"離婚後に生まれた息子" 第4話
3とも笑っている。
投稿は。
婚成から3週。
由美はしばらく画面を見た。
驚かなかった。
むしろ。
やっぱり。
とった。
あの婚は。
由美が子供を産めなかったから突然壊れたのではない。
健たちは。
すでに次の庭を作り始めていた。
その事実をったことで。
妊娠をらせなかった罪悪が。
しだけくなった。
妊娠36週。
由美は産用バッグを作った。
母がさな肌着を畳む。
父がベビーベッドを組みてる。
「説ある?」
「いらん」
「絶対読んで」
「具くらい作れる」
「会社、でしょう」
「だから言ってる」
久しぶりに笑った。
10。
子供ができないで。
由美はいつも「りない」だった。
実へ戻ると。
妊婦だから偉いわけでも。
子供を産むから特別なわけでもない。
ただ。
由美として扱われた。
それが番した。
婚から約9か。
誠がまれた。
妊娠。
由美は実へ戻った。
父と母にはすべて話した。
父は驚いたが、健へ連絡しようとは言わなかった。
「由美が決めればいい」
母も同じだった。
「今は体のことだけ考えなさい」
それがありがたかった。
妊娠は順調だった。
38歳の初産。
健診は慎に受けた。
きな問題なく予定くまで来た。
婚から約9か。
誠がまれた。
3062グラム。
泣き声のきな男の子だった。
名は、母が提案した。
「誠実なになってほしいなら、誠はどう?」
広告
由美は気に入った。
田の「跡取り」としてではない。
由美の息子として。
1のとして。
きてほしかった。
それから約1か。
婚から10かの午。
玄関のチャイムが鳴った。
母は買い物へていた。
父は仕事。
由美は誠を抱いたまま玄関モニターを見た。
息が止まった。
健。
その隣に。
若い女性。
見覚えがあった。
美。
健の会社の輩。
婚、会社のイベント写真で何度か見たことがある。
28歳。
由美より10歳若い。
玄関をけるか迷った。
もう1度チャイムが鳴る。
結局、由美は扉をしだけけた。
「何?」
健は以よりるい顔をしていた。
「久しぶり」
美は丁寧にをげる。
「こんにちは」
由美は誠を抱き直した。
その。
健の線が。
赤ん坊へ落ちた。
止まった。
「……え?」
由美は何も言わない。
健の顔から笑みが消えた。
誠は眠っていた。
さな。
閉じた目。
。
健は何かを探すように、子供の顔を見た。
「由美」
「何」
「その子……」
「私の子供ですけど。何か?」
美の表も変わった。
健は言葉を失った。
数秒。
最初に聞いた。
「いつまれた?」
「1か」
「誰の子だ?」
由美は眉を寄せた。
「今ここで聞くこと?」
「由美」
健の声が震える。
「まさか……俺の?」
由美はすぐには答えなかった。
否定するもなかった。
「そうです」
美が健を見る。
「健さん?」
健は彼女を見なかった。
由美だけを見る。
「何で」
声がきくなった。
広告
「何で俺に言わなかった!」
誠がしいた。
由美はすぐ背を撫でた。
「きい声さないで」
「でも、俺の子なんだろ!」
由美は静に聞いた。
「婚する、度でも私の体調を気にしましたか?」
健が黙る。
「最の治療がどうなったか、聞きました?」
「それは」
「病院の予定、覚えてました?」
「……」
「妊娠が分かったのは、婚してからです」
美がさく言った。
「健さん、聞いてない」
健は苛った。
「俺だって今初めてったんだよ」
「じゃあ、何でこんな」
由美が聞く。
「今は何しに来たんですか」
健はそこでようやく、に持っていた封筒を見た。
「ああ」
瞬。
どうでもよくなったような顔をした。
それでも差しした。
「俺たち、来結婚式するんだ」
由美は封筒を見た。
。
の文字。
結婚式の招待状。
「わざわざ?」
「応、けじめとして」
美がし気まずそうに笑った。
「由美さんにも、ちゃんとおらせしたほうがいいって」
