"「冷たい嫁」と書かれた分担表" 第2話
というのが彼の理屈だった。佐子が、認能ので置き所を忘れている能性をにすると、「母さんを病扱いして逃げるな」とった。
方で美穂は急に志津のへ通い始めた。齢者向け宅の資料を持参し、事つきのまいならだと勧めた。志津は当初嫌がったが、「今のを売れば、広い部を選べますよ」と言われると、資料を捨てずに卓の端へ置いた。
佐子は域包括支援センターの職員・倉田奈央と面談した。奈央は、族の銭トラブルを避けるため、買い物のレシートと替をノートに残し、現の管理には佐子で触れないよう助言した。本の同が得られれば、医療関で認能の検査も受けた方がよいという。
「お義母さんが私を棒だとっている状態で、私だけが財布を管理するのは危険ですよね」
「はい。善でも、から証できないことがあります。ご族全員に同じ説をしましょう」
奈央を交えた話しいで、正志は渋々、曜の訪問を引き受けた。ところが最初の曜、急な会議を理由に佐子へ話をかけてきた。佐子は断り、正志は夜8過ぎに惣菜を持って志津のへった。
帰宅した夫は嫌だった。志津が同じ質問を何度も繰り返し、薬をんだか分からず、蔵庫には賞期限の切れた品が残っていたという。
広告
佐子がこれまで何度も説したことだったが、正志は初めて聞いたような顔をした。
「毎週これをやっていたのか」と尋ねた夫に、佐子は「毎週ではなく、週3回」と答えた。正志は目をそらし、それ以何も言わなかった。
翌朝、志津からまた話が入った。今度は財布から8000円が消えていた。に訪ねたのは正志だけだったが、志津は迷わず佐子を疑った。
「昼、勝に入ったでしょう。鍵を持っているもの」
佐子は話を切ったあと、使ってきた鍵を封筒へ入れた。次の訪問に、奈央ので志津へ返すつもりだった。
その晩、佐子は親戚の従姉から話を受けた。「志津叔母さんが、通帳まで取りげられたと言っているけれど」と慮がちに尋ねられた。佐子が事を説すると従姉は信じてくれたが、志津の話がどこまで広がっているかは分からなかった。
正志は「寄りの話を本気にするはいない」と軽く言った。しかし、その寄りの言葉を最も都よく信じ、妻を責めたのは正志自だった。佐子は鍵の封筒に付をき、写真を撮った。自分の潔を証するために常のつつを記録しなければならないことが、何よりけなかった。
鍵を返すと、志津は「困ったに来ないつもりか」とった。佐子が訪問をやめるとは言も言っていないのに、鍵を持たないことを見捨てられた証拠のように受け取った。
広告
奈央は鍵をキーボックスで管理し、訪問者ごとに記録を残す方法を提案した。
介護認定の調査、志津は調査員の質問へ驚くほどはっきり答えた。今の付、所、族の名も正しく、料理も掃除も自分でできると話した。しかし調査員が帰った直、昼をべていないと言いした。卓には空になった弁当容器があり、元には苔がついていた。
志津は支援2と認定された。週2回の訪問介護と通所サービスを組みわせる案がたが、本は「をへ入れたくない」と拒んだ。美穂は、それなら齢者向け宅へ移った方がよいと話を戻し、すでに産会社へ自宅の査定を頼んだとかした。
「誰の許で?」と佐子が尋ねると、美穂は笑顔を崩さなかった。「売ると決めたわけではありません。相をっておくのも準備です」
志津のは駅から徒歩12分の古い宅にあり、だけで2000万円を超える能性があった。浩は母親のためだと説したが、施設の資料には入居のい賃貸型もある。なぜ売却を急ぐのか、佐子には分からなかった。
そのの帰り際、佐子は卓のに落ちた学ノートを拾った。表には志津の字で《佐子さんがしたこと》とかれていた。くつもりはなかったが、志津が「読めば分かる」
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
家ごと消した母の反撃
七十一歳の美穂は、夫が入院している間、同居する長男夫婦から召使いのように扱われていた。生活費は一円も入れず、母の形見まで勝手に処分する二人。ある日、微熱で三分だけ横になった美穂に、長男嫁はワインを浴びせ、「帰るまでに掃除しておけ」と言い放つ。長男も笑うばかりだった。だが、黙って「はい」と答えた美穂には、二人の知らない計画があった。三日後、帰省先から戻った長男夫婦は、信じられない光景を目にする。嫁姑|親不孝|親子関係|金銭問題2.0万字5 978 -
