"消えた指輪と義父の手帳" 第4話
「耶さんのことも」
『姉ちゃん?』
最初にた言葉が。
それだった。
誰から聞いた。
なぜ話した。
夫が気にしたのは。
そこだった。
「本当なんだ」
『昔の話だよ』
「私は昨、同じことされた」
『だから美咲が盗ったとは言ってないだろ』
「止めてもない」
亮介は。
苛った。
『どうすればよかったんだよ。母さんも指輪なくして混乱してたし』
「私のバッグ見せろって言われた、何て言った?」
話の向こう。
返事がない。
「見せたら終わるって言ったよね」
『あれは』
「7も同じこと言ったんだってね」
亮介が黙った。
美咲は。
初めて。
夫が姑と自分のに挟まれているではないとった。
挟まれているのではない。
何も決めないことで。
毎回。
母親側へっている。
「美咲、戻ってきて話そう」
「今は戻らない」
『何で』
「指輪が見つかるまで」
亮介が。
しを置いて言った。
『じゃあ見つからなかったら?』
「その考える」
話を切った。
本当は。
指輪が見つかっても。
もう同じへ戻れるか。
分からなくなっていた。
翌。
美咲は仕事帰りに藤原へ寄った。
富美子も亮介もいないを選んだ。
目は。
自分の荷物をもうし取りにくこと。
そして。
防犯カメラの映像を確認することだった。
映像はクラウドへ保されており。
庭用モニターから過1ヶ程度を見られる。
富美子は、
《1114分に美咲が仏へ入った》
広告
と言った。
確かに。
映像はそうなっている。
美咲は。
を巻き戻した。
午1058分。
富美子が廊を歩く。
1103分。
亮介がトイレへく。
1114分。
美咲。
違があった。
最初は。
何か分からなかった。
もう度見る。
美咲自が。
仏へ入る。
その。
廊奥の窓の。
がまだっていない。
美咲が窓を閉めたのは。
がり始めたからだった。
スマートフォンを確認した。
その夜。
友とのメッセージ。
《ってきた》
送信刻。
午1147分。
その直。
美咲は洗濯物を取り込み。
仏の窓を閉めた。
つまり。
美咲が仏へ入ったのは。
1114分ではない。
なくとも。
1147分以。
カメラの刻が。
30分以ずれている。
械の設定ミス。
それだけかもしれない。
でも。
富美子は。
なぜ。
1114分という刻を。
あれほど調したのか。
映像をさらに戻す。
午9台。
10台。
その。
美咲のが止まった。
午1042分。
亮介が。
仏へ入っている。
約1分。
てくる。
には。
何も見えない。
ただ。
自分の部へ戻る。
ズボンのポケットを。
度触った。
美咲の胸が。
く鳴った。
亮介も入っていた。
しかも。
美咲より。
それなのに。
富美子は。
《あなたしか入っていない》
と言った。
映像を。
見ていないはずがない。
富美子が。
美咲の面だけを見せたのだ。
その。
玄関がく音がした。
美咲は。
慌ててモニターを閉じた。
入ってきたのは。
富美子だった。
広告
「何してるの?」
美咲は。
逃げなかった。
「荷物取りに来ました」
富美子の目が。
モニターへ落ちる。
「それ、見たの?」
美咲は。
その反応で。
確信した。
「亮介も仏に入ってますね」
富美子の顔が。
ほんのし固まった。
「トイレっただけでしょう」
「仏に」
「お線じゃないの?」
「どうして昨、私しか入ってないって言ったんですか?」
富美子は。
すぐには答えなかった。
「あなたを疑ったからよ」
「答えになってません」
「嫁が姑にそんな利くの?」
「棒扱いされたので」
富美子の顔が。
赤くなる。
「亮介は私の指輪なんて盗らないわ」
「どうして言い切れるんですか?」
「息子だからよ!」
その言葉は。
あまりにく。
あまりにかった。
美咲は。
逆に静になった。
「私も亮介さんの妻です」
「妻なんて婚すればでしょう」
富美子は。
にしてから。
しだけ。
しまったという顔をした。
美咲は。
聞き逃さなかった。
「そうってるんですね」
「何が?」