由美は招待状を受け取らなかった。
「ません」
「まあ、そうだよな」
健はもう招待状ではなく誠を見ていた。
「名は?」
由美は答えなかった。
「由美」
「今は帰ってください」
「待てよ。俺にも」
「帰って」
声をめると、誠がまたいた。
由美は扉を閉めた。
閉まる直。
美が健へ言う声が聞こえた。
「どういうことなの?」
由美は玄関にったまま、く息を吐いた。
翌。
午10。
またチャイム。
画面を見た瞬、由美は嫌な予がした。
枝。
健はいない。
由美はけなかった。
インターホン越しに聞く。
「何ですか」
『その赤ちゃんを見せなさい』
広告
おすすめ作品
-
完結第13話
閉じ込められた臨月の妻
妊娠38週、予定日まであと12日の加奈。夫が海外出張へ出た2日後、突然訪ねてきた義両親は「様子を見に来た」と言いながら、家事や学歴を責め続けた。そして義母に促され、家庭用サウナの中を確認しようと入った瞬間、背後で扉が閉まる。外側には南京錠。スマートフォンまで奪われた。「私たちから息子を奪った罰よ」。そう言い残し、義両親は5泊7日の温泉旅行へ出発した。水もなく、いつ陣痛が始まってもおかしくない密室。しかし加奈には、義両親が知らないことがあった。このサウナは、かつて一級建築士だった加奈自身が安全設計に関わった機種だった――。嫁姑|親子関係|修羅場2.0萬字5 96 -
完結第10話
ブラックカードを止めた10分後
結婚5年目、38歳の小百合は夫・拓也から離婚を突きつけられた。拓也が選んだのは、35歳の女医・玲子。「5年間も専業主婦で楽できたんだから十分だ」「これからは自分で稼げ」と笑う夫と義家族は、小百合を“1円も稼げない女”だと思い込んでいた。離婚届に判を押したその日、拓也は玲子を連れて両親との祝いの席へ向かう。小百合は何も言い返さず、玄関が閉まってから10分後、カード会社へ1本の電話をかけた。「家族カード3枚、すべて利用停止にしてください」。その夜、高級レストランで45万8000円の会計を前に、拓也一家が初めて知ることになる。自分たちが当然のように使っていた“豊かな生活”は、いったい誰のお金で成り立っていたのか――。人生逆転|夫婦|不倫1.5萬字5 162 -
完結第12話
面接官の誤算
夢だった大手企業の最終面接。 24歳の小館達郎は、人事の仕事に憧れ、努力を重ねてようやく最終面接までたどり着いた。だが、中央に座っていた人事部長は、彼の学歴や家庭環境を見下し、面接の途中で冷たく言い放つ。 「低学歴の貧乏人は、面接する必要なし。不採用で決まりだな」 母子家庭で育ち、必死に支えてくれた母への思いまで踏みにじられた達郎。悔しさをこらえながらも、彼はその場で言い返さず、静かに会社を後にした。 しかし1か月後、達郎は再び同じ会社へ呼び出される。 案内されたのは、あの日と同じビルの役員会議室。そこには人事部長の佐野、社長、そして達郎のよく知る一人の男が座っていた。 達郎の姿を見た瞬間、佐野の顔色が変わる。 あの日の「不採用」は、ただの終わりではなかった。 一人の応募者を見下した面接官が、会社全体に隠されていた問題を暴き出すきっかけになる――。真実|修羅場1.8萬字5 251 -
完結第10話
清掃員が書いた設計図
倒産寸前の小さな町工場に、1人の若い清掃員がいた。 佐藤ゆい、21歳。学歴は中卒。従業員たちからは名前で呼ばれることもなく、ただ雑用係として扱われていた。 そんなある日、大企業から依頼された精密部品がすべて不良品となり、工場は2000万円の違約金を突きつけられる。誰もが技術不足だと責められ、工場長の竹夫も廃業を覚悟しかけていた。 その時、ずっと黙っていたゆいが静かに口を開く。 「設計が間違っています」 中卒の清掃員が、大企業の研究所の図面に誤りがあると言い出した――。 誰も信じなかったその言葉が、やがて町工場の運命を大きく変えていく。履歴書には書けなかった彼女の本当の力とは。人生逆転|真相1.4萬字5 130 -
