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"48歳の誕生日、母親をやめました" 第14話

友達ので自できる、美しいおかずばかりだったのだ。

それがどれほど恵まれたことだったか。

失って初めて、その本当の価値に気づいた。

夕方彦は逃げるように会社を退社し、急いでに戻った。

「このままじゃ本当に族がんでしまう」

彦はスマートフォンを取りし、事代サービスに話をかけた。

「はい、事代サービスです」

彦は切羽詰まった声で言った。

「あの、今すぐ、からでも来て欲しいんです」

担当者は静に答えた。

「申し訳ありません。事の面談と契約が必になります。それに最でもスタッフの配には1週かかります」

彦は焦って叫んだ。

「そんな、今すぐじゃないと困るんです」

担当者は続けた。

「それと初回は、クレジットカードでの決済をお願いしております」

彦は完全に絶望した。

族カードの支払いで、彦のカードはとっくに限度額を超えている。

彦はすがるように尋ねた。

「現ではダメですか」

担当者はたく答えた。

「申し訳ありません。システムお受けできません」

話はあっさりと切られた。

さえあればなんとかなるとがっていた。

しかし現実の社会は、そんなに甘くなかった。

があってもはすぐに借りられないのだ。

久美子は365、休みなしで働き続けていた。

いくらおを払っても、久美子の代わりになるなどいなかった。

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彦はを抱え、に転がった。

その彦のスマートフォンが鳴った。

病院からの話だった。

彦さんですか。お義父様の件でお話があります」

彦は急いで答えた。

「はい。親父の容態が急変したんですか」

担当者の声はとても事務だった。

「いえ、そうではありません。入院の続きについてです」

担当者は続けた。

期の入院になりますので、保証として10万円をお支払いください」

彦は驚いた。

「10万円ですか」

担当者は淡々と説した。

「はい。それとお義父様のお部代や、活用品の費用も必になります」

彦が正直に言うと、担当者はため息をついた。

「待ってください。今は元におがなくて」

担当者はたく言い放った。

「困りますね。それでは入院を続けることはできませんよ」

彦は慌てて話を切った。

「なんとかします。しだけ待ってください」

どこからもおを借りる当てはない。

あいつを探すしかない。

彦はふらつくがり、久美子の部へ向かった。

どこかにき先のヒントがあるかもしれない。

引きしを1つずつけていく。

しかしには古い着や、擦り切れた靴しかない。

久美子自のものは本当に何もなかった。

1番奥の引きしをけただった。

さな古い缶の箱がてきた。

彦はそれをに取り、そっと蓋をけた。

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に入っていたものを見て、彦は息を呑んだ。

それは健太と美結が幼稚園の頃にいた、母のだった。

クレヨンでかれた器用な母親の顔。

「お母さんいつもありがとう」というたどたどしい文字。

そのには15族写真が切に保管されていた。

若き彦とさな子供たち。

そして優しく微笑む久美子。

宝物のように、このさな缶の箱を切にしていたのだ。

しいでもブランドのバッグでもない。

族とのだけを、彼女は切に持っていた。

それなのに私たち族は、その気持ちをゴミのように踏みにじったのだ。

彦の目から再び涙が溢れした。

ろから声がした。

「お父さん、それ何」

振り返ると、真っ黒になった鍋を持って泣いている健太がいた。

空腹でフラフラの美結も、そのろにっている。

彦はその缶の箱を、2に差しした。

健太と美結は自分たちが昔いたを見て、そのに崩れ落ちた。

美結がを抱きしめて泣き叫ぶ。

「お母さん、ごめんなさい」

健太もく叩いて号泣した。

「俺たちなんてことしたんだよ」

もうどんな言い訳もできなかった。

で解決できる問題ではない。

これはを踏みにじった罪の報いなのだ。

彦はゆっくりとがった。

「探すぞ。絶対に母さんを見つけるんだ」

彦の目には、もうがりはなかった。

あるのは1として、妻にから謝罪したいといういだった。

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