施設を探すパンフレットだって、浩司君が自分で集めてたじゃない!」

夫の必の否定も虚しく、美穂は決定な事実を突きつけた。

「私はその言葉を信じて、庭で仲良しごっこに付きってあげてたのよ」

その瞬、義母の顔から全ての血の気が引いていくのが分かった。

彼女はゆっくりと自分の胸にを当て、浅い呼吸を繰り返した。

自分がし、信じていた自男。

嫁の健康な臓器を犠牲にしてでも、自分の命を救ってくれると信じていた息子。

その息子が、裏では自分を『邪魔なばあさん』と呼び、い施設に捨てる計画をてていた。

その残酷な事実は、私のどんな言葉よりもく義母のを完全に破壊した。

「ああ……あああ……!」

義母は喉の奥から獣のようなうめき声をげた。

そして子から半分を乗りすようにして、夫のスーツの胸ぐらを両く掴んだ。

「この親孝者!私を騙したのね!私を捨てるつもりだったのね!」

「母さん落ち着いて!誤解だから!俺はそんなこと言ってない!」

「嘘つき!あんたは昔から都が悪くなると嘘をつく子だった!」

義母のり切った体からは像もできないほどの力で、夫は激しく揺さぶられた。

「私はあんたのために由美さんをいじめてまで方をしたのに!なのにあんたは私を捨てる気だったのね!」

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義母の目から本物の絶望の涙が溢れした。

それは私に対する謝罪の涙などではない。

自分が信じていたものに裏切られ、見捨てられる恐怖から来る惨めな涙だった。

夫は義母のを振り払うこともできず、ただ「違う違う」と壊れた械のように繰り返すだけだ。

その顔には先ほどまでの威厳も、勝ち誇った余裕も微も残っていなかった。

美穂はそんな2ややかな目で見ろし、よろよろとがった。

「もういいわ。私には関係ない。慰謝料でも何でも請求すればいいじゃない。自己破産するから無駄だけどね」

美穂は自分のバッグを乱暴に掴み取ると、そのまま逃げるように会議した。

バタンとくドアが閉まる音が響いたが、誰も彼女を追う者はいなかった。

彼女もまた、借に追われ破滅していくを歩むだけだ。

には夫と義母の醜い争う声だけが残された。

「母さん頼むから信じてくれ!俺には母さんしかいないんだ!」

「触らないで!この悪魔!あんたなんか産むんじゃなかった!」

私はその景をただ無表で見つめていた。

25、私が自分のを犠牲にしてまで尽くしてきた族の正体がこれだったのだ。

互いの欲のために騙しい、都が悪くなればすぐに責任を押し付けう。

そして自分がいだけの浅ましいたち。

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そんなたちに、私は自分の命の部である腎臓を捧げようとしていたのだ。

今となっては自分の愚かさにしだけ笑いがそうになるほどだった。

「そこまでにしてください」

沈黙を守っていた担当の医師が、氷のようにたい声で2を静止した。

「ここは病院です。ご族の醜いトラブルを解決する所ではありません」

医師の厳しい言葉に、夫と義母はようやくきを止めた。

しかし2の目は、互いをい憎しみで睨みつけたままだ。

倫理委員会のスタッフがに持っていた類を揃え、事務調で告げた。

「本術は正式に止となりました。浩司さん、ほどお母様の今の転院続きについてお話がありますので、1階の相談窓ってください」

「転院ですか?」

夫が呆然とした声で力なく聞き返した。

「はい。当院ではこれ以お母様の治療を続けることは困難と判断しました」

医師が酷な事実を突きつけた。

「ドナーである奥様の財産を狙い、さらにごでこのような倫理問題を起こされた以、当然の処置です。急に別の受け入れ先を探していただきます」

その宣告は彼らにとって、本当の終わりの図だった。

術が受けられないだけでなく、この病院からも追いされる。

腎臓病が悪化している義母にとって、しい受け入れ先の病院をすぐに見つけるのは容易なことではない。

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