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"「住所は教えない」と言った息子へ" 第2話

それだけにとどまらなかった。息子夫婦の計が苦しい期には、毎万円の活費を座へ欠かさず援助し続けた。やがて孫がまれると、その子の将来の選択肢をしでも広げてあげたいで、孫の教育費として毎万円を、実にものきにわたり、たりとも途切れることなく支払い続けたのだ。

「母さんがいてくれて、本当に助かるよ。ありがとう」

かつて息子が、からの謝を込めてにしてくれたその温かな言葉を、私はの何よりの支えとし、誇りにしてきてきた。 孫のためならばと、が激しいであっても、吹きすさぶであっても、週に何度も幼稚園や習い事、学習塾への送迎をに担ってきた。には自分自の体調を崩し、を押してまで無理をしてらせたことすらあった。 嫁の代さんがなくして働き続けられるのは、庭の裏方を支える私のがあったからこそだと、何の疑いもなく信じ込んでいたのである。

しかし、私のの誇りとも言えるそれらの献の積みねは、今や「所も教えない」という息子の酷極まりない態度によって、無残に踏みにじられてしまった。

あれほどまでに自分を削り、支え続けてきたが、まるで最初からこの世にしなかったかのように、軽々と否定されてしまう。

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胸の奥底からく苦いものが込みげ、私は言葉にならない条理と理尽さを覚えずにはいられなかった。

あのたい話があって以来、息子族と私とのには、目に見えて残酷な距が置かれるようになった。

最初のうちは、「しい環境での活に慣れるまで、しのだけ連絡を待ってほしい」という、もっともらしい軽い言葉で誤魔化されていた。しかし、を追うごとに彼らの態度は目に見えてたさを増していき、やがてそれは、の母としての私のそのものを、彼らの世界から徹底に排除しようとする骨な振るいへと変わっていったのである。

あるのことだった。 どうしてもしい孫の声が聞きたくなり、私は胸騒ぎを覚えながらもの番号へと話をかけた。呼びし音が数回鳴った、受話器の向こうから返ってきたのは、かつて私の息子だったとはえないほどえ切ったの声だった。

「母さん、あまり頻繁に話してこないでくれるかな。僕たちには僕たちの活があるんだよ。代のお母さんは本当の母親なんだから、そちらの都を最優先にするのは当然でしょう」

「本当の母親」という言葉の響きが、鼓膜を激しく揺さぶった。 胸が万力で締めつけられるような激痛がった。血のつながった実の母親であるはずの私を、まるで厄介な余所者であるかのように扱うその残酷な物言いに、私がこれまで注ぎ込んできた無償のも、あらゆる努力も、すべて瞬で無され、消しられたようだった。

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私は奥歯を噛みしめ、溢れそうになるを必に抑え込みながら、

「……そう。分かったわ」

と、く答えて受話器を置くことしかできなかった。

それでも、目に入れても痛くないほどがってきた孫の顔を見たいという切実ないは、を追うごとに募るばかりだった。 これまで私は、どんなに仕事や事で忙しいであっても孫のためにを割き、惜しみないを注ぎ続けてきたのだ。暗い夕暮れ、黄い傘を差して幼稚園ので健気に待っていたあの。ピアノの発表会ではの席に座り、さな指が鍵盤を叩く姿を誇らしげに見つめながら、割れんばかりの拍を送ったあの。それらのかけがえのないは、すべて私と孫とのに確かにしていたはずだった。

だからこそ、孫のあの無邪気な笑顔にもう度だけ会いたいというで、私はを決して息子にもう度だけ面会を頼み込んだ。 しかし、返ってきた答えは、私の像をはるかに超えて残酷なものだった。

度、分だけなら会わせてあげてもいいよ。それ以居されるのは迷惑だから」

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