完結第13話
孫の一言で知った息子の計画
元看護師のかず子は、孫の何気ない一言から、自分のお茶に睡眠薬が混ぜられていると気づく。犯人は、実の息子と嫁だった。 二人の目的は、彼女を認知症に仕立てて施設へ送り、家も預金も奪うこと。証拠を掴んだかず子は財産を守り、静かに家を脱出する。68歳から始まった逆転人生の行方は――。祖父母と孫|修羅場2.0萬字5 13 -
完結第12話
「住所は教えない」と言った息子へ
42年間、息子家族を支え続けた美津子。だが息子は義母を「本当の母」と呼び、彼女を金づる扱いした挙句、新居の住所すら隠した。 すべてを知った美津子は援助を打ち切り、2億8千万円の資産でタワマン最上階へ。「でも、住所は教えないわ」――返された一言を境に、彼女の本当の人生が始まる。介護|修羅場1.8萬字5 20 -
完結第13話
不在着信93件の朝
息子夫婦の豪邸ローンを、5年間毎月24万円も肩代わりしてきたみつ子と正人。だが返ってきたのは感謝ではなく、「黙って金だけ払え」という侮辱だった。 ついに二人は支援を完全停止。翌朝、スマホには93件もの着信が――。親をATM扱いした息子夫婦に、想像もしなかった代償が襲いかかる。夫婦|親子関係2.0萬字5 47 -
完結第17話
「その子はゴミだ」と捨てた夫の本当の末路
妊娠8ヶ月のかおりは、夫・健太と愛人レナに「金づる」「腹の子はゴミ」と罵られ、階段から突き落とされる。 二人は彼女が死んだと思い、事故を装って財産まで奪うつもりだった。 しかし、健太は知らなかった。 自分が「油臭い町工場」と見下していた五条精密が、世界的特許を握る超優良企業であり、専門卒と嘲笑っていた妻こそ、その技術を生み出した天才技師だったことを。 さらに健太の会社は、その技術なしでは巨大プロジェクトを完成できない。 病室で目を覚ましたかおりの前に、銀行頭取と夫の会社の会長が現れる。 「準備は整いました」 妻と我が子を捨てた男の“エリート人生”が、そこから音を立てて崩れ始める――。夫婦2.5萬字5 137 -
完結第8話
サービスエリアで消えた三人
大型サービスエリアで、36歳の母親と9歳の息子、6歳の娘が突然姿を消した。残された夫・修一はテレビに出演し続け、「妻と子供たちを見かけた人は連絡してください」と14年間訴え続けた。世間は彼を、家族の帰りを信じて待つ父親として記憶していた。ところが事件から14年後、100キロ近く離れた古い貸倉庫の床下から黒い旅行鞄が発見される。中に入っていたのは、失踪した妻の財布と、息子が旅行当日に履いていた片方のスニーカー。そして、その倉庫の過去を調べると、夫がかつて関係を持っていた女性の名前が浮かび上がる。14年間誰も疑わなかった「3人はサービスエリアで消えた」という前提が、そこから静かに崩れ始める。ミステリー|真相|遺體発見|行方不明1.1萬字5 115 -
完結第13話
変な家
住宅情報サイトの編集者・森川直人のもとに、ある中古住宅の間取り図が届いた。埼玉県にある築28年の4LDK。一見ごく普通の家だが、洗面室と書斎の間には、どこからも入れない幅1メートルほどの「空白」がある。さらに、家族の生活動線から切り離された第二玄関、外からしか入れない物置、道路から見えない窓。現地を訪れた森川は、誰かを閉じ込めるための家ではないかと疑う。だが調査を進めると、別々の県に建つ2軒の家にも、まったく同じ奇妙な構造が見つかった。なぜ3人の男は、同じ「空白」を家の中に作ったのか。そして物置の奥から現れた金属扉の先には、28年間隠されてきたものが残されていた。ミステリー|真相|遺體発見|行方不明1.9萬字5 168