「嫁は、いつでも交換できるなんだ」
「そんなこと言ってない」
「今言いました」
富美子は黙った。
美咲はバッグを持った。
帰ろうとした。
背から。
富美子が言った。
「庭を壊さない方がいいわよ」
美咲は振り返る。
「何の話ですか?」
富美子は。
もうっていなかった。
むしろ。
妙に落ち着いていた。
「指輪つで、婚まで考えるなんて馬鹿らしいでしょう」
「見つかったんですか?」
「そうじゃない」
「じゃあ何で急に?」
富美子は答えなかった。
それが。
何より気だった。
をる。
美咲は自分の部に残していた物のを段ボールへ詰めた。
広告
おすすめ作品
-
完結第10話
米寿の席で外された嫁
米寿祝いの席で、義母は親族の前で突然言った。 「秋子さんには、明日から店へ来てもらわなくて結構です」 33年間、朝早くから和菓子店《松月堂》を支えてきた秋子。餡を練り、注文を管理し、繁忙期には夜まで働いてきた日々は、義母の一言で“家族の手伝い”として片づけられた。 しかも店から外された秋子に、今度は義母の通院や世話を任せるつもりだった。 何も言わず席を立ったその夜、秋子は古い段ボール箱の中から、亡き義父が残した一通の封筒を見つける。 そこに入っていたのは、秋子を守るための遺言ではなかった。 店の帳簿に隠されていた不自然な金の流れ、説明されていない借金、そして義父が最後まで言えなかった家族の秘密。 「家族だから」という言葉の下で、誰が何を背負わされていたのか。 33年間奪われてきた時間と仕事の価値を、秋子が静かに取り戻していく物語。人生逆転|嫁姑|親子関係1.5万字5 10 -
完結第11話
貧乏人と呼ばれた食卓
長男夫婦が3連休に帰省し、久しぶりに家族で食卓を囲むはずだった。 母の真紀子は、息子夫婦のために煮物や豚汁を用意し、昔と変わらない温かい夕飯を作ろうとしていた。ところが、台所で2人きりになった瞬間、長男嫁の美沙は笑いながら言い放つ。 「あんたの手作りとか無理だから、高級寿司出せよ、貧乏人」 その一言で、これまで見過ごしてきた違和感が一気に表へ出る。人を持ち物や育ちで見下す美沙の本性。そして、真紀子の過去まで侮辱された時、普段は温厚な夫・隆志が静かに立ち上がった。 「今日限りで絶縁だ」 さらに隆志が呼び出した“ある男”の登場によって、美沙の家庭に隠されていた価値観と金の問題まで明らかになっていく。 古い皿、手作りの料理、そして家族として本当に大切なものとは何か。 一度壊れた食卓から、それぞれの人生が大きく動き出す――。絶縁|親子関係1.7万字5 1272 -
完結第13話
古い工場を渡された嫁
食品会社を一代で守ってきた山代会長は、ある夜、庭で長男夫婦の会話を偶然聞いてしまう。 「お母様、これから先どれだけ生きられるかしら」 信じていた嫁が、自分の命も会社も、すでに財産として数えている――。その一言をきっかけに、会長はある決断をする。 自分は重い病にかかり、会社も危機にある。そう家族に告げ、2人の嫁に後継者を決めるための試練を与えたのだ。 華やかな長男の嫁・彩佳には会社を。 不器用で人の良すぎる次男の嫁・ユナには、地方にある廃業寸前の古い工場を。 誰もが、勝者と敗者は決まったと思っていた。 しかし3か月後、会社を手に入れた嫁と、古い工場へ送られた嫁の運命は、誰も予想しなかった形で逆転していく――。兄弟姉妹|嫁姑|相続|親子関係2.0万字5 442 -
完結第11話
祖父を迎えた家に福が来た
祖父が最近、どこかおかしい。 そう感じた恵子は、夫の匠とともに実家を訪ねるたび、祖父の表情が少しずつ暗くなっていることに気づいていた。兄夫婦と同居しているはずなのに、服はいつも同じ、部屋は荒れ、食事もろくに取れていないように見える。 ある日、祖父はぽつりと呟いた。 「もうダメじゃ……」 不安を覚えた恵子が確かめてみると、そこには想像以上にひどい現実があった。兄嫁は祖父を邪魔者のように扱い、さらに年金手帳や通帳まで握っていたのだ。 「うちで一緒に暮らそうよ」 恵子と匠は祖父を連れ出し、新しい生活を始める。少しずつ笑顔を取り戻していく祖父。だがその後、思いもよらない知らせが届く。 祖父が突然、3億円もの財産を相続することになったのだ。 そのお金をめぐって、祖父を粗末に扱ってきた兄夫婦の本性が、ついに世間の前で暴かれていく――。祖父母と孫|絶縁|親子関係1.6万字5 420 -
