みかん小説
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"48歳の誕生日、母親をやめました" 第1話

朝4

はまだ真っ暗で、たいが窓を叩く音が聞こえる。

久美子は誰よりもく、静かに布団から抜けした。

隣のベッドでは、夫の彦がい鼾をかいている。

久美子は彦を起こさないように、そっと寝のドアをけた。

これが15続く、毎の始まりだった。

洗面所に向かい、たいで顔を洗う。

鏡に映る自分の顔は、ひどく疲れて見えた。

久美子はため息をつく暇もなく、すぐに台所へ向かう。

まずはたいで、お米を研ぐことから始まる。

5分の弁当と、族全員の朝

きな炊飯器があっというに満杯になった。

久美子は蔵庫をけ、今の弁当の材料を取りす。

族5は、それぞれ好みが全く違っていた。

彦の卵焼きは、砂糖をめにして甘く焼きげる。

の息子である健太は、肉がないとすぐにる。

娘の美結は、野菜のおかずにしないと必ず残す。

義父の忍は歯がいので、全てを柔らかく煮る必があった。

久美子の際の良い作業で、5つの弁当箱が台所に綺麗に並べられていく。

自分の弁当は、いつも残ったおかずの切れ端だけを詰める。

それでも、久美子は5つの弁当を見るたびにしだけした。

朝6

族が次々とあくびをしながら、1階へとりてくる。

彦が洗面所から、きな声で文句を言った。

「おい、ワイシャツのアイロンかかってないぞ」

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久美子は卵焼き用のフライパンを持ったまま言い返した。

「昨の夜しておいてって言ったでしょう」

彦はネクタイを締めながら、全く聞いていない様子で叫んだ。

くしてくれよ。会社に遅れるだろう」

久美子はを止め、急いでアイロンをかけにった。

その横を、健太が嫌そうに通り過ぎていく。

健太はテーブルを指差した。

「飯だ。今は朝練あるんだけど」

久美子はアイロンをかしながら答えた。

「今よそるから座って待ってて」

美結が鏡ので、ずっと髪の毛をいじっている。

美結はイライラした声で尋ねた。

「お母さん、私のヘアピンどこにやったの?」

久美子はアイロン台から顔をげた。

「洗面所の2段目の引きしにあるわよ」

忍がゆっくりと杖をつきながら起きてきた。

忍は子に座り、満げに言った。

「お茶はまだか?これでは薬がめないだろう」

久美子は休むことなく、り回る。

誰も久美子に、おはようと言わない。

ありがとうの言葉も、もちろん1つもない。

これがこのの、当たりの朝だった。

久美子の毎の労働は、まるで空気のように扱われていた。

族を送りしたも、久美子の仕事は全く終わらない。

のような洗濯物を洗い、たいが吹くベランダで干す。

散らかった部に掃除をかけ、量のゴミをまとめる。

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忍の病院の予約を取り、薬の残りを確認する。

そして急いで自転に乗り、パート先のスーパーへ向かう。

スーパーのレジ打ちはずっとちっぱなしで、が激しく痛む。

それでも計のために、1も休むことはできない。

も、台が来たも、ずっと同じように働き続けた。

は久美子にとって、しだけ特別なだった。

48歳の誕である。

パートの帰り、久美子はスーパーの精肉コーナーに寄った。

いつもは絶対に買わない、しだけめの牛肉をカゴに入れた。

ケーキはあえて買わなかった。

もしかしたら、誰かが買ってきてくれるかもしれない。

彦が仕事帰りに、さなケーキを買ってくるかもしれない。

子供たちが、何か用してくれているかもしれない。

そんなほんのしの期待があったからだ。

結婚して20、毎何もなかったが、今こそはとっていた。

夕方になり、久美子は台所で夕の準備をする。

しだけ豪華なすき焼きの匂いが、部いっぱいに広がる。

族が次々と帰宅してくる。

ただいまの声は、誰のからもない。

彦はドカッとソファに座り、無言でテレビをつける。

健太は何も言わず、自分の部に直する。

美結はスマホを見ながら、ずっと1で笑っている。

誰も久美子の顔を見ようとはしない。

それでも夕の準備ができると、全員がテーブルに集まってきた。

いただきますもなく、全員が鍋の肉へ箸を伸ばす。

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