完結第10話
すり替えた味噌汁
検事任官の最終面接を迎えた朝、神田玲奈は義母が自分の味噌汁に何かを混ぜる姿を目撃する。夫にも相談できないまま、玲奈は不審な味噌汁を密かに保管し、何食わぬ顔で食卓に戻った。同じ日、義妹の彩佳も三度目の教員採用試験に挑もうとしていた。玲奈が彩佳と味噌汁の椀を交換した瞬間、義母は血相を変えて叫び出す。嫁姑|第二の人生|金銭問題1.4万字5 59 -
完結第10話
七〇二号室の秘密
入籍12日目、初めて義実家を訪れた遥香は、豪華なすき焼きの陰で、義姉・真帆が水をかけた冷や飯だけを食べさせられている姿を目撃する。 真帆から託された住所を訪ねると、そこには夫・直樹がいた。彼は義姉の避難部屋を用意しながら、兄と母を恐れて救出を先延ばしにしていたのだ。兄弟姉妹|嫁姑|夫婦|真実|裡の顔|修羅場2.0万字5 364 -
完結第13話
三年前に署名させた離婚届
「息子は金髪美女と再婚するのよ」――玄関先で勝ち誇る義母が突きつけてきたのは、一方的な離婚届だった。大手商社勤務の夫に裏切られ、三ヶ月の海外出張中にも不貞の影に苦しめられていた妻のナナ。だが、見下され続けた妻は取り乱すどころか、冷ややかに微笑んだ。義母も夫も知らなかったのだ。三年前に署名させた一枚の用紙と、水面下で集められた決定的な証拠の存在を。鳴り止まない何十件もの着信を前に、彼女は静かに告げる。「離婚届なら、とっくに提出済みですよ」嫁姑|夫婦2.0万字5 198 -
完結第10話
残高ゼロの通帳
経理主任として働く三十九歳のゆきは、同居する義母から突然、給与明細を突きつけられる。「月四十万円も稼いでいるなら、通帳は私が管理するわ」。勝手に給料の使い道を決められ、夫に助けを求めても返ってきたのは「母さんに任せれば楽だろ」という言葉だった。ついに「嫌なら出ていけ」と言い放たれたゆきは、抵抗するどころか、笑顔で通帳を差し出す。しかし、その夜、彼女は誰にも知られず一つの手続きを済ませていた。嫁姑|夫婦|第二の人生|金銭問題1.5万字5 1201 -
完結第20話
正月に八人で来る嫁へ、家は売りました
68歳の頼子は、毎年正月になると、息子の嫁から大人数の宿泊や豪華な料理、お年玉まで当然のように押しつけられていた。 さらに嫁は、留守中に合鍵で侵入して宴会を開き、頼子の家を将来の相続財産として勝手に査定していた。息子も「家族だから」と妻をかばうだけだった。嫁姑|親不孝|第二の人生|ATM扱い|親子関係|金銭問題2.6万字5 6624 -
完結第20話
昼寝ばかりの嫁が、潰れかけの餅屋を救うまで
借金四千三百万円を抱え、閉店寸前の老舗餅店。家族が寝る間も惜しんで働く中、嫁の美穂だけは店の隅で昼寝を続けていた。 ところが大口注文で二百万円を売り上げても、残ったのは六十万円の赤字。美穂は帳簿を分析し、赤字商品や無料配達、掛け売りを次々と整理していく。因果応報|人生逆転|嫁姑|親子関係|修羅場2.6万字5 367 -
完結第20話
愛人と帰国した夫、30分の猶予
「この後彼女が来るから早く出て行けよ」 南の島から愛人と帰国した夫と義母は、日焼けした顔で私に吐き捨てた。十六年間、生活費を一銭も入れず寄生してきた挙句、亡き両親が遺した百坪の豪邸を乗っ取り、私を追い出す算段だ。届いた内容証明郵便を「慰謝料の小切手」と勘違いし、ハイタッチで完全勝利を確信する二人。 だが、愚かな親子はまだ知らない。十六歳の息子が密かに仕掛けたボイスレコーダーと、十五年前のベビーモニターが捉えた戦慄の記録を。そして、迎えに来た黒塗りの高級車の正体を。 「あと三十分後に消えます、ご安心を」 私が冷たく微笑んだその時、玄関のインターホンが鳴り響いた――。嫁姑|夫婦3.0万字5 418 -
完結第20話
月30万円の親孝行は、誰の財布から?
夫から突然告げられた、義母への「毎月三十万円」の仕送り。妻・美奈子は反対せず、静かに「いいよ」と答えた。 三日後、銀行で残高四万円を知らされた夫は激怒する。だが美奈子は、二十二年間で家計へ補填した一千二百万円超の記録を並べ、「その三十万円、誰の収入から出すつもりだったの?」と問い返す。嫁姑|夫婦|介護|金銭問題2.8万字5 1296