完結第9話
家族じゃないなら、援助も終わり
63歳の遠藤由美子は、ある日突然、息子夫婦から8500万円のタワーマンション購入の連帯保証人になってほしいと頼まれる。 「形式的なものだから」 「親なら普通、協力するでしょう」 そう言われても、由美子は簡単に頷けなかった。退職後の老後資金まで巻き込む大きすぎる借金。しかも息子夫婦は、すでに物件を申し込み、由美子が保証人になる前提で話を進めていた。 断った瞬間、息子は言い放つ。 「保証人にならないなら、もう家族じゃない」 さらにその夜、銀行からの確認電話で、由美子は信じられない事実を知る。自分たちの預貯金額が勝手に書類へ記載され、1000万円の援助まで予定されていたのだ。 誰が、いつ、なぜそこまで知っていたのか。 親の愛情を当然の権利だと思い込んだ息子夫婦と、初めて「援助しない」と決めた母。 家族という言葉の裏に隠れていた歪みが、静かに崩れ始める――。絶縁|親子関係1.4万字5 2289 -
完結第10話
「冷たい嫁」と書かれた分担表
義母の介護を一人で背負うことを断った佐和子に、夫は冷たく言い放った。 「介護をしないなら、遺産は弟夫婦に譲る」 これまで買い物も通院も掃除も、黙って引き受けてきたのは佐和子だった。それなのに、義母の家で現金が消え始めると、疑いの目は真っ先に彼女へ向けられる。 さらに見つかったのは、義母が書いたはずの《佐和子さんがしたこと》というノート。そこには、覚えのない失敗や盗みの記録が並んでいた。 本当に義母の思い込みなのか。 それとも、誰かが佐和子を“悪い嫁”に仕立てようとしているのか。 介護、遺産、家の売却、消えた薬――。 家族のために我慢し続けてきた妻が、ようやく自分の人生を取り戻すまでの物語。兄弟姉妹|嫁姑|相続|介護1.4万字5 1952 -
完結第11話
夫の娘は、私にだけ謝った
結婚34年目、夫は突然こう告げた。 「娘が見つかった。だから離婚してほしい」 夫には、結婚前に生まれていたもう一人の娘がいた。しかも夫は、その娘のために今の家庭を離れ、父親としてやり直したいと言う。 しかし、真由美が初めて会った“夫の娘”綾香は、なぜか彼女に頭を下げた。 「私のせいで離婚しないでください」 夫は本当に、最近になって娘の存在を知ったのか。なぜ綾香は、父親ではなく真由美に会おうとしたのか。 やがて明らかになるのは、36年前に封じられた手紙と、12年前から夫が隠し続けていた事実だった。 突然現れた娘は、家庭を壊しに来たのではなかった。 34年続いた夫婦の中で、誰も口にしなかった本当の問題を、静かに照らし出していく――。夫婦|親子関係1.6万字5 622 -
完結第11話
席次表から消された母
25年間、血のつながらない息子・亮を育ててきた奈津子。 幼い頃の発熱、不登校、受験、就職、そして結婚。どんな時もそばにいて、亮からはずっと「母さん」と呼ばれてきた。 しかし結婚式を目前にしたある日、夫は奈津子に告げる。 「本当の母親へ席を譲ってくれ」 突然現れた亮の実母・真理子。奈津子は自分の25年間が否定されたような痛みを抱えるが、式の3日前、真理子から思いがけない連絡が届く。 「私は、あなたの席を奪いたいなんて一度も言っていません」 さらに明かされたのは、亮に毎年送られていたはずの手紙の存在だった。 なぜ手紙は届かなかったのか。 誰が、二人の母親と一人の息子の時間を止めていたのか。 結婚式直前、25年間隠されてきた家族の嘘が静かにほどけ始める――。絶縁|親子関係1.7万字5 666